やあやあ、今日はメキシコの話をしようじゃないか。
最近ニュースを見ていると、アメリカとメキシコの間で貿易協議が本格化しているって話が出てきたね。ロイターの報道によると、2026年4月にアメリカ政府高官がメキシコとの貿易協議を行い、「オフショアリング(製造業務の海外移転)」や「原産地規則」が主要議題に上がっているという。グリア通商代表も北米貿易協定の協議継続を示唆しているらしい。
まあ、聞いてくれよ。これ、ただの貿易交渉じゃないんだよ。実はメキシコって、今やアメリカの最大の貿易相手国になっているんだ。2023年の統計では、米墨間の貿易総額は約8,000億ドル(約120兆円)を超えていて、ついに中国を抜いて1位になった。これはかなり大きな話だろう?
USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)って何だ?
今回の協議の背景にあるのが、2020年7月1日に発効したUSMCA(United States-Mexico-Canada Agreement)、日本では「米国・メキシコ・カナダ協定」と呼ばれている条約だ。
1994年から26年間続いたNAFTA(北米自由貿易協定)を改定した協定で、特に自動車産業への影響が大きい。
「原産地規則」の何が問題なのか
今回の協議で議題になっている「原産地規則」というのは、「北米製」と認定されるためにはどれだけ北米で作ったか、という基準のことだよ。
USMCAでは、自動車が無関税恵恵を受けるには車体の75%以上を北米産の部品で製造しなければならないという規定がある。1994年のNAFTA時代は62.5%だったから、かなり厳しくなったわけだね。
ところが「オフショアリング」、つまりメキシコの工場が中国やアジアから安い部品を仕入れて組み立てるだけで「北米製」として売り込む動きが問題視されていて、アメリカ側がそこにメスを入れようとしているわけだ。
おじさん的メキシコ豆知識 その1:世界最大のピラミッドはエジプトにない!
まあ、ここでちょっと脇道にそれさせてくれよ。メキシコって、実は古代文明の宝庫なんだよ。
「世界最大のピラミッドはエジプトのクフ王のピラミッドでしょ」と思っているきみ、それは間違いだ。体積で言えば世界最大のピラミッドはメキシコにある。
プエブラ州にあるチョルーラの大ピラミッド(テペパン・クアウィテル)は、体積が約445万立方メートル。対するクフ王のピラミッドは約260万立方メートルだから、じつにクフ王の1.7倍以上もある。高さはクフ王の方が高いけれど、底面積と全体の体積ではメキシコが断然上なんだよ。
しかも驚くのは、このピラミッドの上に今はカトリック教会(ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロス・レメディオス教会、1594年建立)が建っているということ。スペインの征服者たちがピラミッドと気づかずに、ただの丘だと思って教会を建ててしまったんだね。
おじさん的メキシコ豆知識 その2:テキーラの故郷と50億ドルの産業
メキシコと言えばテキーラ。でも、どこで作られているか知っているかい?
テキーラはハリスコ州テキーラ市(人口約4万人)が発祥で、2006年にUNESCOの世界遺産「テキーラの竜舌蘭(アガベ)景観と古代の産業施設群」として登録されている。
世界的に輸出されているテキーラの産業規模は年間約50億ドル(約7,500億円)に達し、その8割以上がアメリカ向けだ。つまり、米墨貿易摩擦が激化すれば、テキーラ産業にも影響が出かねないという話なんだよ。
原材料のブルーアガベ(青竜舌蘭)は成熟するまでに7〜12年かかる植物で、一度収穫すると親株は枯れてしまう。だから大量生産が難しく、品質を守ることと産業規模の拡大を同時に追求するのが難しい作物なんだね。
経済大国としてのメキシコ
おじさん的に今一番注目しているのは、メキシコが「ニアショアリング」(nearshoring)の恩恵を大きく受けているという点だよ。
アメリカが中国への依存を減らそうとする動きの中で、アメリカ近隣のメキシコが製造拠点として急注目されている。2023年〜2024年にかけて、テスラ、BMW、インテルなど大手企業がメキシコへの投資を拡大した。
GDPで見ると、メキシコは世界第12位(2024年、約1.8兆ドル)の経済規模を持つ。人口は約1億3,000万人で、平均年齢が約29歳と若い労働力が豊富なのも強みだ。
今回の貿易協議でオフショアリング問題が焦点になっているのも、実はこの文脈と無関係じゃない。中国企業がメキシコに工場を建てて「メキシコ製」として対米輸出しようとする動きを、アメリカ側が警戒しているんだよ。
まとめ
ちょっと聞いてくれよ、最後に。
メキシコって、古代文明から現代の経済大国まで、実に面白いネタが詰まった国だろう?世界最大ピラミッドの話、沈み続ける首都の話、テキーラ50億ドル産業の話…どれも「へえ!」ってなる話ばかりじゃないか。
米墨の貿易協議は今後も続く大きなテーマで、原産地規則の見直しがどうなるかは、日本の自動車産業(トヨタ、ホンダもメキシコに大規模工場を持っている)にも影響が出てくる可能性がある。2026年のUSMCA見直し期限に向けて、今後もこの話題は目が離せないよ。
さあ、今日のおじさんのうんちく、役に立ったかい?また面白い話を持ってくるから、楽しみにしていてくれよ!
おじさんの豆知識コーナー:メキシコシティは沈んでいる!
おじさんに言わせれば、メキシコで最も「ヤバい」事実は首都メキシコシティが沈み続けているということだよ。
メキシコシティはかつてテスココ湖という湖の上に建設されたアステカ帝国の首都テノチティトランが起源で、スペインによる征服後(1521年)も同じ場所に都市が建設された。
問題は地下水の過剰くみ上げで、現在もメキシコシティの一部地域では年間最大50センチものペースで地盤沈下が進んでいる。過去100年で平均9〜10メートルも沈んだとされているよ。
2023年にNASAが公開した調査では、市内の一部エリアでは年間50センチ超の速度で沈下しており、これはメキシコシティの人口約2,200万人(大都市圏)が抱える深刻な都市問題になっている。