やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと経済ニュースで熱い話があってね、おじさん、これは黙ってられないと思ったわけよ。

デンソーって聞いたことあるだろう?「トヨタの部品屋さんでしょ」くらいに思ってる人、ちょっと待ってくれよ。それ、とんでもなく話が小さいからね。

デンソーって、どれだけデカい会社なんだ?

まあ聞いてくれよ。デンソーは1949年、トヨタ自動車から分離独立する形で設立された会社でね、本社は愛知県刈谷市にある。売上高は2024年3月期で7兆1,430億円。世界の自動車部品メーカーランキングで長年トップ3に君臨している、文字通りの「車部品の巨人」なんだよ。

従業員数も連結で約16万8,000人。これ、愛知県刈谷市の人口が約15万人だから、市民全員よりデンソーの社員の方が多いという、ちょっとシュールな事実もあるんだけどね(笑)。

そのデンソーが今、半導体業界に本気で乗り込もうとしているんだ。

ロームと東芝・三菱電機の「3社連合」にデンソーが照準

ここ最近のニュースでびっくりしたのが、ローム・東芝・三菱電機の3社が統合してパワー半導体の新会社を作るという話で、そこにデンソーが買収に動いているという報道だよ。

パワー半導体って何かって言うと、電力の変換や制御をする半導体で、電気自動車(EV)の心臓部に当たるもの。ガソリン車の時代は「エンジンの周辺部品」が自動車産業の要だったけど、EVの時代になると「いかに電気を効率よく使うか=パワー半導体の性能」が勝負になるんだ。

ロームは1958年創業の京都の半導体メーカーで、年間売上高は約5,000億円。特に次世代パワー半導体として注目されているSiC(炭化ケイ素)半導体の分野では世界トップクラスの技術を持っている。2023年にはSiCデバイスの生産能力を2025年までに10倍に拡張する計画を発表するほど、この分野に全力投資しているんだよ。

東芝と三菱電機もそれぞれ半導体部門を持っていて、これが合わされば日本最強のパワー半導体企業が誕生する計算になる。

なぜデンソーは半導体に本気なのか

ここで「なんで車部品屋さんが半導体を買収するの?」って疑問が出てくるよね。おじさんに言わせれば、これは「垂直統合」という古典的な戦略の現代版なんだよ。

世界のEV市場は急拡大していて、国際エネルギー機関(IEA)の2024年レポートによれば、2023年の世界EV販売台数は1,400万台を突破して前年比35%増。2030年には4,500万台に達すると予測されている。EVが増えれば増えるほど、パワー半導体の需要も爆発的に伸びる。

ところが問題がある。今まで日本の自動車メーカーは「部品はサプライヤーから買えばいい」というモデルでやってきたけど、EVの時代はそれでは間に合わない。テスラをはじめとするEV専業メーカーは半導体を自社開発・調達することで、コストと性能で圧倒的な優位を持っているんだ。

おじさんの豆知識コーナー:パワー半導体の「SiC革命」

ちょっと面白い話をしようか。普通の半導体はシリコン(Si)で作られているけど、SiC(炭化ケイ素)で作られたパワー半導体は耐熱性が3倍、絶縁破壊電圧が10倍という驚異的な特性を持っている。

つまり、小さい部品で大きな電力を扱えるし、高温環境でも安定して動く。EVのモーター制御に使うと、従来のシリコン型に比べて電力損失を約50%削減できるとされているんだよ。

このSiC半導体、もともとはLEDの基板素材として使われていたものを、1980年代に京都大学の松波弘之教授らが改良研究を重ねて、パワーデバイス用途に発展させた。日本の研究者が礎を築いた技術が今、EV革命のキーになっているわけだよ。ロマンがあるじゃないか!

ちなみに世界のSiCパワー半導体市場は2022年時点で約12億ドル(約1,800億円)だったのが、2030年には80億ドル(約1.2兆円)規模に拡大すると予測されている。それだけ各社が必死になるわけだよ。

「消耗戦」に突入する半導体業界の生き残り策

ただ、明るい話だけじゃないんだよね。EV需要が爆発しているのは事実だけど、半導体メーカーはその需要を見越して設備投資を一気に増やした。ところが2022〜2023年あたりからEVの需要成長がやや鈍化してきて、「供給過剰=価格下落」という消耗戦の様相を呈しているんだ。

ドイツのインフィニオン、アメリカのオン・セミコンダクター、スイスのSTマイクロエレクトロニクスといった海外の半導体大手は、数兆円規模の設備投資で攻勢をかけている。この規模の戦いに日本企業が単独で挑むのは正直しんどい。

だからこそ、ロームと東芝と三菱電機がタッグを組んで、そこにデンソーという大口の「お客さん兼オーナー」がつくという構図が意味を持つんだよ。デンソーからすれば「自分たちが使う半導体を自分たちで確保できる」、半導体3社からすれば「安定した需要と巨大な資金力を持つパートナーが得られる」。お互いにメリットがある話なんだね。

未来の車は「走るコンピューター」だから

最後にちょっと大きな話をしようか。2030年代の自動車は、エンジンや車体の性能よりも、搭載する半導体・ソフトウェアの質で価値が決まる時代になると言われている。

トヨタグループの中核を担うデンソーが、ここで半導体の内製化・垂直統合に動くのは、「車部品メーカー」から「モビリティテクノロジーカンパニー」への脱皮を本気で目指しているということだよ。

1949年に刈谷の小さな工場から始まった会社が、75年後の今、世界の自動車・半導体産業の再編を主導しようとしている。これはなかなかのドラマじゃないか。

まあ、こういう「産業の地殻変動」って、普通のニュースでは断片的にしか伝わらないだろう?でも流れを知っていると、なんで今このニュースが出てくるのか、ちゃんと腑に落ちるんだよ。それが「うんちく」の醍醐味というものだよ。

次のニュースも一緒に楽しんで読んでいこうじゃないか!