やあやあ、久しぶりだね。おじさんだよ。

今日はちょっと株式市場で面白い、いや「面白い」というより「不思議な」現象が起きているから、それについて話してみようと思うんだ。

「過去最高益なのに株価が急落する」――これ、普通に考えたらおかしいだろう?でもね、それがフジクラ(証券コード:5803)という会社に起きていることなんだよ。

フジクラって何をしている会社なの?

まず基本から押さえておこう。フジクラという会社、聞いたことはあるかい?

正式名称は株式会社フジクラで、1885年創業という、なんと140年以上の歴史を持つ日本の電線・ケーブルメーカーだよ。もともとは電線メーカーとして出発したんだけど、今は光ファイバーケーブルと光コネクタが主力事業になっているんだ。

そして今、この光ファイバーがとんでもないことになっている。なぜかというと、AIデータセンターの爆発的な拡大だよ。データセンターの中では膨大な量のデータが行き来するわけで、その通信インフラの基幹を担うのが光ファイバーケーブルなんだ。

フジクラは2025年10月、日米両政府の「戦略的投資に関する覚書」に基づくAIインフラ強化分野において、光ファイバーケーブルの供給者に正式選定されたんだよ。これは大きな話でね、アメリカのデータセンター向けに光ファイバーを供給する企業として、両国政府のお墨付きをもらったわけだ。

新中期経営計画の中身はこうだ

2026年5月19日、フジクラは投資家向け説明会で新中期経営計画(2027年〜2029年3月期)の詳細を発表した。数字をきちんと見ていこう。

2029年3月期の目標数値

  • 売上高:1兆6,000億円(2026年3月期実績の1兆1,824億円から約1.35倍)
  • 営業利益:3,150億円(同1,887億円から約1.67倍)
  • 営業利益率:19.7%(同16.0%から上昇)
  • ROE(自己資本利益率):28.5%

3年間で営業利益を1.67倍にするという計画は、通常の電線・ケーブル大手では出てこないペースだよ。しかもこれ、実は5期連続の過去最高益更新を続けながらのさらなる成長計画なんだ。

投資面では、3年間で5,300億円以上を成長分野・研究開発・M&Aに投じる方針を明示した。注力するのは、データセンター向け光ファイバー・光接続部品、生成AIインフラ関連、そしてフュージョンエネルギー(核融合)向け超電導コイルという新領域だ。

株主還元も手厚く、配当性向40%を目安とする方針を継続。2026年3月期の年間配当は(株式分割前ベースで)225円と、前期の100円から2.25倍という大幅増配を達成している。

おじさんの豆知識コーナー:「光ファイバーの消費量が爆発的に増える」理由

おじさんに言わせれば、光ファイバーってのは現代のインフラの「血管」みたいなものだよ。

AIが1回の問い合わせに処理するデータ量は、普通のウェブ検索の数百倍から数千倍ともいわれている。ChatGPTのようなサービスが世界中で使われるようになったことで、データセンターの中を行き来するデータ量が桁違いに増えたんだ。

フジクラの岡田直樹社長は記者会見で「米国のデータセンター拡大に伴い、光ファイバーの消費量も爆発的に増えてくるだろう」と語った。この言葉は誇張じゃなくてね、フジクラは光ファイバーケーブルの生産能力を増強するために日本とアメリカで最大3,000億円を投資する方針を決めているんだ。ただ、この投資効果が表れるのは2030年ごろになるという見通しも示している。

核融合エネルギーへの参入も面白い話でね、フュージョンエネルギーの炉を動かすには超電導コイルが必要で、そこにもフジクラの電線技術が生きてくるわけだ。光ファイバーからAI、核融合まで手を広げる会社というのが、今のフジクラなんだよ。

なぜ好業績なのに株価が急落したのか?

ここが今日の本題だよ。「過去最高益なのに株価17%下落」という矛盾、整理してみよう。

急落の背景にある3つの要因

①アナリスト予想との乖離

ブルームバーグが集計したアナリスト6人の2029年3月期営業利益予想は4,547億円だった。それに対して会社が発表した目標は3,150億円。実に1,400億円近い差がある。「強気な中計」のはずが、市場が想定していた水準には届かなかったわけだ。

②ROEへの失望

しんきんアセットマネジメント投信のシニアファンドマネジャー・藤原直樹氏は「ROE28.5%の目標が投資家の期待に届かなかったことが株価下落につながった」と分析している。

③需給の逆回転

5月1日時点で信用買残が1,687万株、信用倍率6.63倍という、買いに大きく傾いた状態だった。会社予想が市場予想を下回ったとき、これが一気に逆回転した。

5月14日の決算発表時点から株価は急落し始め、新中計を発表した5月19日の終値は4,695円(前日比16.95%安)。最高値からの下落率は34%にまで拡大している。時価総額は8兆3,344億円水準となった。

岡田社長自身も「多少、期待が高かった」という見方を示したほどだ。

それでも中長期の成長期待は根強い

一方で、藤原氏は「中計で示された利益目標は決して低い数字ではない」とも指摘している。今後の株価は、新中計で示した成長戦略の遂行力を市場がどう見極めるか次第だということだ。

まとめ:期待値と現実の温度差を読む力

まあ、こういう話を聞いてどう思うだろうね?

「過去最高益を更新し続けている会社が、3年後にさらに利益を67%伸ばすと言っているのに株価が下がる」――これが株式市場の面白いところでもあり、怖いところでもある。

市場というのはね、現在の数字じゃなくて「将来への期待値」で動くものなんだよ。フジクラの場合、AIインフラ需要への期待感があまりに高くなりすぎた結果、現実の計画数字が「想定以下」に見えてしまった。

もっとも、光ファイバーの世界需要がこれから爆発的に拡大するという大きな流れは変わっていない。日米政府のAIインフラ政策の中心に位置づけられた会社が、3,000億円規模の生産増強投資を進めているわけだから、2030年以降の成長ポテンシャルは相当なものがある。

おじさんに言わせれば、「期待が高すぎた反動」と「実際の成長余力」を冷静に区別して見ることが大事だよ。株価の話だけじゃなくて、世の中の出来事って大体そういうものだからね。

今日の話、参考になったかな?またいつでも話しかけてくれよ!