やあやあ、今日もおじさんのうんちく話に付き合ってくれるかい?

最近、AI半導体の話題といえばエヌビディア(NVIDIA)ばかりが取り上げられるけど、おじさんに言わせれば、もう一つ絶対に目を離せない会社がある。英国の半導体設計大手「アーム・ホールディングス(ARM Holdings、ティッカー:ARM)」だよ。

2026年4月28日時点の株価は198.65ドル。前回決算発表があった2026年2月4日比でなんと89.37%高という驚異的な上昇を見せている。4月24日には年初来高値の234.81ドルまで駆け上がったんだ。いやあ、すごい勢いだろう?

アームってどんな会社なんだい?

まず基本から押さえておこうか。アームは英国に本拠を置く半導体設計会社で、CPU(中央演算処理装置)の設計IP(知的財産)を世界中のメーカーにライセンス供与するビジネスモデルで知られているよ。

自分でチップを製造するわけじゃない。設計図だけを売る、いわば「半導体業界の設計事務所」みたいな存在さ。スマートフォンに入っているチップのほとんど——AppleのAシリーズ、クアルコム、MediaTekなど——がアームの設計をベースにしているんだよ。

2023年9月14日に米ナスダック市場に米国預託証券(ADR)として上場し、これまでに10回の四半期決算を発表してきた。実績が市場予想を下回ったのは、総収入と1株当たり利益ともに2025年4-6月期のみという優等生ぶりさ。

時価総額は約2,110億ドル(約31兆円)(2026年4月28日時点)、発行済株式数は約10億6,200万株にのぼる巨大企業だよ。

おじさんが注目する3つのポイント

① 自社製チップ販売という大転換!

2026年3月24日、アームはついに自社製半導体の販売に参入すると発表したんだ。これが株価爆騰の起爆剤になったよ。

従来は「設計IPをライセンス供与する」一本足打法だったのに、AIデータセンター向けCPUを自社ブランドで販売するというんだから、業界に激震が走った。製造は台湾のTSMC(台湾積体電路製造)に委託する計画で、CFOのジェイソン・チャイルド氏が発表イベントで詳細を語ったんだよ。

発表前から株価はジリジリと上がり始め、発表後には最大で7割超の急騰を演じた。市場がいかにこの戦略転換に期待を寄せているかがわかるだろう?

② AIの「学習から推論」へのシフトが追い風

日経クロステックも伝えているように、アームの新戦略はAIの「学習(トレーニング)から推論(インファレンス)」への移行を狙ったものだよ。

AIモデルを開発する「学習」フェーズでは膨大なGPUが必要で、エヌビディアが圧倒的な強みを持つ。でも学習済みのAIモデルを実際に使う「推論」フェーズでは、省電力で効率的なCPUが活躍する——まさにアームが得意とする分野さ。ChatGPTやGeminiが普及すればするほど、推論チップの需要が爆発的に増える。アームはその波に乗ろうとしているんだよ。

③ 5月6日の決算が正念場

次の大きなイベントは2026年5月6日午後5時(米東部時間)、日本時間では5月7日午前6時に行われる2026年1-3月期の決算発表だよ。

ブルームバーグがまとめた事前予想では、1-3月期の総収入は前年同期比18.5%増の14.71億ドル、調整ベースのEPS(1株当たり利益)は5.5%増の0.58ドルと見込まれている。予想通りなら2四半期連続で成長率が低下することになる。

問題は4-6月期の見通しだ。株価が89%も急騰した後だけに、よほど強気な見通しを示さないと「期待外れ」とみなされて急落する可能性がある。実際、4月28日の取引でも、ChatGPTで知られるオープンAIの業績不安をめぐる報道を受けて株価が急落する場面があったよ。

47人のアナリストのうち、33人が「買い」、12人が「維持」、2人が「売り」を推奨。アナリストの目標株価の平均は169ドル程度で、現在の株価より約15%低い水準にある。PER(株価収益率)は実績ベースで264.87倍、今後12か月の予想EPSで算出しても93.6倍と割高感が際立っているんだ。

おじさんのうんちくコーナー:「ARM」の名前の由来、知ってたかい?

ARM(アーム)は「Advanced RISC Machines」の略なんだよ。RISCというのは「Reduced Instruction Set Computer(縮小命令セットコンピュータ)」のことで、シンプルな命令セットで高速・省電力動作を実現する設計思想さ。

アームの歴史は1990年にさかのぼる。英国のコンピュータメーカー「アコーン・コンピュータ」が、アップルとの合弁でARM社として設立したのが始まりだよ。当時はまだ誰もここまでの成長を想像しなかっただろうけど、スマートフォン革命で一気に世界標準になった。

現在、世界中で年間約250億個以上のアームベースのチップが出荷されていて、スマートフォン向けアプリケーションプロセッサ市場ではシェア99%超という驚異的な独占状態にある。君が今スマホを持っているなら、ほぼ間違いなくアームのアーキテクチャが動いているよ!

まとめ:裏方の王様が、いよいよ主役に名乗りを上げた

ちょっと聞いてくれよ。アームはこれまで「脚光を浴びる会社の裏方」として静かに世界を支えてきた会社さ。でもAI時代の到来で、今まさに自ら主役の座を狙いにいっているんだよ。

5月7日朝6時の決算発表は、アームにとって正念場だよ。強気な4-6月期見通しを示せれば株価はさらに上昇する一方、少しでも市場の期待に届かなければ急落する——どちらに転ぶかわからない状況さ。

株価の短期的な動きはおじさんにも読めないけど、AI時代の「推論チップ」需要という長期トレンドはしっかりしていると見ているよ。投資は自己責任でね。さあ、5月7日の朝、一緒に決算結果を見守ろうじゃないか!