やあやあ、今日もおじさんのうんちくに付き合ってくれよ。
ADR市場で古河電工が急上昇!これは何が起きてるんだい?
2026年5月11日、ニューヨーク市場で取引される日本株のADR(米国預託証券)が全面高の展開を見せたんだ。キオクシアや住友電工と並んで、その中に「古河電工」の名前があった。シカゴ先物市場では大阪日中比で825円高の63,665円というデータも出ていて、全体的に日本株への買いムードが高まっていたわけだね。
そもそもADRとはAmerican Depositary Receiptsの略で、日本の株式を米ドル建てで米国市場において売買できるようにした証券のことさ。日本市場が閉まっている時間帯でも世界の投資家が日本株に資金を投じられる仕組みだよ。古河電工が「全面高の中でも名前が挙がった」というのは、それなりに注目されているということだろう?
古河電工って、どんな会社なんだい?
古河電工、正式名称「古河電気工業株式会社」。ちょっと聞いてくれよ、この会社の歴史を知らずして日本の近代産業は語れないんだよ。
創業は1884年(明治17年)。もう140年以上の歴史を誇る、日本を代表する電線・ケーブルメーカーだ。本社は東京都千代田区大手町に構え、東京証券取引所プライム市場に上場している。
主な製品・事業はこんな感じさ:
- 電力ケーブル — 発電所から家庭まで電気を届けるインフラの根幹
- 光ファイバーケーブル — 現代のインターネット社会を支える通信インフラ
- 自動車用電線(ワイヤーハーネス) — 自動車1台に平均3,000本以上の電線が使われる
- 電子部品・材料 — 半導体関連材料など最先端分野にも展開
連結売上高は約1兆円規模、グループ全体で約5万人以上の従業員を抱える大企業だよ。地味に聞こえるかもしれないが、実は日本の暮らしを根っこで支えている会社なんだ。
おじさんが掘り下げる!古河電工の知られざる歴史
足尾銅山と古河財閥——光と影の140年
古河電工のルーツをたどると、避けて通れない歴史がある。足尾銅山(あしおどうざん)の話だよ。
19世紀後半、実業家・古河市兵衛(ふるかわ いちべえ、1832〜1903年)が栃木県の足尾銅山を買収し、巨大な古河財閥を築き上げた。この銅山から産出される銅を使って電線製造に乗り出したのが古河電工の始まりというわけだ。
ただし、足尾銅山は同時に日本初の大規模公害事件——足尾鉱毒事件の舞台にもなった。精錬所からの煙や廃水が渡良瀬川を汚染し、下流農村に甚大な被害をもたらした。田中正造(たなか しょうぞう、1841〜1913年)が1901年12月10日に明治天皇への直訴を試みたことで広く知られている。日本の公害問題の原点とも言えるこの出来事は、産業発展の光と影を象徴しているんだよ。
光ファイバーで世界をつないだ!
古河電工が誇るもうひとつの顔が、光ファイバーケーブルの分野だ。
1970年代から光通信の研究開発に着手し、日本国内の通信インフラ整備を長年支えてきた。現在では海底ケーブル向けの光ファイバーも手がけており、太平洋を越えるインターネット通信の一翼を担っている。
光ファイバーの中を走る光信号は、1秒間に約20万km——つまり地球を約5周分の速さでデータを伝送できる。古河電工はその光ファイバー製造技術で世界トップクラスのポジションを確立しているんだよ。「縁の下の力持ち」とはまさにこのことさ。
EV時代に追い風——自動車向け電線の需要急拡大
もうひとつ注目してほしいのが、電気自動車(EV)の普及による追い風だ。
ガソリン車に比べてEVは搭載する電線の量が約2〜3倍に増えると言われている。バッテリーと各部品をつなぐ高電圧ケーブル、センサー類の配線——これらすべてが電線メーカーの商機になる。国際エネルギー機関(IEA)の2024年報告によれば、2030年までに世界のEV販売台数は年間4,500万台を超える見通しで、その恩恵を受ける企業のひとつが古河電工なんだよ。
さらに古河電工は、次世代パワー半導体向けの放熱材料や、データセンター向けの高速伝送ケーブルにも注力している。まさに「電線」というシンプルな強みを、時代の変化に合わせて進化させ続けているわけだ。
まとめ——電線から見える日本の底力
ADR市場での上昇は一日の値動きに過ぎないかもしれないが、古河電工という会社の背景には140年以上の歴史と技術の積み重ねがある。明治時代の銅線製造から始まり、光ファイバー、自動車用電線、そしてEV・半導体時代へ——時代ごとに形を変えながらも「電気をつなぐ」という本質を守り続けてきた企業だよ。
おじさんに言わせれば、「縁の下の力持ち」こそ、長く生き残る企業の共通点さ。古河電工の株価の動きをきっかけに、こういった「インフラを支える企業」の存在を意識してみるのも悪くないだろう?
まあ、今日はここまでにしておこう。また面白いうんちくを持って来るから、楽しみにしておいてくれよ!
おじさんのうんちくコーナー
「古河財閥」は戦前の日本を代表する15の財閥のひとつで、銅を軸に電気・機械・化学・金融と多角展開していたんだ。現在も古河電工グループには古河機械金属(かつての古河鉱業)、UACJ(アルミ大手、旧古河スカイ)などがあって、「古河グループ」として緩やかなつながりを保っている。メインバンクだった古河銀行は現在のみずほフィナンシャルグループに合流しているよ。財閥解体後も形を変えて生き続ける企業群——これが日本の産業史の面白いところだろう?