やあやあ、今日は少女漫画の話をしようじゃないか。
「少女漫画なんて……」なんて顔をするなよ。おじさんに言わせれば、萩尾望都を知らずして20世紀の日本漫画は語れないんだよ、これが。
刀剣男士まで手がける——萩尾望都の現役っぷりが尋常じゃない
まず2026年の最新ニュースから入ろうか。「能 狂言 刀剣乱舞」シリーズの上演が決定して、その第一弾として髭切・膝丸をフィーチャーした公演が予定されているんだが、なんとその描き下ろし刀剣男士ビジュアルを手がけたのが萩尾望都・山岸凉子・大和和紀の3人なんだよ。
能・狂言という伝統芸能と、累計課金額でも知られる人気ゲーム「刀剣乱舞」をコラボさせた舞台に、少女漫画界の巨匠たちが参加するってんだから、これは世代を超えたコラボレーションの極みというやつだよ。
萩尾望都って何者なんだ?
1969年デビューの革命家
萩尾望都は1969年に漫画家としてデビューを果たした。1970年代に訪れた「少女漫画黄金期」において、表現の可能性を大きく広げた立役者のひとりだ。同世代にデビューした山岸凉子・大和和紀とともに、少女漫画の世界に革命を起こした三巨匠と呼んでいい。
代表作の破壊力をなめるな
おじさんがまず挙げたいのは『ポーの一族』だ。美しい吸血鬼の少年・エドガーを主人公に、不老不死の哀しみと人間との関わりを描いたこの作品は、少女漫画の常識を根底から覆した。そして驚くべきことに、続編「青のパンドラ」は2026年現在も月刊フラワーズに連載中で、2025年6月号にも最新話が掲載されている。デビューから半世紀以上が経っても物語が現役で続いてるってのは、本当に並のことじゃないよ。
次は『11人いる!』。宇宙大学の最終試験で「10人のはずが11人いる」という状況から始まるSFミステリーで、1975年に小学館漫画賞を受賞した。少女漫画の枠をはるかに超えてSFファンも唸らせた傑作だ。2026年3月25日には「萩尾望都スケッチ画集Ⅱ──『11人いる!』とSF世界」も刊行されたばかりで、往年のファンも新しい読者も楽しめる内容になっているよ。
そして『半神』。たった16ページで双子姉妹の関係を描き切った短編の傑作で、こちらは後に劇団四季によって舞台化もされた。16ページでここまで人間の感情の深淵を描けるのは、萩尾望都以外にいないとおじさんは思っているよ。
国際的な評価がまたすごい
萩尾望都の評価は国内だけじゃない。アメリカのコミック業界で最高の栄誉とされるアイズナー賞の殿堂入りを果たしており、日本人漫画家として国際的なトップクラスの認知度を誇る。欧米のアーティストやクリエイターから「萩尾望都に影響を受けた」という声が後を絶たないのも、この人の凄みだよ。
2026年は萩尾望都イヤーだ!
国立新美術館で三人展が開幕
2026年10月28日(水)から2027年2月8日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館(企画展示室2E、〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2)で「少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展」が開催される。国立新美術館の開館20周年を記念した企画で、三人の代表作の原画や貴重な資料を通じてその創作活動を振り返る大規模展示だ。
開館時間は10:00〜18:00で、毎週金・土曜日は20:00まで延長される。問い合わせは050-5541-8600(ハローダイヤル)まで。会期中には講演会も予定されていて、2026年1月20日にはロンドンのジャパン・ハウスで「美術館における漫画の拡がり」、1月22日にはパリ日本文化会館で「少女漫画の世界」という講演も組まれているよ。海外でも注目されてるってことだよな。
宝塚に本にグッズに全部入り
今年は宝塚歌劇団雪組が7月11日から8月23日にかけて「ポーの一族」を上演する。さらに3月25日刊行の「スケッチ画集Ⅱ」に加え、大阪のお菓子ブランド「COBATO」とのコラボクッキー缶も販売中ときた。漫画・舞台・展覧会・グッズと全方位で展開しているこの現役感、ちょっと並のアーティストにはできないよ。
まとめ
まあ、ここまで付き合ってくれてありがとう。1969年にデビューして2026年現在も第一線で活躍し、『ポーの一族』の続編を連載しながら刀剣男士まで描いちゃうってんだから、萩尾望都という漫画家の底力は本物だよ。
今年10月からの国立新美術館の三人展は、生の原画を見られる滅多にないチャンスだ。君もこれを機会に『ポーの一族』か『11人いる!』を手に取ってみてくれよ。きっと「少女漫画ってこんなに深かったのか」って驚くはずだ——それがおじさんからのうんちくというもんさ。
おじさんの豆知識コーナー:「花の24年組」って何だ?
萩尾望都、山岸凉子、大和和紀など1970年代に活躍した少女漫画家たちは「花の24年組」と呼ばれているんだが、これは「昭和24年(1949年)前後生まれのグループ」という意味なんだよ。萩尾望都は1949年生まれで、まさにこの世代のど真ん中だ。
彼女たちが革新的だったのは、それまでの少女漫画になかったSF・哲学・ヨーロッパ文学といったテーマを持ち込んだこと。たとえば『トーマの心臓』はドイツのギムナジウム(寄宿学校)を舞台にしていて、ヨーロッパ文学を彷彿とさせる文学性が高く評価された。少女漫画が「文学」として大学の研究対象になったり、美術館で原画展が開催されるようになったのは、この世代の功績が大きいんだよ。おじさんから見れば、彼女たちは文化の地殻変動を起こした人たちさ。