やあやあ、久しぶりだね。今日はおじさん、テレビの前で思わず「えっ!」と声を上げてしまったんだよ。いや、本当に驚いたんだ。あの「ムロツヨシ」さんがね、上半身びっしりと和彫りのタトゥーメイクを施したヤクザ役を演じてるって話でさ。これ、ちょっと聞いてくれよ。
ムロツヨシって、あのムロツヨシだよね?
そう、1976年10月20日生まれ、神奈川県出身の俳優・室剛さん、芸名ムロツヨシその人だよ。「コミカルな役が似合う癒し系」というイメージが強いだろう?映画『今夜、ロマンス劇場で』(2018年)や、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年)での飄々とした演技が印象的な、あの人さ。
ところが今回、週刊ビッグコミックスピリッツで連載された松橋犬輔原作の漫画を実写ドラマ化した『九条の大罪』で、がらりとイメージを変えてきた。ネット上では「死んだ目ヤバイ」「別人すぎる」「怖ッ」という声が続出。上半身に和彫りのタトゥーメイクをびっしりと施した姿が公開されると、「ダークムロさん素敵」「新鮮すぎる」というコメントが殺到したんだよ。
『九条の大罪』という作品について、まず押さえておこう
『九条の大罪』は、弁護士・九条間人(くじょう まひと)を主人公にした法廷サスペンスだ。九条は「悪人の味方をする弁護士」として、依頼人が本当に悪人であっても弁護を引き受けるという、道徳的にグレーな存在なんだよ。原作漫画はビッグコミックスピリッツで2021年から連載が始まり、累計発行部数は2024年時点で300万部を超えている。そこそこどころか、かなりの人気作だね。
ドラマ版ではムロツヨシさんが演じるのはヤクザの組長格という情報も。コミカルな役が多かったムロさんが「死んだ目」でヤクザを演じる——そのギャップが、視聴者を震え上がらせているわけだよ。
おじさん的深掘り:和彫りタトゥーの歴史、知ってるかい?
ここでちょっと話が広がるけど、せっかくだからおじさんが和彫りについて教えてあげよう。
和彫り(わぼり)というのは、日本古来の刺青技法のことで、英語圏では「Japanese Traditional Tattoo」として世界的に高い評価を受けているんだ。その起源は江戸時代中期、1700年代ごろまで遡ると言われていてね、当時は罪人の印として額や腕に刺青を入れる「入墨刑」として使われていたこともあった。
ところが時代が変わると、職人・火消し・侠客といった人々が美的表現として彫るようになる。葛飾北斎や歌川国芳の浮世絵に影響を受けた図案——龍、鯉、般若、牡丹、桜——がこの時期に確立されたんだよ。明治政府は1872年(明治5年)に刺青を禁止する法律を出したが、1948年(昭和23年)の刑法改正で実質的に解禁。今では海外のタトゥーアーティストがわざわざ日本に弟子入りしに来るほど、和彫りは「世界最高峰のタトゥースタイル」として認知されているんだ。
ムロツヨシの「振れ幅」こそが真骨頂
おじさんに言わせれば、ムロツヨシさんの真の実力は「キャラクターの振れ幅の広さ」にある、と思うんだよ。
2012年公開の映画『鍵泥棒のメソッド』では飄々とした記憶喪失の男を演じ、2019年公開の『キャラクター』では連続殺人犯の容疑者を演じた。さらに2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では三浦義村役として登場し、コミカルな表情と腹の底の見えない老獪さを同時に表現して高い評価を受けた。同作での出演エピソード数は30話以上にわたり、準主役級の存在感を見せつけたんだ。
俳優として本格的に認められたのは2000年代後半からで、2008年の舞台「表に出ろいっ!」(野田秀樹演出)で注目された。その後、連続ドラマ・映画・舞台を精力的にこなし、2023年には映画・ドラマへの出演本数が年間10本を超えたとも言われる「引っ張りだこ俳優」になったんだよ。
コメディからシリアスへ——俳優の「変身」が生む化学反応
観客や視聴者が「この人はこういうキャラ」というイメージを強く持っている俳優が、真逆の役を演じたとき——これが生む驚きと没入感は、全くイメージのない俳優が同じ役を演じるより何倍も大きいんだよ。
例えば、ロビン・ウィリアムズが映画『インソムニア』(2002年)で冷酷な殺人犯を演じたとき、コメディアンとしてのイメージとのギャップが観客に「背筋が凍る」感覚を与えた。ムロツヨシさんの「死んだ目のヤクザ」が視聴者を震え上がらせているのも、全く同じ心理メカニズムが働いているわけだよ。
まとめ:ムロツヨシの「ダークサイド」から目が離せない
どうだい、ちょっと面白い話だっただろう?ムロツヨシさんのヤクザ役が怖い、という話から始まって、和彫りの歴史、俳優の役作り心理まで広がってしまったね。おじさんってこういう人間なんだよ(笑)。
『九条の大罪』は法と道徳の狭間をテーマにした作品で、原作漫画の累計300万部超という数字からも、その人気の高さがわかる。そこにムロツヨシさんという「意外性の塊」がヤクザ役で参戦するわけだから、ドラマとしての完成度にも期待が高まるよね。
おじさんはね、俳優が役のために自分を「壊す」瞬間が大好きでさ。タトゥーメイクをして鏡の前に立ったムロさんが、どんな感情を覚えたのか——そっちも気になって仕方ないんだよ。
さあ、皆さんもぜひ『九条の大罪』をチェックしてみてくれよ。「死んだ目のムロさん」、一度見たら忘れられないはずだよ。じゃあまた!
おじさんの豆知識コーナー:俳優の「役作りメイク」ってどこまでやるの?
まあ、聞いてくれよ。ドラマや映画で俳優が「タトゥー」を表現するとき、大きく3パターンあるんだよ。
①特殊メイクによるタトゥーシール シリコン製や転写タイプのシールを皮膚に貼る方法。密着度が高く、汗をかいても剥がれにくい。ムロツヨシさんのケースはこれに該当すると思われる。
②デジタル合成(VFX) 撮影後に映像にタトゥーを描き込む手法。アメリカのドラマ『プリズン・ブレイク』(2005年〜)では、主演のウェントワース・ミラーが全身タトゥーのキャラクターを演じたが、撮影ごとに何時間もかけてプリントを貼り付けたと言われているよ。
③実際に彫る さすがにこれは少数派。ただし、ロシアの映画監督デヴィッド・クローネンバーグ作品などでは、役者が役のために本物のタトゥーを入れたケースも存在する。
俳優の役作りというのは、外見から内面を変えていく作業でもあるんだよ。「タトゥーを入れることで、初めてそのキャラクターに近づける」という役者心理は、案外理にかなっているかもしれないね。