やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと渋いテーマで来たぞ。「ジヤトコ」って会社、聞いたことあるかい?
たぶん9割の人は「なにそれ?」ってなると思う。でもね、おじさんに言わせれば、この会社の製品、みんな絶対に乗ったことあるはずなんだよ。だって日本中の車の中に入ってるんだから。
ジヤトコとは何者か
ジヤトコ株式会社(英: JATCO Ltd)は、静岡県富士市今泉700番地に本社を構える、日産自動車グループの自動車部品メーカーだ。主力製品は自動変速機(AT)と無段変速機(CVT)。つまり、車のギアチェンジを自動でやってくれるあの装置を作ってる会社だよ。
株主構成を見ると、日産自動車が75%、三菱自動車工業が15%、スズキが10%を保有している。従業員数は2025年3月31日時点で連結1万1,700人。売上高は2,959億7,100万円(2025年3月期)という、なかなかの規模の会社なんだ。
でも一般消費者にはほとんど知られていない。まあ、BtoBの部品メーカーってそういうもんだよね。
創業は1943年、航空機部品から始まった
まあ、聞いてくれよ。この会社の歴史が面白いんだ。
ジヤトコの起源は1943年(昭和18年)、太平洋戦争のさなかに日産自動車の航空機部・吉原工場として設置されたのが始まり。戦争が終わって、航空機から自動車部品へと転換したわけだ。
1967年に吉原工場でAT(自動変速機)の生産を開始。1970年には日産・東洋工業(現マツダ)・フォードの3社合弁で日本自動変速機株式会社として独立した。出資比率はフォード50%、日産25%、東洋工業25%という当時としては珍しい日米合弁体制だったんだよ。
その後フォードが1981年に、マツダが1999年にそれぞれ撤退して、今の日産グループ中心の体制になった。現在の社名「ジヤトコ株式会社」になったのは2002年4月1日のことだ。
世界初を連発した変速機の技術力
ここがすごいんだよ、おじさんの目が輝くところ。
- 1989年: 世界初「電子制御5速オートマティックトランスミッション」を開発
- 1997年: 世界初、2リッタークラスの金属ベルト式CVT
- 1999年: 世界で初めて「トロイダルCVT」を量産化
- 2004年: 世界で初めてCVTの累計生産500万台を達成
「トロイダルCVT」って聞いたことある?ベルトの代わりにローラーを使って動力を伝える方式で、理論上ベルト式より伝達効率が高いんだ。これを世界で最初に量産したのがジヤトコなんだよ。
今まさに起きている大変身——車から電動モビリティへ
さて、ここからが最近の話だ。ジヤトコが今、変速機屋さんの枠を超えた大転換を図っているんだよ。
日本経済新聞が報じたところによると、ジヤトコは変速機で培ったモーター・インバーター・減速機の技術を組み合わせた「3-in-1」電動アクスルを開発。これが日産の電気自動車(EV)である第3世代「リーフ」に採用されたんだ。
変速機屋がEVの心臓部を作る——これ、実はすごく自然な流れなんだよ。変速機もEVのドライブユニットも、回転数と力を変換して車輪を動かすという意味では同じ技術の延長線上にあるからね。
電動アシスト自転車まで!新事業の展開
さらに面白いのが、2026年4月22日——そう、まさに今日!——ジヤトコ製のドライブユニットを搭載した電動アシスト自転車の販売が正式にスタートしたんだ。
FUNQが報じた「FESGLIDE」というebikeがそれで、THIRDBIKES(サードバイクス)というブランドが販売するモデルだ。ジヤトコはモーターと変速機を一体化したユニットをこのebikeに供給している。自動車の変速機で培った技術が、今度は自転車に使われているわけだ。
しかも、「Lifmy(リフミィ)」という移乗機構付き車いすも2026年3月31日から先行販売開始を発表している。自転車から車いすまで——もはや変速機メーカーとは呼べないような事業展開を見せているんだよ。
「メッシを3人で潰せ」という経営哲学
日経の記事に面白いエピソードが載っていた。ジヤトコの経営陣が組織作りの際によく言う言葉が「メッシを潰すなら3人で潰せ」なんだそうだ。
一流選手には一流の複数の手が必要、という意味だろう。変速機という強みを持ちながら、EV・eバイク・車いすと複数の方向から新市場を攻略しようという姿勢が見える。
今後の方針としては「EV一辺倒にはならず、HEV(ハイブリッド車)向けにも力を入れていく」とのことで、変速機技術はまだまだHEVの世界で活躍できるという判断のようだ。
まとめ——知られざる巨人の大変身
どうだい、ジヤトコって会社、知ってたかい?
1943年の戦時中に生まれ、世界初の技術を連発してきた変速機の老舗が、EV時代の波を受けて自転車や車いすまで作り始めた。総資産4,152億5,800万円を持つこの「知られざる巨人」が、どこに向かっていくのか、おじさんとしてはとても楽しみだよ。
次に車のアクセルを踏んだとき、あるいは電動アシスト自転車に乗ったとき、ちょっとジヤトコのことを思い出してくれると嬉しいな。じゃあ、また豆知識を仕入れておくよ!
うんちくおじさんのひとこと豆知識
「CVT」は Continuously Variable Transmission の略で、「無段変速機」と訳される。普通のAT(自動変速機)は「1速→2速→3速」と段階的にギアが変わるけど、CVTは変速比を無限に連続的に変えられるんだ。だから「無段」変速なわけ。
ベルトと2つのプーリー(滑車)の組み合わせで実現していて、エンジンを常に最も効率のいい回転数で動かせるから、燃費が良くなるメリットがある。日本では特に軽自動車や小型車に広く普及していて、現在は日産・三菱・スズキ・GM・ルノーなど国内外の多数のメーカーに供給されている。
ちなみに「ジヤトコ」という社名の「ヤ」が小文字でないのは、商標登録上の都合で「ジャトコ」という表記が使えなかったためだよ。