やあやあ、今日も元気にやってるかい?
おじさんはね、最近のニュースを見ていてちょっと興奮気味でさ。あの富士フイルムが、また記録を塗り替えたんだよ。しかも7年連続でだ!これは単純にすごい話じゃなくて、実は深〜い背景があるんだよ。まあ、ちょっと聞いてくれよ。
7期連続最高益!富士フイルムの快進撃
2026年5月に発表された決算によると、富士フイルムホールディングスの今期(2026年3月期)税引き前利益は前年比約2%増となり、なんと7期連続の最高益更新を達成したんだ。アイフィス株予報によると7.6%増益で、しかもアナリストの予想を上回る好成績だったとのことだよ。
さらに株主への還元も充実させていて、1株あたり5円の増配も発表された。堅実な経営と成長投資を両立させる、まさに優等生的な決算内容だったわけさ。
そしてもうひとつの注目ニュースが、インドへの進出だ。インド西部グジャラート州のドレラ(Dholera)という工業都市に半導体製造向けの工場を建設中で、2027年には試験生産を開始する予定なんだ。最初は半導体の製造工程で使われる洗浄液の生産から始める計画だという。インドの半導体産業勃興に合わせた、実に先読みの利いた投資だよ。
おじさん的深掘り解説
フィルム屋がなぜ半導体に?その驚きの変身劇
ここでおじさんに言わせれば、この快進撃の裏には「世界一の企業変革」と呼んでもいいような、劇的なドラマがあるんだよ。
富士フイルムは1934年1月20日、富士山麓の静岡県富士市に「富士写真フイルム株式会社」として創業した。当初は写真用フィルムの国産化を目指した会社で、それから70年近く、フィルム事業で世界を席巻してきた。
ところが2000年代に入ってデジタルカメラが急速に普及し、写真フィルムの需要は2000年から2010年の10年間で約90%以上激減してしまった。フィルム業界にとってはまさに「黒船来航」並みの衝撃だったんだよ。
同じく世界的なフィルムメーカーだったアメリカのコダック(Eastman Kodak)は2012年1月に経営破綻(チャプター11申請)を余儀なくされた。写真フィルム市場を一緒に牛耳っていたライバルが倒れる中、富士フイルムはなぜ生き残れたのか?
フィルムの技術が化粧品と医薬品に化けた!
ここが一番面白いうんちくなんだけどね。
フィルムを製造するには「コラーゲン」が欠かせない。感光剤を安定させるために使われるコラーゲン技術を、富士フイルムは長年研究してきた。そして気づいたわけさ——「これ、肌のコラーゲンと同じじゃないか」ってね。
2007年に立ち上げたスキンケアブランド「ASTALIFT(アスタリフト)」は、フィルム製造で培ったナノ化技術とコラーゲン研究を応用した製品で、現在は日本を含む世界30カ国以上で販売されているんだよ。
さらに、フィルムには光による酸化を防ぐ「酸化防止」技術も必要で、この知見が医薬品・バイオ医薬品の研究開発にも応用された。2008年の富山化学工業の買収をきっかけに医薬品事業を本格化させ、2020年のコロナ禍では抗インフルエンザ薬として開発されていたファビピラビル(アビガン)が一躍注目を集めたことも記憶に新しいよね。
インド・ドレラで何が始まるのか
グジャラート州のドレラというのは、インド政府が国家プロジェクトとして開発を進めるスマートシティのひとつでね。インドの半導体産業育成政策「インディア・セミコンダクター・ミッション」の核心地域のひとつとして注目されているんだ。
富士フイルムが2027年に試験生産を開始する半導体洗浄液というのは、チップ製造工程で欠かせない超高純度の薬液のことだよ。半導体の微細化が進むにつれて、製造工程の「汚れ」に対する許容度が極めて小さくなっている。わずかな不純物がチップ全体を台無しにするから、洗浄液の品質管理は非常に重要なんだ。
日本や台湾・韓国に集中していた半導体サプライチェーンをインドにも広げようという世界的な動きの中で、富士フイルムはいち早く現地生産に舵を切ったというわけさ。これは単なる工場進出じゃなく、インドの半導体産業が育てば自ずと需要が生まれる「川上」を押さえる戦略的な一手なんだよ。
まとめ——フィルムメーカーが世界を驚かせる理由
7期連続最高益、インドへの工場進出と、富士フイルムの勢いはとどまるところを知らないね。
1934年の創業からフィルム一本で世界に挑み、デジタル化という存亡の危機を乗り越えて、今や化粧品・医薬品・半導体材料まで手がける総合テクノロジー企業に生まれ変わった。おじさんはこういう「老舗の変身」に、日本企業の底力みたいなものを感じて、なんだか胸が熱くなるんだよ。
君も次に富士フイルムの製品を目にしたとき、「この会社にはこんな歴史があるんだ」ってちょっと思い出してみてくれよ。それだけで、世界がちょっと違って見えてくるもんだからね。
じゃあ今日はここまで。またおじさんの話に付き合っておくれよ!
うんちくおじさんの豆知識コーナー
富士フイルムとコダック、明暗を分けた「多角化のスピード」
実はコダックも富士フイルムと同じようにデジタル化の波を認識していた。コダックは1975年に世界初のデジタルカメラを発明したのは有名な話だけど、自社のフィルム事業を守るために市場投入を遅らせたとも言われているんだ。
一方の富士フイルムは2004年、当時の古森重隆社長(現名誉会長)が「第二の創業」を宣言し、研究開発費を積極投資しながら医療・ヘルスケア、高機能材料、ドキュメント(現在の富士フイルムビジネスイノベーション)へと猛スピードで軸足を移した。この決断が、10年後・20年後の明暗を分けたんだ。
ちなみに半導体向け洗浄液というのも、もともと富士フイルムが得意としてきた「高純度化学材料」の延長線上にある技術なんだよ。フィルムで磨いた純粋な化学物質を作る技術が、半導体製造の超精密な洗浄工程にぴったりはまったというわけさ。