やあやあ、久しぶりに競馬の話をさせてくれよ。

2026年3月3日、日本競馬界にとって一つの時代が終わったんだ。調教師・国枝栄(くにえだ さかえ)さんが、ついに引退したんだよ。3月1日の引退セレモニーは、ファンにとっても関係者にとっても、忘れられない一日になったことだろう。

おじさんはね、この人のことを語らずには今の日本競馬は語れないと思ってるんだ。まあ、聞いてくれよ。

国枝栄とはどんな調教師だったのか

国枝栄さんは1955年4月14日、岐阜県本巣郡北方町生まれ。現在71歳だ。岐阜県立本巣高等学校を卒業後、東京農工大学農学部獣医学科へ進学した。馬術部で馬にどっぷりハマり、時間もアルバイトの稼ぎも全部馬術につぎ込んだっていうんだから、筋金入りだよね。

大学卒業後は1978年、開場したばかりの美浦トレーニングセンターの山崎彰義厩舎で調教助手としてスタート。そして1989年に調教師免許を取得し、翌1990年2月4日に厩舎を開業した。最初の出走馬はシャインハードで11着だったけど、同年3月10日の中山競馬場でリュウカムイが初勝利を挙げた。

そこから36年間、2026年の引退まで休まず走り続けたわけだ。

数字で見る「牝馬の国枝」の偉大さ

現役生活の通算成績を聞いたら、驚くよ。

  • 中央競馬:9,530戦1,123勝
  • 地方競馬:108戦17勝
  • 海外:6戦1勝
  • 重賞勝利:73勝(中央70勝、地方3勝、海外1勝)
  • G1級勝利:23勝(中央22勝、海外1勝)
  • 通算獲得賞金:約247億5,445万円(中央のみ)

この数字だけでも圧倒的だが、国枝さんが「牝馬の国枝」と呼ばれる理由が特にすごいんだ。JRAの牝馬G1では12勝を挙げ、松田博資調教師と並んで最多タイ記録を持っているんだよ。

しかも、牝馬三冠(桜花賞・優駿牝馬・秋華賞)を2度も達成している。これは日本競馬史上でも極めて稀な偉業だ。

伝説の馬たち

アパパネ(2007年生まれ):2010年に史上3頭目の牝馬三冠を達成。19戦7勝という成績で、通算獲得賞金は約5億5,859万円に上った。

アーモンドアイ(2015年生まれ):2018年に史上5頭目の牝馬三冠を達成。さらに同年のジャパンカップ(G1)も制覇し、その賞金は約15億1,956万円。15戦11勝という圧倒的な成績を残した女王だ。

マツリダゴッホ(2003年生まれ):2007年の有馬記念(G1)を制覇。27戦10勝、通算獲得賞金は約6億5,013万円。

ブラックホーク(1994年生まれ):1998年のダービー卿チャレンジトロフィーで人馬ともに重賞初勝利を飾り、翌1999年のスプリンターズステークスで国枝さんに初G1勝利をプレゼントした。28戦9勝、通算獲得賞金は約6億5,267万円。

うんちくおじさんの豆知識コーナー

おじさんに言わせれば、「牝馬三冠」がどれほど難しいかをちゃんと説明しないといけないな。

牝馬三冠とは、桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞の3レースをすべて同一の牝馬が制することだ。日本でこれを達成した馬は史上8頭しかいない(2025年時点)。メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、スターズオンアース、リバティアイランドだよ。

このうちアパパネとアーモンドアイの2頭が国枝厩舎の管理馬だったんだ。つまり全8頭のうち4分の1が国枝栄さんの手によるもの。いかに「牝馬の国枝」の称号が伊達じゃないかがわかるだろう?

さらにアーモンドアイに関しては、牝馬三冠後にジャパンカップも制覇し、当時の芝レースにおける世界レコードタイムをたたき出したんだよ。2分20秒6という記録は、多くのファンの心に刻まれているね。

経歴の節目をたどってみよう

国枝さんのキャリアは、節目節目に印象的な記録がある。

  • 2004年6月13日:JRA通算300勝を2,761戦目で達成(現役85人目)
  • 2007年1月21日:アメリカジョッキークラブカップでマツリダゴッホが勝利し、JRA通算400勝(現役45人目)。同年、東京競馬記者クラブ賞を初受賞
  • 2009年12月12日:JRA通算500勝を4,485戦目で達成(史上110人目・現役22人目)
  • 2010年:アパパネで牝馬三冠達成
  • 2012年9月29日:JRA通算600勝達成(史上79人目・現役12人目)
  • 2015年5月31日:JRA通算700勝を6,211戦目で達成(史上46人目・現役6人目)
  • 2018年1月7日:JRA通算800勝を7,042戦目で達成(史上34人目・現役3人目)
  • 2018年:アーモンドアイで2度目の牝馬三冠達成
  • 2026年3月3日:引退(通算9,530戦1,123勝)

獣医学の知識が「牝馬の国枝」を生んだ

ちょっと聞いてくれよ。なぜ国枝さんがここまで牝馬に強かったのか、おじさんなりに考えてみたんだ。

東京農工大学で獣医学を学んだ国枝さんは、馬の体の仕組みについて科学的な理解を持っていた。牝馬は牡馬と比べてホルモンの変動が大きく、精神的なケアや体調管理が難しいと言われている。そこに獣医学的な知識と、馬術部で培った馬との向き合い方が組み合わさったのではないかと思うんだよね。

まあ、それだけじゃないだろうけど、36年かけて1,123勝を積み上げた人の蓄積というのは、並大抵のものじゃない。

まとめ

2026年3月、「牝馬の国枝」栄さんが引退した。G1級23勝、重賞73勝、通算1,123勝、獲得賞金247億円超。アパパネとアーモンドアイで2度の牝馬三冠を制した、まさに日本競馬の歴史に名を刻んだ調教師だよ。

71歳まで現役を続けた国枝さんの情熱と実績は、これからも語り継がれていくことだろうね。競馬ファンじゃなくても、これだけの数字を見れば、どれほど偉大な仕事をしてきたかはわかるはずだ。

君も次の競馬観戦で、ふと「アーモンドアイを育てた人がいたな」と思い出してくれたら、おじさんとしては嬉しいよ。