やあやあ、おじさんだよ。最近ちょっとクルマ業界がざわついてるのを感じてないかい?

そう、ソニーとホンダが2022年に立ち上げた「ソニー・ホンダモビリティ(SHM)」の話さ。期待を一身に集めていたこの合弁会社が、2025年にEV「AFEELA(アフィーラ)」の開発を中止したというニュースが飛び込んできた。これは業界に相当な衝撃を与えたんだよ。

おじさんに言わせれば、これはただの撤退じゃない。むしろここからが面白いんだ。一緒に深掘りしていこうじゃないか。

ソニー・ホンダモビリティとは何者か

まず基礎からいこう。ソニー・ホンダモビリティは2022年9月に設立された合弁会社で、ソニーグループとホンダがそれぞれ50%ずつ出資している。本社は東京・港区に置かれ、2023年1月のCES(ラスベガス・コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、初の市販EVブランド「AFEELA」を世界に向けて発表したんだ。

AFEELAプロトタイプは全長4,895mm、ホイールベース3,000mmという堂々たるサイズのセダン。車内には約45個のセンサーを搭載し、エンターテインメント機能を極限まで追求した「動くリビングルーム」として注目を集めた。2026年の北米市場向け販売開始を目標としていたんだがね……。

アフィーラ開発中止——十時社長の「深謀遠慮」とは

ところが2025年、ソニーグループの十時裕樹社長(現CEO)はAFEELA開発の中止を決断する。東洋経済オンラインの報道によれば、十時社長は「エンターテインメントシフト」を新ビジョンとして打ち出し、ハードウェアとしての自動車開発よりも、車内体験・コンテンツ・ソフトウェアの領域に注力する方向に舵を切ったんだ。

「クルマを作るのをやめた」と聞くと後退に見えるかもしれないが、おじさんはそうは思わない。ソニーはウォークマン(1979年発売)からプレイステーション(1994年発売)、そしてストリーミング時代のKando(感動)戦略まで、何度もビジネスモデルを転換してきた会社さ。今回の判断もその流れで読むべきだろう。

日本経済新聞の報道では、ソニー・ホンダモビリティは存続させる方向で両社が協議中だという。では何をやるのか——それがまだ見えていないのが現状なんだよ。

おじさんの豆知識コーナー:EV業界「試練の2025年」

まあ、聞いてくれよ。AFEELAだけが苦しんでいるわけじゃない。2025年は世界的にEVメーカーの淘汰が進んだ年なんだ。

  • フィスカー(米国):2024年6月に破産申請。2022年のIPO時の時価総額は約40億ドルだったが、ゼロになった
  • ロードタウン・モーターズ(米国):2023年に破産。ピックアップEV「エンデュランス」の夢は潰えた
  • ニコラ(米国):2024年に経営危機、創業者トレバー・ミルトンは詐欺罪で有罪判決

一方で中国のBYD(比亜迪)は2024年に年間販売台数約175万台を記録し、テスラを上回るEV販売世界一に輝いた。EVの戦場は、資本力と量産体制を持つ者だけが生き残れる「鉄火場」になってるんだよ。ソニー・ホンダがハードウェア競争から降りた判断、あながち間違いじゃないかもしれないぞ。

ホンダの販売網問題——「N-BOXがこけたらどうするの?」

ホンダ単体にも別の火種がある。ダイヤモンド・オンラインの報道によれば、ホンダが進めるディーラー網の再編・統合計画に対し、販売会社側が「大規模化リスク」への懸念を強めているというんだ。

現在ホンダは全国の販売チャネルを「Honda」ブランドに一本化する統合を進めているが、問題はその収益構造にある。ホンダ国内販売の約40%以上をN-BOXが占めるという状況で、「N-BOXに頼りすぎていて、もし売れなくなったらどうするんだ」という声が販売現場から上がっているわけさ。

N-BOXは2011年の初代モデル発売以来、軽自動車販売台数ナンバーワンの地位をほぼ独占してきた化け物モデルだ。2023年の国内販売台数は約19万台。これだけ強い商品があるからこそ、逆に「この柱が倒れたら一気に崩れる」という恐怖感があるわけだよ。

ソニーとホンダが目指すべき次のステージ

おじさんが思うに、ソニー・ホンダモビリティの次の姿は「車内OS・コンテンツプラットフォーム」じゃないかな。

つまり、クルマ本体は作らなくても、走るスマホの中身——音楽、映像、ゲーム、AI助手——をソニーが提供し、それをホンダの車両に載せるビジネスモデルだ。実際、ソニーはPlayStation Network(PSN)の月間アクティブユーザー数1億1,400万人(2024年3月期)を抱えるコンテンツ帝国を持っている。これをクルマという新しいスクリーンに展開するのは、理にかなってるだろう?

Appleが「CarPlay」でやろうとしていること、GoogleがAndroid Automotiveでやっていることを、ソニーはハードとソフトの両軍を動員してやろうとしているとも言えるんだ。

世界の「車内エンタメ」競争

プレイヤー アプローチ 強み
ソニー・ホンダ コンテンツ×モビリティ PlayStation、映画、音楽
Apple CarPlay Ultra iPhone連携、デザイン
Google Android Automotive OS AI、マップ、クラウド
Amazon Alexa Auto AWS、スマートホーム連携

この「車内プラットフォーム戦争」に、ソニー・ホンダモビリティは今まさに参戦しようとしているわけさ。

まとめ——おじさんはまだ応援してるぞ

ちょっと聞いてくれよ。AFEELAの開発中止は確かに残念だった。2023年のCESで発表されたあのかっこいいプロトタイプを見て、「ついにソニーがクルマを作るのか!」とワクワクしたのはおじさんだけじゃないはずだ。

でもね、ビジネスってのは柔軟に変わっていくものさ。重要なのは「ソニー・ホンダモビリティは存続する」という事実だ。両社が協議を続けている以上、まだ諦めていない。次の一手が何なのか、おじさんは固唾を飲んで見守っているよ。

「クルマを作る会社」から「クルマの中を作る会社」へ——その転換が成功するかどうか、2026年か2027年には答えが出るだろうな。そのとき改めておじさんに教えてくれよ、「あんたの見立て、当たってたぞ」ってね。

じゃあまた、うんちく話で会おうじゃないか!