やあやあ、うんちくおじさんだよ。今日は箱根の話をしよう。

「箱根?知ってるよ、温泉でしょ」——まあそう言いなさんな。箱根っていうのはね、おじさんに言わせれば日本で一番「層が厚い」観光地なんだよ。温泉だけじゃない。3,000年前の火山、奈良時代の神社、江戸時代の石畳道が全部ひとつの場所に詰まってるんだから、これは語らずにはいられないわけさ。

東京から90分で別世界——箱根って、どんなとこ?

箱根は神奈川県足柄下郡箱根町にある温泉リゾートで、東京・新宿から小田急ロマンスカーに乗ればおよそ90分で到着できるんだ。面積は約92.86平方キロメートル、最高峰・神山の標高は1,438メートル。コロナ前の2019年には年間約2,100万人が箱根を訪れていて、これは日本国内の温泉地の中でも常にトップクラスの数字さ。

エリアは「箱根湯本」「強羅」「仙石原」「芦ノ湖」などに分かれていてね、箱根湯本駅を出るとすぐに商店街が広がっていて、焼きたてのバームクーヘンや地元スイーツが並んでいる。帰り際に土産を買うのにも便利な立地さ。

大涌谷——3,000年前の噴火が作り出した絶景

おじさんが箱根の中で特に推したいのが大涌谷だよ。今からおよそ3,000年前、箱根火山の大爆発によって生まれた噴火跡で、現在でも約100℃の硫黄ガスと水蒸気が白煙となって噴き出し続けている活火山地帯なんだ。

箱根ロープウェイで早雲山駅か桃源台駅から乗り換えて大涌谷駅で降りれば到着。通常期(2月〜11月)は9:00〜16:20まで見学できる。荒涼とした山肌と白煙の景色は、東京の日常とはまるで別世界だよ。

おじさんの豆知識コーナー:黒たまごの秘密

大涌谷名物の黒たまご、食べたことはあるかい?あの真っ黒な外観、じつは着色料じゃないんだよ。温泉池(約80℃)で約60〜70分じっくり茹でると、卵の殻に含まれる鉄分が温泉中の硫化水素と反応して「硫化鉄」を生成し、殻が黒くなるんだ。これは立派な化学反応さ。

さらに「黒たまごを1個食べると7年寿命が延びる」という言い伝えがある。1袋5個入りで販売されているから、全部食べれば計算上は35年の延命効果(笑)。もちろん科学的根拠はないけれど、このロマンがいいじゃないか。

じつはこの黒たまごが登場したのは昭和30年代(1950年代)のこと。地元観光業者が「手軽に買えるおみやげを」と考案したのが始まりで、今では箱根の代名詞になったわけだよ。観光地のブランド戦略としては大成功だよね。

箱根十七湯——日本屈指の温泉王国の実力

「箱根の温泉」と一口に言うけど、実は箱根には17の温泉地(箱根十七湯)があるんだよ。箱根湯本、塔之沢、宮ノ下、木賀、芦之湯、堂ヶ島、底倉、姥子、小涌谷、二ノ平、強羅、仙石原、大涌谷、湯の花沢、芦ノ湖、元箱根、湖尻——この17カ所が、それぞれ異なる泉質を持っているんだ。

源泉数は約700本以上で、一日の湧出量は約10万リットルにも達するというから驚きだろう?泉質も単純温泉、硫酸塩泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉など多種多様で、これだけの種類の温泉がひとつの地域に集中しているのは日本国内でも極めて珍しいことさ。だから箱根は「温泉のデパート」とも呼ばれているんだよ。

箱根神社——源頼朝も徳川家康も頭を下げた名社

芦ノ湖のほとりに鎮座する箱根神社は、奈良時代の757年(天平勝宝9年)に万巻上人が開山したと伝えられる由緒ある神社だ。開運厄除・心願成就・交通安全のご利益があるとされていてね。

歴史的に特に有名なのは、源頼朝と徳川家康という二人の天下人が篤く崇敬したことだよ。徳川家康は関ヶ原の戦い(1600年)の前に必勝祈願したとも伝えられていて、その後の江戸幕府300年の繁栄と箱根神社の縁は深いものがある。湖に突き出た「平和の鳥居」は湖面から高さ約9メートルで、湖上に浮かぶように見える絶景スポットとしても人気さ。

日本遺産「箱根八里」——江戸の旅人が越えた天下の険

ちょっと聞いてくれよ、おじさんが若い人にぜひ知ってほしいのが日本遺産に認定された「箱根八里」の石畳道なんだ。

箱根八里は旧東海道のうち、小田原から三島(静岡県)までの約32km(八里)の区間を指す。江戸時代には参勤交代の大名行列がこの道を通り、「天下の険」として恐れられた難所だったんだ。

今も元箱根周辺に残る元箱根旧街道杉並木は、1618年(元和4年)に江戸幕府が整備したもので、400年以上の歴史を持つ。今なお樹齢300年を超える杉の木が立ち並び、その間を歩けば江戸時代の旅人の気分が味わえるよ。

箱根フリーパスで賢く回ろう

最後に実用的な話もしておこうかな。箱根観光には箱根フリーパスが断然お得だよ。小田急線の新宿駅から購入でき、2日間有効・大人6,100円(2024年時点)。小田急線新宿〜小田原間の往復に加え、箱根ロープウェイ・箱根登山鉄道・箱根海賊船など8種類の交通機関が乗り放題になるんだ。

箱根ロープウェイの往復だけで1,820円するから、大涌谷と芦ノ湖の海賊船を組み合わせれば、それだけでもとが取れる計算さ。こういう賢い使い方を知ってるかどうかで、旅のコスパがずいぶん変わるもんだよ。

まあ、それがおじさんの言いたいことさ

箱根って「温泉に入って帰ってくるだけ」じゃ本当にもったいないんだよ。3,000年前の火山活動、奈良時代から続く神社、江戸時代の石畳道、17種類もの異なる温泉——これだけの歴史と自然が90分圏内に凝縮されている場所は、日本広しといえどもそうそうないさ。

次に箱根に行くときは、黒たまごを食べながら「これは化学反応なんだぜ」とひとり言を言ってみてくれよ。それがうんちくおじさん流の旅の楽しみ方ってもんだよ。