やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと世界の大きな話をしようじゃないか。

ニューヨーク・タイムズ——あの有名な新聞がここ最近、アメリカとイランの核交渉について大きく報じているんだ。おじさん、これを読んでいろいろ思うことがあってね。ただのニュースとして流すのはもったいない。せっかくだから、背景まで丸ごと教えてあげよう。


ニューヨーク・タイムズとはどんな新聞なのか

まず、ニューヨーク・タイムズそのものについて話しておこうか。

1851年9月18日、ヘンリー・ジャービス・レイモンドとジョージ・ジョーンズという二人の男が創刊したこの新聞は、今年で創刊175年を迎える老舗中の老舗だよ。本社はニューヨーク市マンハッタンの620 Eighth Avenueにある、あの立派なビルだ。

そして驚くのはピュリッツァー賞の受賞数。2024年時点で累計137回——これは世界のどの報道機関よりも多い数字なんだ。「報道の質」という点では、この新聞に並ぶものはそうそうない。

紙の購読者は1990年代後半に約120万部でピークを迎え、その後デジタル転換の波の中で2022年にはデジタル有料購読者が1000万人を突破した。もはや「新聞社」というより「世界最大のデジタルメディア」と呼んだほうがいいかもしれないね。


今、タイムズが報じているイラン核交渉とは何か

さて、本題に入ろう。

ニューヨーク・タイムズは2026年4月、「アメリカがイランとの核合意交渉を進めており、それは時間を稼ぐための取引だ」と報じた(U.S. Is Negotiating an Iran Deal That Would Buy Time, Again)。これはトランプ政権下での交渉だ。

ここで少し歴史を整理しよう。イランの核問題は長い歴史がある。

  • 2015年7月14日:オバマ政権がイランとP5+1(米英仏中露+ドイツ)の間で「JCPOA(包括的共同行動計画)」を締結。これがいわゆる「イラン核合意」だ。
  • 2018年5月8日:トランプ大統領(第1期)が一方的にJCPOAを離脱。対イラン制裁を再発動した。
  • その後イランはウラン濃縮を再開し、濃縮度60%超のウランを保有するまでに至った(核兵器製造には90%以上が必要とされるが、60%でもすでに「民間用」の水準をはるかに超えている)。

そして今、再びトランプ政権が交渉のテーブルにつこうとしている。ブリュッセル・モーニングは「5つの緊急リスク」として、核の拡散・地域の不安定化・石油価格の高騰・外交的孤立・タイムラインの圧迫を挙げている。パキスタン系メディアのDawnも中東和平の見通しについて厳しい分析を展開しているよ。

外交の世界では「時間を稼ぐ合意」というのは決して珍しくない。でもおじさんに言わせれば、今回は一筋縄ではいかない理由がいくつかある。


おじさんの深掘り豆知識

豆知識①:「核の敷居」とは何か

イランがウラン濃縮を続ける意味を理解するには「核の敷居(nuclear threshold)」という概念を知っておく必要がある。

核兵器を作るには高濃縮ウランまたはプルトニウムが必要だが、技術的・材料的にそのギリギリ手前の状態を「核の敷居」という。イランは現在、兵器級ウランを数週間以内に製造できる技術水準にあると、国際原子力機関(IAEA)が2025年の報告書で指摘している。交渉がタイムリミットに迫っているのはそのためだ。

豆知識②:ニューヨーク・タイムズと外交報道の歴史

このニュースをタイムズが報じることには特別な意味がある。タイムズは1971年、ベトナム戦争に関する国防総省の極秘文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を掲載し、ニクソン政権と真っ向から対立した。最終的に連邦最高裁がタイムズの報道の自由を認め、これはアメリカ報道史上最大の勝訴事例の一つとなっている。

タイムズが外交・安全保障の「内幕」を報じるとき、その背後には政府内のリーク元が存在することが多い。今回の「イラン交渉報道」も、どこかから情報が流れていると見るのが自然だよ。

おじさんのうんちくコーナー

ちょっと聞いてくれよ。「All the News That’s Fit to Print(掲載するに値するすべてのニュース)」——これはニューヨーク・タイムズが1897年から紙面左上に掲げ続けているスローガンだ。128年間、ずっと同じ言葉を使い続けているわけだ。

そして「タイムズ」というと、ニューヨーク・タイムズとロンドン・タイムズが混同されやすいが、両者はまったく別の組織だよ。ロンドン・タイムズ(The Times)は1785年創刊で、ニューヨーク・タイムズより66年も先輩だ。世界最古の現役日刊紙の一つとして知られている。

さらに面白いのは「タイムズ・スクエア」の由来。あの有名な広場は1904年にニューヨーク・タイムズ社が本社を移転したことを記念して命名された。1942年に本社は別の場所に移ったが、広場の名前はそのまま残った。今や世界で最も有名な広場の一つが、新聞社の名前を今も冠しているわけだ。どうだい、なかなかすごい話だろう?


イランとアメリカ、交渉の行方

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領(2024年7月就任)は就任以来、比較的対話路線を示している。一方でトランプ政権は「最大限の圧力(maximum pressure)」政策を復活させながらも、交渉の窓口は閉じていない。

オマーンが仲介役として機能しており、2025年から2026年にかけて複数回の間接交渉が行われているとも伝えられている。

中東情勢全体で見ると、ガザ紛争・レバノン情勢・フーシ派問題が複雑に絡み合っており、イラン核問題だけを切り離して解決するのは難しい。Dawnが「中東和平の見通し」で指摘したように、複数の紛争が同時進行している状況では、どれか一つの合意がドミノのように他に影響を与える。


まとめ

どうだい、ニューヨーク・タイムズというメディアの重みと、その報じるイラン核交渉の深刻さ、少し伝わったかな?

175年の歴史を持ち、137ものピュリッツァー賞を受賞した新聞が「時間を稼ぐ合意」と書く——これはただの批判じゃなく、交渉の本質を突いた言葉だとおじさんは思うよ。外交というものは、解決よりも先送りが多い世界だからね。

世界のニュースを読むとき、「どのメディアが・どんな立場で・何を報じているか」を意識すると、ずいぶん見え方が変わるもんだよ。おじさんはそれを伝えたかった。

まあ、またいつでも声をかけてくれよ。うんちくなら山ほど持ってるからね。