やあやあ、今日もおじさんの話を聞いてくれよ。
今日のテーマはパルコ――そう、日本中にあるあのPARCOさ。「え、ショッピングモールの話?」なんて思ったかい?甘い甘い。パルコってのはね、ただのファッションビルじゃないんだよ。文化を生み出し、アートを育ててきた、日本のカルチャーシーンの立役者なんだ。今日はそこをじっくり語ってあげよう。
渋谷PARCOで今、グラフィティの歴史が動いている
今まさに渋谷PARCO 4Fの「PARCO MUSEUM TOKYO」で、ちょっとシビれる展覧会が開催されているんだよ。
タイトルは「agnès b. on aime le graff!! _50年、ストリートとともに」。フランスのファッションブランド「アニエスベー(agnès b.)」のデザイナー、アニエス・トルーブルが約50年の歳月をかけて収集してきたグラフィティ作品を一堂に公開するという、なかなか骨太な企画さ。参加アーティストはFUTURA2000、デニス・ホッパーら、20名以上にのぼる豪華な顔ぶれだよ。
アニエスベーとグラフィティの半世紀
ちょっと聞いてくれよ、アニエスベーのことをさ。
デザイナーの本名はアニエス・トルーブル、1941年フランスのヴェルサイユ生まれ。1975年にパリで最初のブティックを開いたこのブランドは、創業当初からストリートカルチャーとアートへの深い傾倒で知られていてね、グラフィティアーティストたちとの交流は実に半世紀にわたるんだ。「on aime le graff」とはフランス語で「グラフィティが好き」という意味。ファッションブランドが50年間、路上アートを収集し続けてきたというのは、世界的に見ても異色の話だよ。
パルコという場所の「文化的底力」
ここでパルコの歴史を少し振り返ってみよう。
株式会社パルコは1969年に設立され、渋谷PARCOが最初にオープンしたのは1973年のことさ。以来50年以上、パルコはファッションビルでありながら、演劇・アート・音楽・ストリートカルチャーの発信拠点として機能してきた。
特に「PARCO劇場」はおじさん的に外せないね。2024年には開場50周年を記念したシリーズ公演が行われ、その一作『ラビット・ホール』は読売演劇大賞の優秀作品賞を受賞したんだよ。ショッピングモールのテナントとは思えない本格的な文化事業だろう?
2019年リニューアルで「次世代型商業施設」に進化
現在の渋谷PARCOは、2019年11月に大規模リニューアルを経て生まれ変わった「次世代型商業施設」なんだ。このリニューアルで4Fに設置されたのが「PARCO MUSEUM TOKYO」という展示スペースで、今回のアニエスベー展もここで開催されているのさ。
しかもおじさんに言わせれば、パルコの感度の高さは音楽でも証明されている。2026年5月から8月にかけて、渋谷PARCOの館内BGMは「Kankyō Records」というレコード店がキュレーションするんだよ。住環境でのリスニングをテーマにしたアンビエント音楽を専門とし、レコード・CD・カセットテープを取り扱うこのレコード店が商業施設のBGMを担当するなんて、他のファッションビルじゃなかなか聞かない話だろう?
全国のPARCOも大きく動いている
パルコの勢いは渋谷だけじゃない。
大阪の心斎橋PARCOでは現在、約50区画・約2,000坪にわたる大規模リニューアルが進行中でね、ナイキグループのバスケットボール専門店「World of Flight Osaka」(日本2号店)や、韓国発のコスメ・ライフスタイルブランド「TAMBURINS」を含む計6店舗が新規・リニューアルオープンしたよ。
池袋PARCOでも2026年4月24日に、フランスのA.P.C.、アメリカのカルバン・クライン、イギリスの老舗シューズブランド・クラークス・オリジナルズといった錚々たるブランドが相次いで新規オープンしているんだ。
まとめ――パルコは「文化を買う場所」だった
まあ、改めて聞いてくれよ。パルコをただの「買い物をする場所」と思ってたとしたら、それはちょっともったいないぞ。
1973年の渋谷オープンから半世紀以上、パルコはファッションだけじゃなく演劇、アート、グラフィティ、アンビエント音楽まで、時代の先端カルチャーを貪欲に取り込んできた。1975年創業のアニエスベーが50年分のグラフィティを、1969年創業のパルコの展示室で披露するこの展覧会は、二つの「文化の老舗」が手を組んだ、なかなか感慨深い企画だと思わないかい?
今度パルコに立ち寄る機会があったら、ぜひ4FのPARCO MUSEUM TOKYOにも足を向けてみてくれよ。買い物だけじゃない、パルコの「もうひとつの顔」に出会えるかもしれないぞ。おじさん保証だよ。
おじさんのうんちくコーナー:参加アーティストの素顔
FUTURA2000は、1970年代後半からニューヨークの地下鉄車両にスプレーで絵を描き続けた伝説的なグラフィティアーティストさ。本名レナード・ヒルトン・マクガー。彼の作風は宇宙的なモチーフと抽象的な渦巻きが特徴で、現代ではナイキ、ルイ・ヴィトン、フラグメントデザインとのコラボも多数手がけるアート界の大御所になったよ。地下鉄の落書きから世界のトップブランドとのコラボへ――これぞストリートの底力だろう?
もう一人、デニス・ホッパー(1936〜2010年)はアメリカの俳優・映画監督として知られるが、実は写真家・アートコレクターとしても一流だったんだよ。1969年の映画「イージー・ライダー」でカウンターカルチャーのアイコンとなった彼が1960年代から撮り続けたグラフィティ写真は、当時の路上芸術を記録した歴史的資料として高く評価されている。彼が2010年に亡くなった後も、その作品は世界各地の展覧会に登場し続けているんだよ。