まあ聞いてくれよ、今井達也という男の話
やあやあ、久しぶりだな。今日はちょっと気になる男の話をしようじゃないか。埼玉西武ライオンズからヒューストン・アストロズに渡った今井達也、27歳。2026年のメジャーリーグで現在苦戦中——防御率8.31という数字だけ見ると厳しいが、おじさんに言わせれば、この男は本当に只者じゃない投手なんだよ。
栃木から世界へ——今井達也という投手
1998年5月9日生まれ、栃木の作新学院高校出身。2016年のドラフトで埼玉西武ライオンズから1位指名を受けてプロ入りした右投げ右打ちの投手だ。身長180cm、体重80kg。
プロ入り当初は制球に苦しんでいたんだが、2023年は10勝5敗・防御率2.30、2024年も10勝8敗・防御率2.34と安定感が増し、2025年シーズンは10勝5敗・防御率1.92・奪三振178個というキャリアハイを達成した。
特に印象的だったのが、2025年6月17日の一戦。松坂大輔が保持していた球団記録を塗り替え、1試合17奪三振を達成した。これは今井がいかに支配的な投手かを見せつけた試合だったよ。
あの「手投げフォーム」の秘密
おじさんが今井達也で一番面白いと思うのが、そのピッチングフォームだよ。
普通、速球投手というのは力感あふれるフォームで投げるもんだろ?ところが今井ときたら、見た目には力が入っていないように見える。「手投げみたいだ」とよく言われるし、本人も「日本の野球の教えと反対のことをやっている。今井の真似するなって言われるんです」と語っているくらいだ。
転機になったのは2023年1月のこと。ソフトボール日本代表の上野由岐子らを指導してきたトレーナー・鴻江寿治氏が主催する合同合宿に参加したことだった。
鴻江氏の「あし体・うで体」理論——体の使い方には個人差があり、自分の体のタイプに合わせた動きをすることで最大のパフォーマンスが出るという考え方——を学んだ今井は、フォームを大改造。プロ2年目の2018年に平均球速146km/hだったストレートが、2025年には平均球速150km/h超まで跳ね上がった。2025年シーズンは規定投球回到達者を持つ全12球団の先発投手の中で、最も速いストレートの平均球速を記録したんだよ。
力感のない手投げ風フォームでNPBトップの球速を出す——この矛盾こそが今井達也の最大の謎であり、魅力なんだよ。
メジャーの壁——アストロズでの現在
2025年のシーズンオフ、今井は3年5400万ドル(約86億円)という大型契約でヒューストン・アストロズと契約を結んだ。
2026年3月29日のエンゼルス戦でメジャーデビュー。そして4月4日のアスレチックス戦では6回途中3安打無失点・9奪三振という圧巻の内容で初勝利を手にした。
だが、その後は苦難の連続だった。4月10日のマリナーズ戦では立ち上がりから制球が安定せず、5四死球・3失点で37球で降板。右腕の疲労で負傷者リスト(IL)入りとなった。
約1か月のリハビリを経てメジャー復帰した登板では、4回に3連続四死球で無死満塁のピンチを招き、グランドスラムを被弾。4回6失点という結果となった。今井自身も思わずうつむくほどの展開で、制球難という課題は改善できず、現在の防御率は8.31に上昇している。
制球難の原因——メジャーのボール問題
制球難の一因として今井自身が語っているのが、メジャーのボールへの適応だ。日本のプロ野球のボールに比べてメジャーのボールは縫い目が低く、指にかかりにくい。今井は「滑りやすいメジャーの球に苦戦していて、慣れるしかない」と語っており、これはNPB出身投手の多くが経験してきた「メジャーの壁」のひとつだよ。
それでも現地メディアが注目しているのが、登板を重ねるごとに見える「復調の兆し」だ。初回の立ち上がりを三者凡退でまとめるなど、本来の投球が顔を出す場面も増えてきた。THE DIGESTの報道によれば地元メディアは「本当の姿がまだ分からない」と評価を保留しながらも、潜在能力への期待は依然として高いままだよ。
まとめ——今井達也の真価はこれから
ちょっと聞いてくれよ。おじさんはな、今井達也という投手にはものすごい可能性があると思っているんだよ。
「手投げ」と揶揄されながらも独自フォームを磨き上げ、NPB最速水準のストレートとジャイロスライダーを手にした。防御率1.92でリーグトップを争い、松坂大輔の球団記録を塗り替える1試合17奪三振を達成した。そんな男が3年5400万ドルの大型契約を引っ提げてメジャーに挑戦している。
NHKのドキュメントに取り上げられた言葉——「信じる道をまっすぐに」——その通り、苦しい今だからこそ自分の投球を信じて歩み続けてほしいものだよ。歴史を振り返れば、メジャーに渡って最初の1〜2年は苦労したが、その後大きく花開いた日本人投手は何人もいる。今井達也がメジャーの舞台で本当の輝きを見せるのはこれからだ。みんなも一緒に温かく見守ろうじゃないか!
おじさんのうんちくコーナー:ジャイロスライダーって何だ?
今井達也の武器のひとつ、ジャイロスライダーについて教えてやろう。
通常のスライダーは横方向に変化しながら落ちるが、ジャイロスライダーは「ジャイロ回転」——アメフトのボールが螺旋を描くような回転——をかけながら変化する球種だ。このジャイロ回転の最大の特徴は、ボールの回転軸が進行方向と一致するため空気抵抗の影響を受けにくく、打者が「直球だ」と思って見てから急激に変化することにある。
地元テキサスのメディアも「革命的な球」とうなっているこのジャイロスライダー、NPBでも使い手が非常に少ない希少球種だ。打者の「錯覚」を誘発するこの球をマスターできたのも、2023年のフォーム改造と体の使い方の改善があってこそなんだよ。