やあやあ、今日はちょっと難しそうだけど実は日本人全員に関係する話をしてやろう。2026年5月18〜19日、フランス・パリでG7財務相・中央銀行総裁会議が開かれたんだ。「また偉い人たちが集まってるのか」って思うかもしれないが、今回はちょっと違う。本当に世界が揺れているんだよ。

パリに世界の財務トップが集結

議長国フランスのレスキュール経済・財務相が仕切った今回の会議、アメリカからはベッセント財務長官、日本からは片山さつき財務相と日本銀行の植田和男総裁が出席した。

G7というのは日本・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・カナダの主要7カ国のことで、これに欧州連合(EU)が加わる形で毎年会議が行われているんだ。今回のパリ会議は、6月中旬にフランスのエビアンで開かれるG7首脳サミットへの布石という位置づけでもある。

レスキュール財務相は開幕にあたって「多国間主義の有用性が疑問視されることもあるが、地球規模の課題に共に取り組めることを示す」と語った。それだけ今回は「結束」が試されている会議だったわけだ。

今回の主要議題を3つに整理しよう

1. ホルムズ海峡封鎖と原油・エネルギー危機

最大の焦点はここだ。米・イスラエルとイランの対立が長期化した結果、ペルシャ湾の出口にあるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に陥っている。ここを世界の原油供給の約20%、1日あたり約2000万バレルが通過していたんだが、それが止まってしまっているんだ。

IEA(国際エネルギー機関)のビロル事務局長は会議の場で「商業用の石油在庫が急速に減少しており、在庫はあと数週間しか残っていない」と衝撃的な発言をした。これを受けてIMF(国際通貨基金)も4月時点で「2026年の世界経済成長率は3.1%」と予測していたのを、5月14日には「逆風シナリオに移行しつつある」として2.5%への下方修正シナリオを示した。たった1カ月で0.6ポイントも悪化したわけだよ。

2. 食料安全保障と肥料不足問題

おじさんに言わせれば、原油だけに目を向けていると本質を見失う。ホルムズ海峡を通過する肥料は年間1600万トン、海上を通じた世界の肥料貿易の約3分の1を占めているんだ。農作物に不可欠な尿素は湾岸諸国が世界の3割を供給し、アンモニアやリン酸も約2割をここに頼っている。

片山財務相が「肥料や食料生産に関わる人道的な問題は、石油の危機とはまた別途ある」と述べたのはまさに正論で、供給が止まれば食料難が世界規模で起きかねない。G7では肥料を運ぶタンカーのホルムズ海峡通航を優先する具体策も議論された。

3. AI「クロード・ミュトス」による金融システムへのサイバー攻撃リスク

米新興企業アンソロピックが開発した「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」という新型AIが今回の議題に挙がったんだ。このAIはシステムの脆弱性を特定する能力が極めて高いとされ、金融システムへのサイバー攻撃に悪用される恐れがあると指摘されている。G7各国でAIを活用したリスク管理モデルを協力して構築していく方針が話し合われた。

おじさんのうんちくコーナー:ホルムズ海峡と「タンカー戦争」の歴史

まあ、聞いてくれよ。ホルムズ海峡の歴史的な重要性を教えてあげよう。

実はホルムズ海峡が「世界の火薬庫」になったのは今回が初めてじゃない。1980年から88年にかけてのイラン・イラク戦争では「タンカー戦争」と呼ばれる事態が起きた。両国がお互いの石油タンカーを攻撃しまくって、1984年から88年の間に500隻以上の船舶が被害を受けたんだ。

このときアメリカ海軍がペルシャ湾に展開してタンカーを護衛する「アーネスト・ウィル作戦」を1987年に実施した。日本はこのとき「お金だけ出して軍は出さない」という対応を取り、国際的に批判を浴びたという苦い経験もある。

さらに豆知識。日本が原油調達の9割超をホルムズ経由に頼っているのに対して、アメリカは自国産のシェールオイル生産が急拡大したおかげでエネルギー自立度が大幅に上昇。2020年代にはほぼエネルギー純輸出国になっているんだよ。だから今回のG7でも「日本だけ深刻」という構図になってしまっているわけだ。

G7声明と日本円の行方

会議最終日の5月19日、G7財務相は共同声明を発表した。「ホルムズ海峡の再開は不可欠」「貿易不均衡は持続不能」という強いメッセージが盛り込まれた。

また中国がレアアース(希土類)の輸出規制を強めている問題についても、特定国に依存しない供給網の構築や、低価格な中国産の過度な流入を防ぐ最低価格制の導入が議論された。

為替については、片山財務相が「断固たる措置を取るときは取る」と語気を強めた。原油高騰によるインフレと円安のダブルパンチは日本経済にとって最も厳しいシナリオで、日銀の植田総裁も長期金利が「速いスピードで上昇している」と述べており、金融政策の舵取りが極めて難しい局面にある。

まとめ:「対岸の火事」じゃないぞ

ちょっと聞いてくれよ、最後に大事なことを言う。「G7ってどうせ遠い国の話でしょ」と思っているなら、それは大間違いだ。ホルムズ海峡が封鎖され続ければ、日本のガソリン代・電気代・食料品の値段が軒並み上がる。しかもそれがいつまで続くか、誰にも見えていないんだ。

IEAが「在庫はあと数週間」と言い、IMFが成長率見通しを下方修正し、G7がパリに緊急集合した。この3つの事実を並べれば、世界がどれだけ緊迫しているかわかるだろう?

おじさんも長く経済を見てきたが、こんなに複数の危機が同時に重なる場面はそうそうない。だからこそG7の動向から目を離さないでくれよ。次のサミットは6月中旬、フランスのエビアンだ。そこでどんな結論が出るか、一緒に注目していこうじゃないか。