やあやあ、おじさんだよ。

テレビをつけたら『徹子の部屋』の傑作選が放送されていてね、野際陽子さんが出ていたんだ。思わず手が止まって、気づいたら1時間見入ってしまったよ。「お母さん役でも愛されて」というテーマで、野際陽子さん、大原麗子さん、市原悦子さん、佐々木すみ江さんといった名優たちのトークが収められた回だったんだけど、これがもうね……おじさん、ちょっと目頭が熱くなってしまったよ。

今日は野際陽子さんについて、おじさんがとことん語らせてもらうよ。

野際陽子とはどんな女優だったのか

野際陽子さんは1936年3月24日、東京都生まれの女優だ。2017年6月13日に肺腺がんのため81歳で亡くなった。芸歴は実に50年以上に及ぶ大ベテランで、NHKのアナウンサーとしてキャリアをスタートさせた異色の経歴を持っているんだよ。1961年にNHKに入局し、アナウンサーとして活躍した後、女優に転身するという、当時としてはかなり珍しい道を歩んだんだ。

その後、劇団NLT(ナショナル・リビング・シアター)に入り、本格的に女優としての道を歩み始める。1968年から1973年まで放送されたTBSの人気アクションドラマ『キイハンター』では主要キャストとして全317話に出演。共演者には千葉真一さんや丹波哲郎さんがいて、毎週土曜日の夜、茶の間をくぎ付けにした伝説的な作品だよ。

「冬彦さんのお母さん」として社会現象に

まあ、聞いてくれよ。野際陽子さんの名前を聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、1992年にTBSで放送されたドラマ『ずっとあなたが好きだった』での役だろうね。

このドラマで野際さんが演じたのは、息子・冬彦(演:佐野史郎)に異常な執着を持つ母親・桂木柾子。息子の妻・ひとみ(演:賀来千香子)を徹底的に排除しようとするそのキャラクターは「冬彦さん」とともに社会現象を巻き起こした。なんとこのドラマ、最高視聴率が32.1%(1992年9月8日放送回)にまで達したんだよ。

この「鬼姑」キャラが話題になりすぎて、国語辞書にも影響を与えた。「冬彦系」「マザコン」という言葉がこのドラマをきっかけに広く認知されるようになったし、野際陽子さんはこの年の第30回ゴールデン・アロー賞特別賞を受賞している。

うんちくおじさんの豆知識コーナー

「冬彦さん」誕生には偶然の要素があった!

実はね、佐野史郎さんが演じた冬彦というキャラクター、当初はここまで怪演になる予定ではなかったんだって。佐野さんが独自の解釈でキャラクターを深めていく中で、野際陽子さんの母親像との化学反応が生まれ、あの「伝説の怪演」が完成したとも言われているんだよ。

そしてもう一つ。野際陽子さんはこの役について後年のインタビューでこんなことを語っている——「桂木柾子は息子を愛しすぎた母親。愛の歪み方を演じることが怖くもあり、やりがいでもあった」と。あれだけ視聴者を震え上がらせた役を、ちゃんと「愛」として捉えていたんだね。さすがだよ。

ちなみに「冬彦さん」放送当時、TBSには1日に数百件もの問い合わせ・反響電話が来たという記録が残っているよ。

徹子の部屋で見せた素顔

今回放送された『徹子の部屋』傑作選では、野際さんが黒柳徹子さんとざっくばらんにトークを繰り広げる姿が収められていた。ドラマのイメージとはまったく違う、明るくてサバサバした女性——それが素の野際陽子さんだったんだよ。

同じ回で紹介された大原麗子さん(1946年生まれ、2009年没)は『渡る世間は鬼ばかり』シリーズで愛され続けた名優だし、市原悦子さん(1936年生まれ、2019年没)は『家政婦は見た!』シリーズで1983年から2008年まで実に25年以上にわたって主演を務めた大女優だ。佐々木すみ江さんも舞台・テレビで70年以上のキャリアを誇る。こうした名優たちが「お母さん役」というテーマで一堂に会す企画、さすが長寿番組の傑作選だよね。

『徹子の部屋』自体も1976年2月2日の放送開始以来、2024年時点で放送回数が1万回を超えた化け物番組だからね。名インタビューが山ほど眠っているわけだ。

おじさん的・野際陽子さんの知られざる一面

NHKアナウンサー時代の話

野際陽子さんは、1961年にNHKにアナウンサーとして入局したんだが、当時NHKに女性アナウンサーとして採用されること自体、競争率が非常に高かった時代だよ。そこから女優に転身するというのは、相当な決断だったはずだね。

「キイハンター」での活躍

アクションドラマ『キイハンター』は1968年から1973年の5年間、TBS土曜夜8時枠で放送され、全317話というボリュームを誇った。野際さん演じる「滝道子」は、銃やカラテをあやつるクールな女スパイ。当時の女性視聴者に「かっこいい女性」の新たなイメージを植え付けたと言っても過言じゃないよ。

晩年の活躍と闘病

野際さんは肺腺がんと診断されながらも、2016年まで精力的に仕事を続けた。2015年には映画『ソロモンの偽証』に出演、同年にはドラマ『戦後70年 七人の秘書』にも出演している。最後の最後まで女優であり続けた姿は、本当にかっこよかったよ。

まとめ——名優は画面を越えて記憶に残る

野際陽子さんが亡くなって、もう7年が経つんだね。でもね、こうして『徹子の部屋』の傑作選として再放送されて、また多くの人があの笑顔やトークに触れている。それって本当にすごいことだと思うんだよ、おじさんは。

視聴率32%の「冬彦さんのお母さん」も、全317話のアクション女優も、NHKアナウンサー出身という異色の経歴も——全部ひっくるめて「野際陽子」という一人の女優を作り上げていたんだ。

テレビを見る機会があったら、ぜひ傑作選をチェックしてみてくれよ。大原麗子さん、市原悦子さん、佐々木すみ江さんとのトークも含めて、昭和・平成の女優たちの「お母さん像」を見比べるのも、なかなか面白い体験になるはずだよ。

じゃあ、またうんちくを持って来るから、待っててくれよな!