やあやあ、久しぶりだね。今日はおじさん、ちょっと興奮気味でさ、まあ聞いてくれよ。
日本の「輸入車」販売ランキングで、なんとスズキが初めてトップに立ったんだ。え?スズキって国産車じゃないの?って思ったかい?そこがポイントでさ、実はインドで作られたスズキ車が「輸入車」として日本に入ってきているんだよ。これ、かなり象徴的な出来事なんだ。
インドという巨大市場の正体
まず前提として、インドの自動車市場がどれだけ大きいか、ちゃんと数字で話そうか。
2023年度、インドの乗用車販売台数は約410万台を突破して、ついに日本を抜いて世界第3位の自動車市場になったんだよ。1位はもちろん中国(約2,000万台超)、2位がアメリカ(約1,500万台)。そしてインドが日本(約478万台…いや、ここ数年は300万台台)を抜いちゃった。
人口が14億人を超えて世界一になったインドで、まだまだ車の普及率は低い。100人当たりの自動車保有台数は約30台程度で、日本の約60台と比べてまだ半分以下なんだ。これが「これから伸びる市場」としての強みでさ、日本の自動車メーカーにとってインドは今や最重要戦略地域になっている。
スズキとインドの縁は40年以上前から
ここで驚くのがスズキの先見性だよ。今でこそ各社がインド市場に注目しているけど、スズキがインドに進出したのは1983年のことなんだ。
インド政府が国民車プロジェクトとして立ち上げた「マルチ・ウドヨグ」社に、スズキが技術提携・出資という形で参加したのが始まりでさ。当時の社長、鈴木修氏(現・名誉会長)が「インドの潜在力は計り知れない」と判断して乗り込んだわけだ。この決断から40年、現在の「マルチ・スズキ」はインド乗用車市場でシェア約40〜42%を誇る独走状態にある。
2位のヒュンダイ(韓国・現代)が約15%、トヨタが約7%というのと比べると、スズキの圧倒的な存在感がわかるだろう?
SUV戦略で勝ち続ける
最近のインド市場の話をしようか。中日BIZナビが報じているように、スズキはインドでのSUV販売攻勢を強めている。
世界的にSUVブームが続く中、インドも例外じゃない。若年層(インドの中央年齢は約28歳と非常に若い)が経済成長とともに車を持ちはじめ、最初の1台に「ちょっとカッコいいSUV」を選ぶ傾向が強まっているんだ。
スズキは「フロンクス」「グランドビターラ」などのSUVモデルをインドで展開し、この波に乗ろうとしている。実はこの「フロンクス」、日本にも輸入されていてね、これが冒頭の「輸入車トップ」の話につながってくるわけさ。
日本の自動車産業にとってのインドの意味
日経ビジネスが「世界への橋頭堡(きょうとうほ)」と表現しているように、インドは今や単なる新興市場じゃなくて、日本の自動車産業の地力が試される場所になっているんだ。
中国市場では日本車メーカーが電気自動車シフトに対応しきれず、シェアを大きく落としている。2023年の中国での日本車シェアは約17%で、2020年頃の24%から急落しているんだよ。
その分、インドへの期待が高まっているわけだけど、スズキ以外のメーカーはまだ苦戦中でさ。トヨタはスズキとの提携関係を活かしながらシェアを伸ばしつつあるけど、ホンダ・日産はインドで厳しい状況にある。インド市場は単純な「高品質」や「ブランド力」だけじゃ戦えなくて、「現地に根ざした商品開発と価格戦略」が必要な、難しい市場なんだ。
日本への逆輸入という新展開
冒頭で話した「輸入車ランキングでスズキがトップ」という話に戻ろうか。
従来、日本の輸入車市場といえばメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンなどドイツ車が王者だった。それがインド製スズキ車の輸入台数の増加によって、ついに順位が入れ替わった。マイナビニュースによればこれは「初」の出来事だという。
これって面白い現象だろう?日本のメーカーが海外で作った車が「輸入車」として日本に戻ってくる。グローバル化と生産最適化の象徴的な出来事なんだよ。
まとめ:40年の先見性が実を結ぶ
どうだい、インドとスズキの話、なかなか深かったろう?
1983年にほとんどの人が「なんでインドなんかに…」と思っていた時代に、鈴木修氏が下した決断が、2024〜2025年の今、輸入車ランキングトップという形で結果を出しているんだから、ビジネスの先見性ってのは本当に大事だよなあ。
インドはこれから2030年代にかけて、さらに自動車市場が拡大すると予測されている。電気自動車(EV)の普及も視野に入ってきて、スズキがここでもリードを保てるかどうかが日本の自動車産業全体の命運にも関わってくる。
14億人の大陸で、日本の小さなメーカーが40年かけて王者になった話——おじさん的にはこれ、もっとみんなに知ってほしいんだよね。次に車を見るとき、ちょっとその産地を確認してみてくれよ。案外「インド製」って書いてあるかもしれないよ?
じゃあまた、うんちくおじさんでした!
おじさんの豆知識コーナー:インド自動車産業の意外な歴史
インドに自動車産業が根付いたのは、実は1940〜50年代のことなんだ。独立直後のインドで、ヒンドゥスタン・モーターズという会社が英国のモーリス・オックスフォードをベースにした「アンバサダー」という車を1958年から製造し始めた。この丸っこいレトロなフォルムの車、なんと2014年まで製造が続いたんだよ!
それともうひとつ。インドの道路法規では長い間「左側通行」が採用されていた(今も左側通行)。これは英国植民地時代の名残なんだ。日本と同じ左側通行ということで、日本車の右ハンドルがそのまま使えるという地理的・文化的な相性の良さも、スズキがインドで成功した一因と言われているよ。
さらに余談だけど、スズキの鈴木修名誉会長は1930年生まれで、インド進出を決めた当時すでに50代。「大企業には真似できない小回りの利く経営」を信条に、当時は誰もが首を横に振ったインド進出を押し進めたんだ。結果として、これがスズキを世界企業に押し上げた最大の決断になったわけさ。