やあやあ、ちょっと聞いてくれよ。

大相撲2026年5月場所、両国国技館で今まさに熱い戦いが繰り広げられているわけだが、おじさんが今日話したいのは「玉鷲一朗」のことだよ。41歳、モンゴル・ウランバートル出身、片男波部屋所属、身長189センチ・体重179キロの押し相撲の猛者さ。

幕内100場所という途方もない数字

今場所、玉鷲にとって幕内通算100場所目という節目の場所なんだ。これがどれほど凄いことか、ちょっと考えてみてくれよ。1場所は15日間、年6場所あるから、単純計算で約16〜17年分の幕内キャリアになるんだよ。

玉鷲が初土俵を踏んだのは2004年1月場所、まだ19歳のときさ。モンゴルから日本に渡って来て、20歳で相撲を始めた遅咲きの力士なんだよ。それが2008年9月場所に新入幕を果たし、ここまでコツコツと積み上げてきた。最高位は関脇。幕内在位100場所で積み上げた通算成績は713勝780敗2休——苦労人の数字だと思わないかい?

10日目の初星と日馬富士超え

今場所の玉鷲は苦しい戦いが続いていた。初日から9連敗という厳しい状況の中、10日目にしてようやく初白星。相手は朝白龍で、得意の力強い突進で圧倒して白星をもぎとったんだ。この713勝目が実は歴史的な意味を持っていてね。元横綱・日馬富士の幕内勝利数を上回り、歴代単独8位に躍り出たんだよ。連敗続きでも、記録は積み上がっていくものさ。

ただし現実は厳しい。1勝9敗という成績では、幕内に残るためには残り5日間で最低4〜5勝が必要な状況だ。

22年間休場なし、「鉄人」の真髄

玉鷲が「鉄人」と呼ばれる理由、おじさんが教えてあげよう。

2004年1月の初土俵から22年間、一度も休場していないのさ。これがどれほど異常なことか。相撲は激しい格闘技だ。膝・腰・肩……怪我と無縁の力士なんていない。それでも玉鷲は土俵に立ち続けた。今場所も場所前に右足を痛めているという情報があるにもかかわらず、「だいぶ良くなった」と言いながら15日間戦い抜こうとしている。

8日目に竜電(高田川部屋・35歳)に「つきひざ」で敗れ8連敗となった際、支度部屋で玉鷲は「早く1勝したいというより、早く自分の相撲を取りたい」と語ったそうだ。白星への焦りより、自分の相撲への執着——これが22年間続けてこられた精神の根っこなんじゃないかなと、おじさんは思うわけだよ。

うんちくおじさんの豆知識コーナー

「モンゴル出身力士が相撲界を席巻した理由」

まあ聞いてくれよ。玉鷲はモンゴル・ウランバートル出身だが、なぜモンゴル人は相撲が強いのかという話さ。

モンゴルには「ブフ」という伝統的な格闘技がある。上半身と下半身をしっかり使った組み技の文化が根付いていて、子どもの頃から身体の使い方を鍛えられるんだ。さらにモンゴルの遊牧生活で培われる強靭な体幹と精神力が、相撲の稽古に見事にマッチするとされているよ。

実際、2000年代以降に横綱を務めたのは朝青龍・白鵬・鶴竜・日馬富士・照ノ富士と、モンゴル出身者が圧倒的に多い。2000年以降の横綱在位期間を比較すると、モンゴル出身者が占める割合は全体の7割を超えると言われているんだよ。

玉鷲はその中でも最高位は関脇止まりだが、22年間コツコツ積み上げてきた713勝という数字は、横綱に次ぐ重みがあると、おじさんは思っているさ。

押し相撲の哲学——54%のおしだし

玉鷲の得意技は「押し」だ。過去6場所の決まり手を見ると、押し出しが54%を占めている。突き落とし11%、寄り切り11%——とにかく正面からぶつかって相手を押し出す力士なんだよ。

189センチ・179キロの巨体が、正面から突進してくる迫力は相当なものだ。本人もアンケートで「相撲界でNo.1だと思うこと」として「パワー」と答えているくらいだ。趣味は「小物作り(最近は玄関マットを制作)」という意外な一面もあるけどね。

十両陥落の危機と残された日々

現在、玉鷲は十両陥落の瀬戸際に立っている。1勝9敗というのは相撲界では「負け越し濃厚」どころか、幕内から第二の地位・十両への降格が現実的なラインだ。

それでも「気力はもちろんある」と言い切り、支度部屋を立つ際に「よし、大丈夫だ」と自分に言い聞かせる姿——41歳のベテランが若い力士たちに囲まれて土俵に上がり続ける姿は、何かを語りかけてくるものがあるよ。

おじさんからひとこと

おじさんに言わせれば、玉鷲の相撲人生は「記録より記憶」という言葉がぴったりだよ。2004年から22年間、1場所も休まず土俵に立ち続けた事実——これはどんな金メダルにも劣らない勲章だと思わないかい?

2026年5月場所、残り5日間。鉄人・玉鷲が幕内にしがみつくか、十両に落ちるか。どちらの結末になろうとも、節目の100場所目を全力で戦い抜いた41歳の姿は、長く語り継がれる話になりそうだよ。

さあ、今場所の残りの取組、おじさんと一緒に見守ろうじゃないか!