やあやあ、みんな。うんちくおじさんだよ。
今日はちょっと重い話になるけど、まあ聞いてくれよ。最近SNSで大きな話題になっている「アシエンダ乗馬学校」の騒動について、おじさんがじっくり解説してやろうじゃないか。
そもそも「アシエンダ」って何者なんだ?
神奈川県横浜市瀬谷区の閑静な住宅街、横浜駅から車でおよそ30分のところに、その名門クラブはある。「アシエンダ乗馬学校」——名前からしてただ者じゃないだろう?
「アシエンダ」とはスペイン語で「荘園」「大農場」を意味する言葉だ。つまり「富と権力の象徴」そのものの名前を掲げたクラブってわけさ。重厚な暖炉を備えたヨーロピアンな趣のクラブハウス、淹れたてコーヒーや世界各国のワインが楽しめるバーエリア、そして全天候型屋内馬場まで完備。まるでヨーロッパの高級カントリークラブのような空間だよ。
その前身は1967年、創設者の北井修氏が岩手県で馬を買い付けたことがきっかけで設立した「北井厩舎」。半世紀以上の歴史を誇る、日本馬術界でも屈指の名門中の名門さ。
オリンピアンが指導する超高額クラブの実態
このクラブを技術面・運営面でリードしているのが、北井修氏の長女・北井裕子氏だ。彼女は2008年北京オリンピックと2016年リオデジャネイロオリンピック、2度の五輪に馬場馬術(ドレッサージュ)の日本代表として出場した実力者。弟の一彰さんも含め、北井きょうだいは馬の英才教育を受けて育ったという。
アシエンダが「セレブ御用達」と呼ばれる理由は、その強烈な料金体系にもある。
- 入会金:30万円
- 入厩料:30万円
- 月額預託料:21万円
- これに加え、日々の調教料、ドイツ人獣医師による馬体検査費、飼料代などが上乗せ
自馬を持つ会員は、北井裕子氏を介してドイツなどから数千万円を支払って馬を調達するケースも珍しくないというから驚きだよ。開業医などの富裕層が子どもをジュニアライダーとして通わせ、競うように高額の馬を購入していく——そんな独特の空気感がクラブ内に漂っていたらしい。
2026年3月1日、名馬・バロンに何が起きたのか
事件は2026年3月1日に起きた。
関東在住のAさんが、北井裕子氏の勧めで昨年春に購入したドイツ産の名馬・バロン(仮名)。当時9歳のバロンは海外の試合経験も豊富で、優秀な成績を残していた馬だったという。
その日、北井裕子氏と父・修氏らがバロンの調教を実施。担当トレーナーがバロンに騎乗した後、人を乗せずに「調馬索(ちょうばさく)」と呼ばれる長いロープで円を描くように馬を走らせるトレーニングを行っていた。
目撃者が証言する。
「突然バロンが(調馬索を)引っ張るような形で後ずさりしたのです。そのまま垂直に立ち上がり、バランスを崩して後方にバーンと倒れ込みました」
バロンは頭蓋底を強打し、耳や鼻腔から大量出血。その場で即死した。「涙が出るくらい悲しい光景だった」と関係者は語っている。この一報は『週刊文春』が詳報し、SNSを中心に大きな波紋を呼んでいる。
名門ゆえの「密室性」が問われている
おじさんに言わせれば、今回の騒動で問われているのは単なる「事故か事件か」という話だけじゃないと思う。
アシエンダは2026年秋開催予定の「第20回アジア競技大会」最終予選会に複数の出身者が名を連ねる、まさに日本馬術界のエリート養成機関だ。クラブへの絶対的な信頼と権威、そして閉じられた会員制という性質——それが皮肉にも「物言えない空気」を生み出してしまったのではないか、と文春報道は問いかけている。
購入時の馬の価格、預託費用の高さ、「高額な馬を買った会員が優先的に試合に出られる」という構造……。こうした事実が次々と明らかになるにつれ、動物愛護の観点からの批判がSNSで殺到している状況だ。
まとめ:おじさんが思うこと
まあ、聞いてくれよ。おじさんは乗馬界の関係者でも何でもないけどさ、馬という生き物への敬意は忘れてほしくないんだよね。
数千万円の「商品」として扱われる名馬たち、月21万円の預託料を払い競い合う会員たち——豊かで華やかな世界の裏側に、バロンという一頭の命が消えた。大学機関による解剖結果や関係各所の公式調査の結果を冷静に待つ必要はあるが、この出来事がいろんなことを考えさせてくれるのは確かだよ。
1967年に岩手県の一頭の馬から始まった北井厩舎が半世紀以上を経て名門クラブとなった歴史——その重みを、関係者全員がもう一度かみしめてほしいとおじさんは思うね。
さて、今日はここまで。また面白いうんちくを持ってくるからさ、待っといてくれよ!
おじさんのうんちくコーナー:馬術競技「馬場馬術(ドレッサージュ)」って何だ?
北井裕子氏が五輪で出場した「馬場馬術」、正式名称はドレッサージュ(Dressage)。フランス語で「調教」「訓練」を意味するこの競技、実は五輪で最も歴史ある馬術種目のひとつなんだよ。
馬が音楽に合わせてまるでダンスするように動く姿は壮観そのものだが、その裏側には最低でも5〜10年にわたる徹底した調教が必要とされる。使用される馬はほとんどがドイツ産のウォームブラッド種で、一頭の価格が数千万円から1億円超えになることも珍しくない。ちなみに「馬場馬術」はもともと軍馬の訓練から発展した競技で、第1回近代オリンピック(1896年・アテネ)には含まれていなかったが、1912年のストックホルム大会から正式種目に加わったんだ。
そして「調馬索(ちょうばさく)」。今回の事故でも登場したこの道具、英語では「ロンジュ(Longe/Lunge)」という。馬を直接騎乗せずに、長さ6〜10メートルほどのロープをつけて円運動させるトレーニング法で、若い馬の基礎的な筋力づくりや服従心を養うために世界中で使われている。正しく使えば安全なのだが、馬のパニックや突発的な行動に対応するには高度な技術が求められるんだよ。