やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと渋めの話題なんだけど、これがまた面白いんだよ。
最近「カナデビア」って名前、ニュースで見かけたことないかい?溶接不良だとか、日鉄との統合だとか、なんだかいろいろ騒がしいよね。でもこの会社、ただの重工業メーカーじゃないんだよ。おじさんに言わせれば、日本の近代工業史そのものと言っても過言じゃない。まあ、聞いてくれよ。
カナデビアって、実はあの「日立造船」だった
まず基本から押さえておこうか。カナデビア株式会社、この名前になったのは2024年9月30日のこと。それまでは「日立造船株式会社」という社名だったんだよ。
ところがここに大きな誤解がある。「日立造船」って名前だから、日立グループの造船会社だと思うだろう?実はそうじゃないんだ。現在は日立グループには属しておらず、造船事業からも2002年(平成14年)にすでに撤退しているんだよ。名前だけ残っていたわけ。それじゃ紛らわしいってことで、2024年に思い切って社名を変えたわけだ。
社名の「カナデビア(Kanadevia)」は、「奏でる(Kanaderu)」+「Via(道・方法)」を組み合わせた造語で、「社会課題を解決する道を奏でる」という意思が込められているとのことだよ。なかなかおしゃれだろう?
創業1881年!大阪近代工業の生き字引
会社の歴史を紐解くと、これがまたすごい。カナデビアの前身は1881年(明治14年)4月1日に創業した「大阪鉄工所」なんだよ。設立は1934年(昭和9年)5月29日。つまり創業から145年以上も続く老舗中の老舗だ。
大阪における近代重工業の発祥ともいえる会社で、創業者はイギリス人のE.H.ハンター。明治時代の大阪で近代的な鉄工所を立ち上げたわけだ。その後、範多龍太郎が正式に株式会社として設立した。
現在の本社は大阪市住之江区南港北1丁目7番89号。東京本社は品川区南大井の大森ベルポートD館15階に構えているよ。社長は桑原道(くわはら みち)氏で、2024年3月期の連結売上高は5,558億4,400万円。連結従業員数は12,964名(2025年3月31日現在)。東証プライム市場に上場していて、証券コードは7004、なんと日経平均株価の構成銘柄の一つにも入っているんだ。
今何をやっている会社なの?
じゃあ今のカナデビアは何をしているのか、というと、主な事業はこんな感じだよ。
- ごみ焼却発電施設の設計・製作
- 海水淡水化プラント
- 上下水・汚泥再生処理プラント
- 橋梁・水門・防災関連機器
- プロセス機器・精密機械
つまり、環境インフラを支える「縁の下の力持ち」的な会社なんだよ。ゴミを燃やして電気を作る施設とか、海水を飲み水に変えるプラントとか、そういう社会インフラを手がけているわけ。
淀川橋梁問題と溶接不良2万8000カ所の衝撃
さて、最近のニュースで騒ぎになっているのが、大阪・淀川の鉄道橋梁をめぐる問題だ。
淀川の鉄道橋を水面すれすれの位置から7メートル高く架け替えるという大規模工事が進んでいるんだけど、カナデビアが製作した橋梁に溶接不良が2万8000カ所も見つかったというんだよ。これは大林組がカナデビアに再製作費用を請求するという大きなトラブルに発展している。
2万8000カ所というのは、ちょっとした数字じゃないよね。橋梁の品質管理体制が問われる問題で、今後の対応がどうなるか注目されているところだよ。
売上1兆円超えを目指す大型統合
そしてもう一つの大ニュースが、日鉄エンジニアリングとの経営統合だ。
2026年2月5日、カナデビアは日本製鉄の子会社である日鉄エンジニアリング(東京)と経営統合に向けた検討を始めたと発表した。カナデビアが日鉄エンジニアリングを吸収合併する方向で、2026年9月に最終契約、2027年4月の実現を目指している。
実現すれば直近の売上高は1兆円超えとなり、国内首位のエンジニアリング企業が誕生することになる。カナデビアの桑原道社長は大阪市内での記者会見で「世界トップクラスのエンジニアリンググループを目指す」と強調したよ。
脱炭素化や資源循環の分野での競争力強化が主な目的で、日鉄グループからの分離という側面も注目されているんだ。
まとめ:知らなかっただろう、カナデビアの正体
どうだい、カナデビアって会社、ちょっと見直しただろう?
1881年の創業から145年以上。日立造船という名前で日本のインフラを支え続け、2024年に新たな社名で再出発した。売上高5,558億円、従業員1万3千人近くを抱えるインフラ企業が、今まさに日鉄エンジニアリングとの統合で売上1兆円超えの巨大企業へと生まれ変わろうとしているんだ。
一方で淀川橋梁の溶接不良問題のように、課題もある。インフラを担う企業には品質管理の厳しさが求められるからね。
「カナデビア?聞いたことあるけどよく知らない」って人も多かったと思うけど、これだけ歴史と規模を持つ会社が今まさに変わろうとしているわけだ。おじさん的には、こういう「地味だけど実はすごい」会社こそ、もっと注目されてほしいと思うよ。
さて、次はどんなうんちくを持ってこようかな。また来てくれよ!
おじさんの豆知識コーナー:造船会社なのに造船しない?
ちょっと聞いてくれよ、面白い話があるんだよ。「日立造船」という名前なのに造船事業がない、という状況が20年以上続いていたんだ。
2002年に日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)との合弁で、両社の船舶・海洋部門を切り離して「ユニバーサル造船」を設立し、造船事業を手放した。その後、子会社の内海造船の株式も2006年に売却したことで、2007年度決算からは連結でも造船事業がゼロになった。
それでも「日立造船」を名乗り続けたのは、長年培ったブランド力への配慮もあったんだろうね。でも2024年についに社名変更。ある意味、20年越しの「卒業」とも言えるかもしれないよ。