やあやあ、みんな元気かい?今日はね、ビール好きなら耳をそばだてるような話をしようと思ってさ。

サントリーとキリン——日本を代表するふたつの飲料メーカーが、また経営統合に向けて動き出しているというニュースが飛び込んできたよ。「また?」と思った人、さすが鋭い。実はこれ、17年前にも一度あったんだ。今日はその裏側から、サントリーの意外な歴史まで、たっぷり語ってやろうじゃないか。

キリンとサントリー、17年前の「幻の合併」

2009年7月のことだった。キリンホールディングスとサントリーホールディングスは、経営統合交渉に入ることを正式に発表した。もし実現していたら、売り上げ合計は約3兆8,000億円、従業員数は合わせて約5万人という、世界第3位の巨大飲料メーカーが誕生するはずだったんだ。

でも、交渉は約8ヶ月後の2010年2月に破談に終わった。最大の原因は株式の保有比率をめぐる対立——当時のサントリーは創業家・鳥井家が株式の過半数を保有する非上場企業で、キリン側が求める「対等な統合条件」に折り合いがつかなかったわけさ。

それから17年。サントリーは2014年にアメリカのバーボン大手「ビーム社」を約160億ドル(当時約1兆6,000億円)で買収してグローバル展開を加速させた。しかし国内では少子高齢化とアルコール離れという課題が重くのしかかっている。キリンも同様だ。両社にとって、国内市場の縮小は共通の「悩みの種」なんだよ。

サントリーってどんな会社?おじさん的基礎知識

まあ、ここで改めてサントリーのことを整理しておこうじゃないか。

サントリーの歴史は1899年、大阪・南区(現・中央区)で鳥井信治郎が「鳥井商店」を開いたことに始まる。最初はワインを売る店だったんだよ。そして1923年、京都府乙訓郡大山崎村(現・大山崎町)に山崎蒸溜所を設立し、日本初の本格ウイスキー製造に乗り出した。創業からたった24年でウイスキーメーカーに転身したわけだ、大胆だろう?

世界が認めたサントリーのウイスキー

山崎蒸溜所で造られる「山崎」ブランドのシングルモルトウイスキーは、2003年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジで金賞を受賞して以来、世界的な評価を確立した。2015年には「山崎シェリーカスク2013」がウイスキーバイブル誌(著者:ジム・マーレイ)で世界第1位に選ばれ、価格がプレミアム化。現在、限定ボトルは二次流通市場で数十万円以上の値がつくこともある。

「サントリー」という社名が生まれたのは1963年のこと。「太陽(Sun)」と創業者の名「鳥井(Tory)」を合わせたものだよ。

おじさんのうんちくコーナー:赤玉ポートワインと日本初の大規模広告

創業者の鳥井信治郎が1907年に発売した「赤玉ポートワイン」は、日本初の大規模な洋酒広告展開で知られているんだ。当時のポスターには赤い服を着た女性が描かれ、これが日本初の「ヌードポスター」として話題になったという逸話まである。広告費を惜しまずに市場を開拓するサントリーのスタイルは、この時代から始まっていたんだよ。

もうひとつ。サントリーホールディングス自体は現在も非上場だが、子会社の「サントリー食品インターナショナル」は2013年に東証一部(現・プライム市場)に上場している。時価総額は約1兆円規模で、日本のソフトドリンク最大手のひとつ。「BOSS」「伊右衛門」「天然水」ブランドなどがここに属しているよ。

猛暑とビール離れ、サントリーはどう戦う?

さて、今年2026年の夏に向けて、サントリーが面白い動きを見せているよ。

「サントリー生ビール」の夏限定バージョンを2026年7月に発売すると発表したんだ。通常の「サントリー生ビール」よりもさらにすっきりと飲みやすい味わいに仕上げ、猛暑でも飲み続けられる「ゴクゴク系」を提案している。

これには深刻な背景があってね。近年の記録的な猛暑によって、むしろビール離れが起きているというデータがあるんだ。2023年度の国税庁のデータでは、ビール類(ビール+発泡酒+第3のビール)の課税出荷数量はピーク時の1994年(約7億ケース超)から約半減している。熱中症リスクを考えてアルコールを避ける人が増えたり、若い世代のアルコール離れが進んでいたりと、ビールメーカーには逆風が続いているわけさ。

そこでサントリーは「暑くても飲めるビール、ゴクゴク系」というポジションを打ち出そうとしている。おじさんに言わせれば、これは攻めの一手だと思うよ。

ノンアルコール市場でも存在感

サントリーは2012年にノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー」を発売して以来、この分野を積極展開している。2023年時点でノンアルコール・低アルコール飲料市場は国内で約1,800億円規模に成長しており、サントリーはその最大手のひとつだよ。時代の流れを読む力は、さすが120年以上の歴史を持つ会社だけあるね。

キリンとの統合、今度はどうなる?

17年前の破談の原因は創業家の持株比率問題だったが、現在はグループ全体の資本構造も変化してきた。もしキリンとサントリーの統合が実現すれば、国内飲料市場の勢力図は一変する。2024年時点でのビール類シェアはアサヒが約37%、キリンが約32%、サントリーが約16%程度だから、キリン+サントリーで約48%——国内市場の約半分を占める超大型連合が誕生する計算になる。

まあ、ちょっと聞いてくれよ。おじさん的には、これはビジネスの論理だけじゃなく、日本のモノ作りの文化を守るための選択でもあると思うよ。ウイスキーにしろビールにしろ、長い歴史の積み重ねがあってこそ今の品質がある。そのDNAをどう次の世代に繋ぐか——そこが問われているんじゃないかな。

まとめ

サントリーって改めてすごい会社だろう?1899年に大阪の小さなワイン屋から始まって、1923年に日本初のウイスキー蒸溜所を作り、2015年には世界一のウイスキーを生み出し、そして今また国内飲料業界の再編の中心に立とうとしている。

17年前に失敗した大合併が今度こそ実現するかどうか、そして猛暑のビール離れにどう立ち向かうか——2026年の夏は、サントリーから目が離せないよ。

君もこの夏、冷えた一杯を手に、日本のビール業界の行方を見守ってみてくれよ。それじゃあ、また豆知識を持って現れるよ。乾杯!