やあやあ、久しぶりだね。今日は富士フイルムホールディングスの株価の話をしようと思うんだが、まあ聞いてくれよ。「写真フィルムの会社でしょ?」なんて思ってるとしたら、それは大間違いだよ。この会社の変貌ぶりは、経済の教科書に載せてもいいくらいのドラマがあるんだ。

最近のアナリスト評価が面白い

2026年4月現在、富士フイルムホールディングス(東証プライム上場、証券コード4901)をめぐってアナリストの評価が出そろってきた。米系大手証券はレーティング「強気」を継続しつつも、目標株価を3,800円に引き下げた。一方で日系大手証券は「中立」を据え置きつつ、目標株価を3,200円に引き下げている。

さらに2026年3月期の経常利益予想について、アナリストのコンセンサスが前週比で0.9%上昇しているというデータもある。強気と中立が混在しつつも、業績予想は微増傾向にあるというのが今の市場の見方というわけだ。

「目標株価を引き下げたのに強気?」と思うかもしれないが、それはレーティングと目標株価が別物だからさ。現在株価より目標株価が高ければ「まだ上値余地がある」という評価になるわけだ。おじさんに言わせれば、アナリストの言葉を読み解くのも一種の教養だよ。

富士フイルムって今や何の会社?

1934年に富士写真フイルム株式会社として静岡県に設立されたこの会社、2006年に富士フイルムホールディングスに社名変更してから、その姿はすっかり変わった。

現在の売上構成を見ると、以下の3つが柱だ:

  • ヘルスケア・マテリアルズソリューション:医療用画像診断機器、バイオ医薬品CDMO(医薬品受託製造)など
  • スマートワーキング:旧ゼロックス事業、複合機・プリンターなど
  • イメージング:デジタルカメラ「X」シリーズ、写真フィルム(まだ製造してる!)

2024年3月期の連結売上収益は約2兆9,000億円、営業利益は約2,000億円規模。写真フィルム一本でここまで来た会社とは思えないスケールだろう?

おじさんの豆知識コーナー:「コダックとの運命の分かれ道」

まあ、ここが一番おいしい話なんだが、富士フイルムと同じ写真フィルムメーカーだったイーストマン・コダック(アメリカ、1892年創業)は、2012年1月に連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請して経営破綻した。

デジタルカメラの普及でフィルム需要が2000年代に入って急落。コダックのフィルム事業の売上はピーク時から80%以上減少したと言われている。

ところが富士フイルムはどうしたかというと、2000年代初頭から徹底的に「フィルムで培った技術の転用」を図ったんだ。写真フィルムに使われるコラーゲン技術→スキンケア化粧品「ASTALIFT」(2007年発売)、フィルムの光学技術→半導体製造用フォトレジスト(露光材料)、フィルム素材の超薄膜技術→液晶パネル用光学フィルム

結果、デジタル化の波を「敵」ではなく「新事業の機会」として乗り越えた。この経営転換は欧米のビジネススクールでも事例研究として取り上げられているよ。コダックと富士フイルム、同じ土俵で戦っていた会社が、一方は破綻し一方は成長企業になった。これが「イノベーションのジレンマ」を超えた好例なんだ。

半導体とバイオ医薬品が株価の鍵

最近の富士フイルムの株価を語る上で外せないのが、半導体材料バイオ医薬品CDMOの2つだ。

半導体材料ビジネス

富士フイルムはEUV(極端紫外線)リソグラフィ向けのフォトレジスト(感光材料)で世界トップクラスのシェアを持つ。EUVリソグラフィとは、2nm・3nmといった最先端半導体チップを製造するための露光技術で、TSMC(台湾積体電路製造)やSamsung、Intelといった世界最大手のファブが採用している。

AI・データセンター需要の爆発的拡大で半導体需要が高止まりしている2020年代、この事業の成長への期待が株価を支える大きな要因の一つになっている。

バイオ医薬品CDMO

2011年に米メルクのバイオサイエンス部門を約900億円で買収してスタートしたこの事業、2021年にはデンマークのバイオプロセス企業Byoscienceも傘下に収め、北米・欧州・日本にまたがる製造網を構築した。

コロナ禍でmRNAワクチン需要が急増した際も、富士フイルムのCDMO(医薬品受託製造機関)は恩恵を受けた。現在は抗体医薬品や遺伝子治療薬など次世代バイオ医薬品の製造受託にも注力している。

アナリストが目標株価を引き下げた理由を考える

「強気なのに目標株価を下げる」という一見矛盾した動きには、いくつかの背景が考えられる。

  1. 円高リスク:2026年に入って円高傾向が強まると、海外売上比率が高い企業は円換算での収益が目減りする
  2. CDMOの競争激化:欧米の製薬大手が内製化を進める動きや、中国系CDMO企業の台頭が収益圧迫要因として意識されている
  3. バリュエーションの調整:PER(株価収益率)などの指標で割高感が出てきたため、目標株価を現実的な水準に修正した可能性

とはいえ「強気」評価を継続しているということは、中長期的な成長ストーリーは変わっていないと判断しているということだ。

まとめ:フィルムから世界企業へ

ちょっと聞いてくれよ、改めてまとめるとさ、富士フイルムって本当に面白い会社なんだよ。1934年創業でフィルム1枚から出発して、今や半導体・医薬品・化粧品・複合機まで手掛ける複合企業になっている。

目標株価3,200〜3,800円という現在のアナリスト評価は、業績の底堅さを認めつつも短期的な不透明要因を織り込んだ「現実的な強気」とでも言えるだろうか。

株価というのは単なる数字じゃなくて、その会社の「過去・現在・未来」が凝縮されたものだ。富士フイルムの株価チャートを眺めるときは、「かつてコダックと競い合ったフィルム会社が、なぜ今も生き残っているのか」という物語を思い浮かべてほしいね。それだけで投資の見方がずいぶん変わるはずだよ。

投資は自己責任でね。でも知識は武器になるから、うんちくおじさんはこれからも情報を届けていくよ!