やあやあ、久しぶりだね。今日はアメリカでまた悲しいニュースがあったよ。バージニア州の元副知事ジャスティン・フェアファックス氏が妻を殺害し、その後自らも命を絶つという衝撃的な事件が起きたんだ。ワシントン・ポストによれば、裁判所の書類には結婚生活の深刻な亀裂が記されていたという。こういった事件では、まず誰かが「911」に通報することになる。
そこで今日はね、この「911」という番号について、おじさんがたっぷりうんちくを語ってやろうじゃないか。
アメリカの緊急通報「911」とは何者か?
まあ、聞いてくれよ。日本では「110番(警察)」「119番(消防・救急)」と分かれているのに対し、アメリカでは「911」一本で警察・消防・救急のすべてに繋がる仕組みになっているんだ。
現在、アメリカ国内では年間約2億4000万件の911通報が行われている。1日あたり65万件以上、1秒あたり約7.6件の計算になる。これはものすごい数だろう?
911番が生まれた日
実はこの番号、歴史はそんなに古くないんだよ。アメリカで初めて「911」への通報が実際に行われたのは、1968年2月16日のことだ。場所はアラバマ州の小さな町、ヘイルビル(Haleyville)。当時の市長トム・タラドノ(Tom Taladino)が、地元の電話会社「Alabama Telephone Company」と協力してシステムを整備し、歴史的な第1号コールが実現した。
その電話を受けたのは、地元警察署の電話交換手。かけた人物はアラバマ州議会議員のランキン・フィット(Rankin Fite)だったと記録されている。
AT&Tが連邦通信委員会(FCC)に「全米共通の緊急番号を作るべきだ」と提案したのが1967年のことで、その翌年にはもう実用化されていたわけだから、当時としてはかなりのスピード感だよ。
おじさん的911深掘り豆知識
豆知識①「E911」という進化版が登場した経緯
初期の911は、電話をかけた人の住所や名前は自動では分からなかったんだ。だからオペレーターは「住所を教えてください」と毎回聞く必要があった。
ところが1980年代に入ると、電話番号から自動的に住所情報を引き出す「Enhanced 911(E911)」が開発される。1999年には連邦議会が「ワイヤレス通信・公共安全法(Wireless Communications and Public Safety Act)」を成立させ、携帯電話からの911通報にも位置情報を自動送信することが義務付けられた。
現代のスマートフォンからかけると、GPSの位置情報が自動的に送信されるから、たとえ話せない状況でも救助隊が駆けつけられる。2016年時点で全米の911センターの約96%がE911対応済みになっているよ。
豆知識②「9-1-1」という番号が選ばれた理由
なぜ「911」なのか?おじさんに言わせれば、これには合理的な理由があるんだ。
選定の条件は3つあった。
- 短くて覚えやすい — 3桁であること
- 間違いでかけにくい — 当時のダイヤル式電話では、数字が大きいほど回す時間がかかる
- 既存の電話番号と被らない — 「911」で始まる市外局番がアメリカに存在しなかった
とくに2番目が面白い。ダイヤル式電話の時代、「9」は一番回転に時間がかかる数字だから、誤ってポケットの中でかけてしまうことがない。最後の「1」は最も素早く回せるから、緊急時でも操作しやすい。まさに当時の技術環境に最適化された番号設計なんだよ。
今回の事件と911の現実
ジャスティン・フェアファックス元バージニア副知事の事件に話を戻そう。彼は2018年から2022年まで副知事を務め、バージニア州史上2人目のアフリカ系アメリカ人副知事として注目された政治家だった。
CNNやガーディアンの報道によると、今回の悲劇では近隣の誰かか関係者が911に通報したことで発覚したとみられている。こういった家庭内の悲劇では、近隣住民の迅速な通報が状況把握の鍵になることが多い。
年間2億4000万件の911通報のうち、家庭内暴力に関連するものは約1100万件(全体の約5%)にのぼると言われている。9秒に1人の女性がアメリカで家庭内暴力の被害を受けているという統計もある。911が単なる緊急番号ではなく、社会の安全網の最前線であることがよく分かるだろう?
まとめ — たった3桁に詰まった歴史と社会
「911」というたった3桁の番号に、1968年から半世紀以上にわたるアメリカの緊急対応システムの歴史が詰まっているんだよ。
日本に住んでいると「110」と「119」を使い分けるのが当たり前だと思っているだろうけど、アメリカでは一本の番号にすべてを集約して、年間2億4000万件もの通報を処理している。その裏には膨大なインフラと人手があるわけだ。
今度アメリカのドラマや映画で「Call 911!」というシーンを見たときは、ぜひこのうんちくを思い出してくれよ。おじさんとの会話が少しでも日常を豊かにしてくれたなら、それが一番嬉しいね。
じゃあ、また次回も会おう!
おじさんのうんちくコーナー
「911」という数字、何か別のことも連想しないかい?そう、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件、通称「9/11」だ。実はこの日付と緊急番号の「911」が同じ数字なのは完全な偶然なんだよ。
テロ事件後、アメリカ国内では「日付の表記で9/11と書くのは緊急番号と混同しやすい」という議論が一時起きた。しかし結局、緊急番号も日付の呼び方も変わることはなかった。むしろアメリカ人にとって「911」という数字は二重の重みを持つようになったんだ。
ちなみにカナダでも同じく911が使われているが、ヨーロッパでは「112」、イギリスでは「999」が緊急番号として使われている。日本の「110」「119」と分かれているのは世界的に見るとむしろ少数派なんだよ。