やあやあ、今日もうんちくおじさんの話を聞いてくれよ。最近また「とと姉ちゃん」が話題になってるじゃないか。NHKで絶賛放送中の朝ドラ「風、薫る」(主演:見上愛)を見ていると、ついつい過去の名作朝ドラを振り返りたくなるよねえ。おじさんも久しぶりにDVDを引っ張り出して、一気見してしまったよ。
「とと姉ちゃん」——昭和を生き抜いた三姉妹の物語
「とと姉ちゃん」は2016年4月4日から10月1日まで、NHK総合テレビの連続テレビ小説として放送された全156話の作品だ。主演は高畑充希、脚本は西田征史、音楽は遠藤浩二が担当した。
「とと」というのは子供言葉で「父(ちち)」のことだよ。つまり「とと姉ちゃん」は「お父さん代わりのお姉ちゃん」という意味なんだ。
舞台は昭和初期の静岡県浜松市から始まる。ヒロインの小橋常子(高畑充希)は、11歳の時に父・竹蔵(西島秀俊)を結核で失ってしまう。死の床で父は常子に「家族を守ってほしい」と遺言を残す。その言葉を胸に刻んだ常子は、母・君子(木村多江)、次女・鞠子(相楽樹)、三女・美子(杉咲花)の四人を支えるため「とと(父)」代わりとなって奮闘するんだ。
そして戦後、常子は妹たちとともに雑誌「あなたの暮し」を創刊し、天才編集者・花山伊左次(唐沢寿明)と出会うことで、日本の消費者文化に革命をもたらしていく——というのが大まかなあらすじさ。
実在の人物がモデルだった!
ここからがおじさんの腕の見せどころだよ。このドラマ、実は実在の人物をモデルにしているんだ。
ヒロイン・常子のモデルは大橋鎭子(おおはし しずこ、1920〜2013年)という人物だ。大橋さんも常子と同じく小学5年生・11歳の時に父を病気で亡くしている。戦後の1948年(昭和23年)に「暮しの手帖社」を設立し、家庭向け総合生活雑誌「暮しの手帖」を創刊したんだよ。
ドラマの中の「あなたの暮し」は、この「暮しの手帖」がモデルだ。唐沢寿明演じる花山伊左次は、「暮しの手帖」の名物編集長・花森安治氏をモデルとした人物と言われている。
豪華すぎるキャスト陣
このドラマ、出演者が本当に豪華だったんだよ。
- 高畑充希(小橋常子):2007年から6年間、舞台「ピーターパン」の8代目を務めた実力派。2013年の朝ドラ「ごちそうさん」にも出演経験あり
- 西島秀俊(父・竹蔵):浜松の染物工場で働く優しい父親を好演
- 木村多江(母・君子):東京深川の材木問屋に生まれ、3姉妹を懸命に育てる母親役
- 大地真央(祖母・滝子):深川で江戸時代から続く老舗材木問屋「青柳商店」を切り盛りする、きっぷのいい江戸っ子の祖母役
- 唐沢寿明(花山伊左次):雑誌の名物編集長を圧倒的な存在感で演じた
- 杉咲花(三女・美子):現在も日本を代表する実力派女優の若き日の姿がここに
- 向井理(叔父・鉄郎):いい加減だが憎めない叔父役
さらに片岡鶴太郎、及川光博、山口智充、伊藤淳史、坂口健太郎、川栄李奈など錚々たる面々が集結した。主題歌は宇多田ヒカルの「花束を君に」で、語りは檀ふみが担当している。
おじさんのうんちくコーナー:連続テレビ小説「朝ドラ」は1961年から続く長寿番組だよ
NHKの「連続テレビ小説」、通称「朝ドラ」が始まったのは1961年(昭和36年)のことだ。第1作は「娘と私」で、それ以来60年以上続く長寿番組になっている。「とと姉ちゃん」は第94作目にあたるんだ。放送時間は毎朝8時から8時15分の15分間で、週5日(月〜土)放送されるスタイルは今も変わっていないよ。
ちなみに「朝ドラ」という呼び名が定着したのは1980年代以降で、それ以前は「ホームドラマ」と呼ばれることの方が多かったんだよ。おじさん的には、この微妙な呼び名の変遷もなかなか面白いだろう?
「ととロス」という言葉まで生まれた名作
2016年10月1日に放送が終了した後、視聴者の間では「ととロス」という言葉が生まれた。ドラマが終わった喪失感を表した造語で、それだけ多くの人に愛されたということだね。
現在NHKで放送中の朝ドラ「風、薫る」でも、仲間由紀恵演じる千佳子の複雑な本心を知ったりん(見上愛)の苦悩が描かれ、「高貴な役が似合うだけじゃない意外な演技」が絶賛されている。朝ドラが実力派女優の演技を引き出す舞台として機能してきた伝統は、大地真央や木村多江が圧倒的な存在感を発揮した「とと姉ちゃん」の時代から連綿と続いているんだよ。
まとめ:時代を超えて輝く「とと姉ちゃん」の精神
まあ、おじさんが言いたいのはこういうことだよ。「とと姉ちゃん」は単なるホームドラマじゃない。11歳で父を亡くし、一家の大黒柱となった少女が戦前・戦後の激動の昭和を生き抜き、消費者のための誠実な雑誌を作るまでの半生——実在の大橋鎭子さんの物語に基づく骨太な作品なんだ。
「広告に左右されない正直な情報を届けたい」という信念は、SNSとフェイクニュースが飛び交う今こそ、もっとも大切なメッセージかもしれないよ。まだ見ていない人も、NHKオンデマンドで過去回が配信されているから、ぜひこの機会に見てみてくれよ。きっと「ととロス」になること間違いなしさ!
おじさんのうんちくコーナー:「暮しの手帖」は広告ゼロを70年以上貫いた異端児雑誌!
おじさんが特に面白いと思うのがここなんだよ。「暮しの手帖」は1954年(昭和29年)から日本の雑誌として初めて本格的な「商品テスト」を始めた雑誌なんだ。テレビや洗濯機といった家電製品を実際に使って比較・評価し、その結果を誌上で正直に発表するという手法は、当時としては革命的だったよ。
しかもすごいのが、創刊当初から現在まで広告を一切掲載していないという徹底ぶりだ。「広告主に気を遣わず、読者のために正直な評価を書く」という信念を70年以上守り続けているんだから大したもんだろう?2016年のドラマ放送当時は品切れが続出するほど「暮しの手帖」への注目が集まったんだよ。今の情報過多な時代にこそ、この姿勢は見習いたいよねえ。