やあやあ、久しぶりだね。今日はおじさんが長年ずっと尊敬してきた人物について、じっくり語らせてもらうよ。

京セラの創業者・稲盛和夫。2022年8月24日に90歳で亡くなったけど、その名前は今でも経営者たちの間で語り続けられているんだ。最近も長渕剛さんが稲盛哲学について語る対談が話題になっていたり、4月28日には入門書『稲盛和夫 その人生と名言』が発売されたりと、没後も影響力は衰えるどころか増しているくらいさ。

無一文から出発した男の軌跡

稲盛和夫は1932年1月21日、鹿児島県鹿児島市薬師町で7人兄弟の次男として生まれた。父親は「稲盛調進堂」という印刷工場を営む庶民の家だったんだ。

大阪大学医学部の受験に失敗して、当時は新設大学だった鹿児島県立大学(後に鹿児島大学に統合)の工学部応用化学科に進学。1955年に卒業したけど、就職難の時代、新設大学の卒業生なんて相手にもされなかったんだよ。

何とか教授の紹介で入社できたのが、がいしメーカーの松風工業。でもそこも労働争議でひどい状況でね。それでも稲盛は磁器の研究に没頭して成果を上げた。ところが技術開発の方針で上司と衝突してしまい、1958年12月に退社を決意。なんと自分が会社に頼んで採用したメンバー8人を引き連れて飛び出したんだ。

1959年、28人の小さな会社が世界企業へ

1959年、稲盛は松風工業の元同僚8人とともに、京都市中京区西ノ京原町で「京都セラミック」(現・京セラ)を創業する。創業時のメンバーはわずか28名の小さなベンチャーだったんだよ。

まあ、聞いてくれよ。そこからの成長がとんでもないんだ。

1966年には稲盛自ら渡米して、あのIBMからSystem/360に使われるIC用アルミナ・サブストレート基板を直接受注することに成功する。1971年、創業わずか12年で大阪証券取引所に株式上場。1972年には東京証券取引所にも上場するんだ。

おじさんの豆知識コーナー:「アメーバ経営」って何だ?

稲盛が生み出した経営手法が「アメーバ経営」と呼ばれるものだ。会社を10人以下の小集団(アメーバ)に分けて、それぞれが独立した採算管理を行う仕組みなんだよ。アメーバは状況に応じて分裂・合体しながら変化するから、まるで生き物みたいに柔軟なんだ。これによって全社員が経営者意識を持つようになる。京セラを世界的企業に育て上げた秘密の一つがここにある。後にJAL再建でも「JALフィロソフィ」という形で同じ精神が活かされたんだよ。

通信業界を変えた「国民のため」の挑戦

稲盛の野望は電子部品だけじゃなかった。1984年、国による通信事業自由化が決定すると、稲盛は「日本の通信環境をより良くしたい」という信念のもと、第二電電(DDI)を設立する。これが後にケイディディや日本移動通信と合併して、現在のKDDIになるんだ。

「国民のために在る」という信念——これが稲盛の原動力だった。自分の会社の利益だけじゃなく、社会全体への貢献を常に念頭に置いていたんだよ。おじさんに言わせれば、これが本物の経営者というものさ。

「再建不能」のJALを1年で黒字化

そして2010年2月、稲盛は経営破綻した日本航空(JAL)の会長に、なんと無報酬で就任する。当時78歳だよ。普通ならもう隠居の年齢だろう?

全従業員の3分の1にあたる1万6千人のリストラを断行しながら、「JALフィロソフィ」を策定して社員の意識改革に取り組んだ。その結果、着任のわずか翌期には営業利益1800億円を達成して黒字化に成功する。「再建不能」と言われた巨大企業を、たった1年で立て直したんだ。

稲盛哲学の核心——「敬天愛人」と「謙虚にして驕らず」

稲盛の経営哲学を支えていたのは、故郷鹿児島の英雄・西郷隆盛が好んで使った「敬天愛人」という言葉だ。天を敬い、人を愛する——シンプルだけど、深いだろう?

3つの核心フレーズ

  • 「謙虚にして驕らず」 — 京セラが絶好調のときにあえて掲げたスローガン。順調なときこそ謙虚でいろということさ
  • 「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」 — リスクを見極めながらも前向きに挑む稲盛流の仕事哲学
  • 「無私でなければリーダーは務まらない」 — 私利私欲を捨て、全体のために働くこと

最近話題の長渕剛さんとの対談でも、この稲盛哲学が「分断・分裂の時代」に何を教えてくれるかが熱く語られていたよ。アーティストと経営者、全く違う世界に生きた二人が共鳴するものがあったんだろうね。

まとめ——稲盛和夫の遺産

1932年生まれの鹿児島の次男坊が、28人の小さな会社から出発して世界的な電子部品メーカーを作り、通信業界を変え、「再建不能」の航空会社を1年で立て直す——まるで小説みたいな話だけど、これが全部事実なんだよ。

4月28日に発売される『稲盛和夫 その人生と名言』は新社会人にもおすすめの入門書らしい。就職したてで悩んでいる若い人には、ぜひ手に取ってほしいね。

おじさん的には、稲盛和夫の一番すごいところは「78歳で無報酬でJALを救った」という事実に尽きると思うよ。名誉も金も十分持っていたはずの人間が、それでも「国民のために」と立ち上がる——その生き様が、今でも多くの人の心を揺さぶり続けているんだろうね。

ちょっと聞いてくれよ。あなたの仕事や人生で「謙虚にして驕らず」を実践できているかい?稲盛の言葉は、どんな時代にも通用する普遍的な知恵が詰まっているよ。