やあやあ、今日はおじさんがちょっと熱くなってしまうテーマを持ってきたよ。宝塚歌劇団の月組、トップスターの鳳月杏(おとづき あん)さんとトップ娘役の天紫珠李(あまね じゅり)さんが退団会見を開いたというニュースが流れてきた。「宝塚は人生そのもの」という言葉を残した鳳月杏さん、「最後までがんばっていこう」と語った天紫珠李さん……おじさんも思わず目頭が熱くなったよ。
まあ、聞いてくれよ。宝塚歌劇団というのは、ただの劇団じゃないんだ。
1914年から続く「夢の世界」の歴史
宝塚歌劇団が産声を上げたのは1914年(大正3年)のこと。今から112年も前の話だ。阪急電鉄の創業者・小林一三(こばやし いちぞう)が「宝塚新温泉」の集客施設として設立した少女歌劇が起源でね、当初は兵庫県宝塚市のちいさな施設での公演だった。それが今では客席数2,550席を誇る宝塚大劇場と、東京宝塚劇場(2,069席)を擁する一大エンターテインメント集団に成長したんだから、歴史というのはすごいもんだろう?
現在の宝塚歌劇団は花・月・雪・星・宙の5つの「組」で構成されているんだが、このうち月組は花組と並んで最も歴史の深い組のひとつ。1921年に独立した組として確立されて以来、100年以上にわたって「月の光」のように柔らかく、そして力強い芸を磨き続けてきた。
「男役」という唯一無二のエンターテインメント
ここでおじさんが一つ解説しておこう。宝塚歌劇団の最大の特徴は全員が女性だということだよ。男性の役を演じる「男役」と、女性の役を演じる「娘役」がいて、各組のトップスターは必ず男役が務める。これは創設当初から一貫して守られてきたルールなんだ。
今回退団を発表した鳳月杏さんは、まさにこの男役のトップスター。神戸新聞は彼女の芸を「抜群の安定感と包容力、色香漂う独自の男役像」と表現している。ありきたりな男役ではなく、色気と包容力を兼ね備えた独自のスタイルを確立したトップスターだったんだね。
鳳月杏・天紫珠李、二人が残した言葉
退団会見で鳳月杏さんが語った「宝塚は人生そのもの」という言葉、おじさんはこれが刺さってしまったよ。宝塚音楽学校に入学し、厳しい訓練を経て舞台に立ち、トップスターまで上り詰める。その道のりは決して平坦ではない。学校の競争率は年によって差があるが、入学できるのはほんのひと握り。まさに人生を賭けた世界なんだ。
そして天紫珠李さんも会見に臨み、「最後までがんばっていこう」と語った。トップスターとトップ娘役が並んで会見するというのも、宝塚ならではの光景だろう。二人で一つの組を支えてきた絆が感じられるよね。
月組という組の「色」
おじさんに言わせれば、宝塚の5組それぞれには独自の「色」があるんだよ。花組は華やかさ、雪組は品格と洗練、星組はエネルギーと勢い、宙組はスケールの大きさ……そして月組は「ロマンと色気」と言われることが多い。
鳳月杏さんが体現していた「色香漂う男役像」はまさに月組の伝統に根ざしたものとも言えるね。歴代の月組トップスターたちが積み重ねてきた「月組らしさ」を彼女は引き継ぎ、そして独自のスタイルで昇華させた。
退団後の宝塚は「一期一会」の世界
宝塚歌劇では、トップスターが退団すると組のカラーもまた少し変化する。次のトップスターが自分のスタイルで組を作っていくからね。これは歌舞伎や能のように家元制度で受け継がれるのとは違う、宝塚ならではの在り方だよ。毎公演が「一期一会」、その組み合わせは二度と観られない。だからこそ宝塚のファンは熱狂するんだろうね。
まとめ
鳳月杏さんと天紫珠李さんの退団は、月組にとって一つの時代の終わりを意味する。だけどおじさんはね、それよりも彼女たちが残してくれたものの重さを感じているよ。1914年から続く112年の歴史の中で、ひとつのトップコンビが作り上げた「月組の時代」は、きっとファンの心に永く刻まれるだろう。
「宝塚は人生そのもの」――鳳月杏さんのこの言葉を聞いてね、おじさんは改めて思ったんだ。人生をかけて舞台に立つ人たちがいるから、観る側の人生も豊かになる。そういう連鎖が、100年を超えてこの劇団を支えてきたんじゃないかってね。
まだ宝塚を観たことがないなら、一度は生で観てみてくれよ。きっと「なるほど、これが宝塚か」って唸るから。おじさんが保証するよ!
うんちくおじさんの豆知識コーナー
宝塚歌劇団の「タカラジェンヌ」という呼び名の由来、知ってたかい?
宝塚歌劇団の団員は「タカラジェンヌ」と呼ばれるんだが、これは「宝塚(タカラヅカ)」と、フランス語で女性の歌手・芸術家を意味する「ジェンヌ(-ienne)」を組み合わせた造語なんだよ。宝塚歌劇は創設当初からフランスのミュージカルやオペレッタを強く意識していてね、そのフランス文化へのリスペクトがこの言葉にも込められているんだ。
ちなみに宝塚音楽学校の倍率は年によって異なるが、10倍以上になることも珍しくない。入学できるのは毎年40名前後という狭き門で、在校中も厳しい規律のもとで歌・踊り・演技を叩き込まれる。月組に限らず、すべてのタカラジェンヌはそういった選抜と訓練を経て舞台に立っているんだよ。
もう一つ。宝塚の舞台で有名な「大階段」は、幅約4メートル、高さ約6メートルの大きなもので、フィナーレのパレードでタカラジェンヌたちが羽根飾りをつけて降りてくるあのシーンは、何十年経っても変わらぬ宝塚の「顔」なんだ。