やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと深刻な話をしなきゃいけないんだが、まあ落ち着いて聞いてくれよ。

宮崎県川南町の養豚場で火災が起きて、5000頭以上の豚が飼育されていた農場が黒煙に包まれたってニュースが飛び込んできた。さらに追い打ちをかけるように「豚熱(とんねつ)」の感染も宮崎県内で広がっていてね、2026年4月16日には宮崎市高岡町と綾町で野生イノシシ2頭の感染が新たに確認された。都城市の養豚場でも感染が判明して、宮崎県は県内全330農場に対して緊急消毒命令を出すという事態になっているんだよ。

おじさんに言わせれば、これは宮崎の農業にとって本当に大事な局面なんだ。今日はこの川南町と宮崎の畜産業について、しっかり語っていこうじゃないか。

川南町って、どんなところなんだい?

川南町は宮崎県の中部、児湯郡(こゆぐん)に位置する人口約1万5千人の町でね、太平洋に面した平野部を持つ農業・畜産の一大産地なんだよ。

面積は約267平方キロメートル、東側は日向灘に接していて、黒潮の影響で温暖な気候が特徴だ。この温暖で広大な土地が、畜産業に絶好の環境を生み出しているわけさ。

宮崎県全体で見ると、豚の飼育頭数は全国3位前後を推移していて、2023年の農林水産省統計では約82万頭が飼育されている。一方、黒毛和牛の「宮崎牛」は2007年・2010年・2017年と全国和牛能力共進会(通称「和牛オリンピック」)で内閣総理大臣賞を3回受賞した、文字通り日本最高峰のブランド牛でもあるんだ。

川南町はその宮崎畜産の中核地域のひとつとして、何十年もの歴史を積み重ねてきた土地なんだよ。

豚熱(CSF)って何が怖いんだい?

ウイルスの正体と歴史

豚熱(Classical Swine Fever=CSF)はね、フラビウイルス科ペスチウイルス属のウイルスが引き起こす豚とイノシシの急性熱性疾患なんだ。致死率が高く、感染拡大が速いから「家畜伝染病予防法」の特定家畜伝染病に指定されている。

日本では2018年9月に岐阜県で26年ぶりに豚熱の感染が確認されて以来、各地で感染が広がってきた。宮崎県も2025年末から2026年にかけて感染が相次ぎ、野生イノシシを介した感染ルートが深刻な問題になっているんだよ。

野生イノシシが「動く感染源」になる

2026年4月16日に感染が確認された宮崎市高岡町と綾町は、川南町からも近い地域だ。野生イノシシは広い行動範囲を持ち、1日に数十キロ移動することもある。感染イノシシが養豚場の近くを歩き回るだけで、糞や体液を通じてウイルスが広がるリスクがあるんだよ。

だから宮崎県が全330農場に緊急消毒命令を出したのは、当然の対応と言えるだろう。消毒薬と消石灰を散布して、農場への侵入を徹底的に防ぐわけさ。

おじさんの豆知識コーナー

豚熱ワクチン接種が解禁されたのは2019年10月のことだよ!

日本はもともと「清浄国」であることを維持するために豚熱ワクチンの使用を禁止していたんだが、2018年の再発生を受けて、2019年10月から岐阜・愛知・三重・福井・滋賀・大阪の6府県でワクチン接種が解禁された。その後、接種対象地域は順次拡大されていったんだよ。

ワクチンを打てない「清浄国」の地位を守る理由は、実は輸出貿易にある。豚熱ワクチンを使った国の豚肉は、EU諸国など多くの国に輸出できなくなる国際ルールがあるからね。2018年以前の日本は「豚熱ゼロ・ワクチンゼロ」で輸出に有利な立場を保っていたわけだ。感染再発でその方針の転換を余儀なくされたのは、畜産業界にとって大きな痛手だったんだよ。

もうひとつ。イノシシは豚と同じ「イノシシ科」の動物で、DNAの相同性は約98%もある。野生のイノシシが感染すると、山林全体が「ウイルスの貯蔵庫」になってしまうから、養豚場をいくら消毒しても根本解決にならないという難しさがあるんだよ。

今回の火災と豚熱が重なった深刻さ

川南町の養豚場火災は、5000頭以上という規模の大きさで衝撃を与えた。「黒煙が激しく上がっている」という通報があったというから、相当な火勢だったことが伺えるね。

養豚場の火災は、電気系統のトラブルや飼料・おがくずへの引火などが原因になることが多い。密閉された畜舎は一度燃え始めると延焼が早いし、5000頭規模の農場が被害を受けたとなれば、経済的損失は数億円規模に上る可能性もある。

そこに豚熱という感染症の脅威が同時に押し寄せているわけだから、宮崎の畜産農家の方々にとっては二重苦・三重苦の状況なんだ。

2010年の口蹄疫の記憶

まあ、宮崎の畜産農家は過去にも大きな試練を乗り越えてきたんだよ。

2010年4月から7月にかけて宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)は、牛・豚合わせて約29万頭が殺処分されるという戦後最大の家畜伝染病の被害をもたらした。特に川南町は感染の中心地となり、町内の農場が次々と被害を受けた。被害総額は宮崎県だけで約2350億円に達したとされている。

あの悲劇から宮崎の畜産業は16年間、必死に再建を果たしてきた。その底力は本物だよ。

消費者にできることと、おじさんからのお願い

感染が確認された農場の豚肉は市場に流通しないから、豚熱に感染した豚の肉を食べて人間に感染するリスクはないんだ。これは明確に言っておきたい。過度な風評被害が宮崎の畜産農家を追い詰めることのないよう、正確な情報を広めることが大切だよ。

宮崎県産の豚肉・牛肉は、感染とは無関係の安全な農場から出荷されているものが市場に並んでいる。むしろ今こそ、宮崎の畜産業を応援する気持ちで手に取ってほしいと思うんだよ。

おじさん的には、こういう時こそ「産地を意識した消費」が大事だと思ってる。スーパーで「宮崎県産」の文字を見かけたら、ぜひ選んでみてくれよ。それが農家の方々への一番の応援になるんだからさ。

川南町の皆さん、宮崎の畜産農家の皆さん、どうか踏ん張ってくれよ。2010年の口蹄疫を乗り越えた底力を、もう一度見せてくれ。おじさん、心から応援してるよ。