やあやあ、おじさんだよ。今日はちょっとしんみりしてるんだよ、正直言うとね。
NHK BSの人気時代劇「あきない世傳 金と銀3」がいよいよ最終回を迎えるんだ。2026年5月24日(日)午後6時45分からの第8回「金と銀」で、シリーズ全体にピリオドが打たれる。小芝風花演じる五鈴屋七代目店主・幸の物語が、ついに大海へと漕ぎ出すんだよ。このシリーズ、おじさんは第1作から追いかけていてね、感慨もひとしおさ。
「買うての幸い、売っての幸せ」——江戸商人の哲学
このドラマのテーマはズバリこの一言に尽きるさ。「買うての幸い、売っての幸せ」——売り手も買い手もともに幸せになる商いこそが本物だという江戸の商道徳なんだよ。
原作は髙田郁(たかだかおる)の時代小説シリーズで、全13巻(特別巻2冊含めると15冊)、累計400万部を突破した大ヒット作だ。第1巻「源流篇」から「早瀬篇」「奔流篇」「貫流篇」……と全部「流れ」に関する言葉のタイトルが続いて、最終巻は「大海篇」なんだよ。川が海へ注ぎ込むイメージが、幸の成長と重なる実にうまい構成さ。文庫版は1冊638〜748円(税込)という手頃な価格で、それが累計400万部という数字にも貢献しているんだろうね。
ドラマは2026年4月5日(日)に第1回が放送されてから毎週日曜午後6時45分・全8回の構成で放送中だ。シーズン3では江戸浅草田原町に五鈴屋江戸店を構えた幸が、悪徳商人・枡吾屋忠兵衛(髙嶋政伸)の暗躍に立ち向かいながら、前夫・惣次(加藤シゲアキ)との因縁に決着をつけていく物語だよ。出演陣には髙嶋政伸、風間杜夫、舘ひろしといった実力派が揃っているんだ。
原作のモデルは実在の女性店主だった!
おじさん的に一番面白いのはここなんだよ。この作品、実在のモデルがいるんだ。
原作・幸のモデルとされているのは、現在の大丸松坂屋百貨店の前身「いとう呉服店」の10代目店主・宇多という実在の女性だよ。江戸時代に女性が呉服店の主人を務めるなんて、当時としては相当異例のことでね。詳細な記録は多く残っていないけれど、髙田郁先生が「もしこんな女性がいたとしたら」という想像力で膨らませた結果が、あの幸というキャラクターなんだ。
松坂屋は400年以上の歴史を持つんだよ
いとう呉服店の歴史も一緒に語らせてくれよ。名古屋の豪商・伊藤次郎左衛門家が江戸時代初期に創業したのが起源で、江戸の上野広小路に店を出したのが1768年(明和5年)のことだよ。その後1910年(明治43年)に「松坂屋」と改称され、2010年に大丸と経営統合して現在の大丸松坂屋百貨店になった。つまり400年以上の歴史を持つお店の話が、このドラマの背景にあるわけさ。
ドラマと原作の「幸」はまったく別人!?
おじさんに言わせれば、このシリーズの醍醐味のひとつは「原作との違いを楽しむこと」にあるんだよ。
原作の幸は「鬼のご寮さん」と呼ばれるほどの戦略家で、商才に長けたリアリストなんだ。対してドラマの幸(小芝風花)は、健気で優しい努力型のヒロインとして描かれている。加藤シゲアキ演じる惣次も、原作では「不細工設定」なんだけど(笑)、ドラマではイケメンとして起用されていてね。さらに、ドラマオリジナルキャラとして惣次に密かに想いを寄せるお杉(大西礼芳)が登場するなど、脚本上の工夫も見どころさ。
脚本の山本むつみ先生が全シーズンを一貫して手がけていて、全13巻という長大な原作を1シーズン8話という限られた尺に再構成しているんだよ。「原作より辻褄が合ってわかりやすい」という評価がある一方で、「商売のシビアな駆け引きが薄まっている」という声もある。どちらも愛ある意見だよね。シーズン2最終回では上納金1500両問題を「3年分割払い+利子分寄付」という機転で解決したシーンが好評だったから、今回の最終回も山本むつみ脚本の構成力に期待が高まっているんだよ。
いよいよ最終回「金と銀」——2026年5月24日
シーズン3は原作9〜13巻に相当すると見られていて、最終第8回「金と銀」(2026年5月24日放送)では、幸が枡吾屋との決着をつけ、惣次との因縁にピリオドを打ち、五鈴屋を「百年続く店」へと導く姿が描かれるはずだよ。
直前の第7回「二枚の暖簾」(2026年5月22日放送)では、旗本の嫁荷取り扱いで武家の客は増えたが古い馴染み客の足が遠のくという難題が浮上した。独立を目指す菊栄(朝倉あき)が呉服町の好物件に悩む中、幸がある提案をする場面も見どころだったよ。そして惣次と枡吾屋夫婦が親しくしているところに幸が遭遇する……という引きで最終回へつながっていくんだ。
まとめ——商いの心は400年変わらない
「買うての幸い、売っての幸せ」——この言葉、江戸時代の商人が生み出した哲学だけど、今の時代にも十分通じるよね。お客さんも店も、両方が笑顔になれる商売こそが本物だという考え方さ。
累計400万部のベストセラーが生み出した幸というキャラクターが、小芝風花の熱演でスクリーンに生き生きと蘇った。全8回という限られた枠の中で原作の壮大な物語を描ききった山本むつみ脚本の力量も、改めて感じさせてくれたよ。
最終回は2026年5月24日(日)午後6時45分からNHK BSで放送だ。見逃した回はNHKオンデマンドで配信中だから、ぜひ第1回「結の嫁入り」(2026年4月5日放送)から見返してみてくれよ。チーム五鈴屋の商いの闘い、最後まで一緒に見届けようじゃないか!
うんちくおじさんの豆知識コーナー
「暖簾(のれん)」が持つ深〜い意味
第7回のタイトルが「二枚の暖簾」(2026年5月22日放送)なんだけど、暖簾って実は商売の世界ではとても深い意味を持つんだよ。
江戸時代の商家では、暖簾は単なる目隠しじゃなくて「暖簾分け」という形で使われていた。長年修行した奉公人が独立する際、親方が屋号や家紋の入った暖簾を贈る慣習があったんだよ。これが現代でも使う「暖簾の重さ」「暖簾にかかわる」という言葉の語源さ。
さらに、暖簾の色も業種によって決まっていたんだ。江戸時代の呉服商は白地に藍染めや墨で家紋と屋号を染め抜くのが定番で、「五鈴屋」の暖簾にも幸の商いへの覚悟が込められていたわけさ。
現代でもラーメン店や料亭では「暖簾分け」の慣習が受け継がれていて、弟子が師匠の屋号を引き継ぐ形で伝統が続いているんだよ。400年以上経っても変わらない商人文化、おじさんはしびれるよ。