やあやあ、今日はうなぎ好きには堪らない話をしようじゃないか。

「ひつまぶし」って食べたことあるかい?名古屋めしの王様とも言われるあの料理だよ。最近ちょっと面白いニュースがあってね、富山県砺波市の老舗料理店「魚安」が、なんと鮎(アユ)を使ったひつまぶしを開発したんだ。2026年4月21日から提供開始というから、これは注目だよ。しかも発案したのは学生スタッフだっていうから、若い力ってすごいよな。「老舗の魅力を若い世代に」というコンセプトで、釜飯にだしをかけて食べるスタイルにアレンジしたんだそうだ。

そんなニュースをきっかけに、今日はひつまぶしそのものについて、おじさんがどっぷり解説してあげよう。まあ、聞いてくれよ。

そもそも「ひつまぶし」って何者だ?

ひつまぶしは、刻んだうなぎの蒲焼きをご飯の上に乗せ、おひつ(木製の飯入れ容器)に盛り付けた名古屋発祥の料理だ。「ひつ」はこのおひつのこと、「まぶし」は「まぶす(まぶれる・混ぜる)」から来ている。つまり「おひつにまぶしたもの」というのが語源なんだよ。

ひつまぶしを語るなら外せない店が、名古屋市熱田区にある「あつた蓬莱軒(ほうらいけん)」だ。明治6年(1873年)創業という老舗中の老舗で、ひつまぶしを世に広めたのはここだと言われている。現在も熱田神宮の参拝客や観光客で連日行列ができるほどの人気で、週末には2〜3時間待ちも珍しくない。

ひつまぶしの「三度楽しむ」作法

ひつまぶしの醍醐味は、1杯で3通りの食べ方ができることだ。

1杯目:そのまま

まずはおひつをしゃもじで4等分して、最初の1杯目はそのままのうなぎとご飯の味を堪能する。

2杯目:薬味と一緒に

わさび・刻みねぎ・のり・山椒などの薬味を加えて食べる。薬味のアクセントでまた違った味わいになるよ。

3杯目:お茶漬けに

温かいだし汁(お茶漬け用のだし)をかけてさらさらと食べる。うなぎの脂がだしに溶け出して、これが絶品なんだよ。

4杯目(残りの1杯)は、3つのうち一番気に入った食べ方で楽しむ、というのが正式な流儀だ。

おじさんのうんちくコーナー:うなぎとひつまぶしの知られざる事実

ちょっと聞いてくれよ、面白い話があるんだ。

うなぎの蒲焼きに「関東風」と「関西風」があるのは知ってるかい?

関東では背開きにして蒸してから焼くため、ふっくらとした柔らかい食感になる。一方、関西(名古屋も含む)では腹開きにして蒸さずにそのまま焼くので、皮がパリッとして香ばしい食感が特徴だ。ひつまぶし発祥の名古屋は関西スタイルだから、刻んで混ぜても崩れにくく、ひつまぶしという食べ方が生まれたとも言われているよ。

さらに面白いのは、うなぎの完全養殖が世界で初めて成功したのが2010年であること。独立行政法人水産総合研究センター(現・水産研究・教育機構)が達成したんだが、実用化・商業化にはまだコストがかかりすぎて、現在流通しているうなぎのほぼ100%は天然の稚魚(シラスウナギ)を捕獲して育てた養殖ものなんだ。シラスウナギの漁獲量は1960年代には年間約230トンあったのに、2018年には約3.7トンにまで激減している。だから今後うなぎはますます高級品になっていく可能性が高いぞ。

砺波・魚安の「鮎ひつまぶし」が面白い理由

今回のニュースに戻ろう。富山県砺波市の「魚安」が開発した鮎ひつまぶしは、清流魚として知られるアユを使った新感覚のひつまぶしだ。

アユは日本の河川で獲れる代表的な淡水魚で、富山県を流れる庄川・小矢部川などでも古くから親しまれてきた。特に砺波地域では、地元の川魚を使った料理が食文化として根付いている。

面白いのは、このメニューが学生スタッフの発案だという点だ。老舗の魚料理店が若い世代の感性を取り入れて、伝統の食文化を再解釈した。釜飯スタイルで提供し、だしをかけて食べることでアユ特有の上品な旨みが引き立つという仕掛けだ。

アユの塩焼きは日本人には馴染み深いが、ひつまぶしという食べ方でアプローチするのはなかなか斬新だよな。うなぎに比べてアユは脂が少なく淡白な味わいだから、だしとの相性は抜群のはずだ。

ひつまぶしが全国区になったのはいつ?

実は、ひつまぶしが名古屋以外でも広く知られるようになったのは、それほど昔のことじゃない。2000年代に入ってからの「名古屋めしブーム」が大きなきっかけだ。

2005年に愛知万博(愛・地球博)が開催されたことで、名古屋が全国から注目されて「みそかつ」「手羽先」「小倉トースト」と並んで「ひつまぶし」も全国区の知名度を得た。現在では東京・大阪・福岡など全国の主要都市でひつまぶしを提供する専門店が増え、あつた蓬莱軒も東京(日本橋)と大阪(梅田)に支店を構えるまでになっている。

まとめ:食文化って進化し続けるもんだよ

ひつまぶしは明治時代に生まれて150年以上、愛され続けてきた料理だ。そしてその精神は今、砺波の若者たちが「アユひつまぶし」という形で新しい命を吹き込もうとしている。

おじさんに言わせれば、これが食文化の面白さだよ。伝統を守りながら、時代に合わせてアレンジしていく。うなぎだけがひつまぶしじゃない、川魚の旨さを最大限に引き出すひつまぶしという「器」——これからも色んなバリエーションが生まれてくるかもしれないね。

君もぜひ、次の旅行では本場名古屋であつた蓬莱軒のひつまぶしを体験してみてくれよ。そして機会があれば砺波の「鮎ひつまぶし」も試してみてくれ。食べ物の歴史を知ってから口にすると、また一段と美味しく感じるもんだよ。それがおじさんの持論さ!