やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと懐かしい話をしようと思ってね。

最近ネットで「昼ドラ」が話題になってるじゃないか。俳優の高杉真宙が初主演を務めた『明日もきっと、おいしいご飯』が「隠れた名作」として注目を集めてるそうでね。ほら、「昼ドラ」って聞くとちょっと古臭いイメージがある人も多いだろう?でもこの作品がそのイメージをガラッと変えたって言われてるんだよ。

まあ、せっかくだからおじさんが昼ドラの話をたっぷり聞かせてやろうじゃないか。

昼ドラって何なのか、そもそもちゃんと知ってるかい?

昼ドラというのは、平日の12時から13時台に放送される帯番組の中で、主婦層をターゲットとしたテレビドラマの総称なんだ。語源は「昼の帯ドラマ」で、東海テレビがこの通称を公式に『昼ドラ』と呼んでいたんだよ。

帯番組というのは月曜から金曜まで毎日同じ時間帯に放送される番組のことで、昼ドラの放送回数は「40回・45回・60回」など5の倍数になることが多い。これは月〜金の5日放送という形式によるものなんだ。

日本の昼ドラは大きく分けると3種類の題材があってね:

  • 家族・親子の愛情譚
  • 男女の関係における愛憎劇(かなり濃い内容のやつだ)
  • 温泉地や病院などの労働現場での奮闘劇

ほぼ例外なく中高年の主婦層を意識して制作されていて、女性キャラクターの視点を中心に描かれる作品が圧倒的に多かった。

昼ドラの歴史は1960年代まで遡る

日本の昼ドラ、実は60年以上の歴史がある

1960年代に、TBSの『ポーラテレビ小説』、フジテレビの『ライオン奥様劇場』をはじめ、各放送局がこぞって昼の時間帯にドラマを放送し始めたのが原点なんだよ。

その後、TBS系の『愛の劇場』、CBC・MBS交互制作の『ドラマ30』、そして東海テレビの昼ドラ枠など、各局が独自の昼ドラ枠を持っていた。人気作品はシリーズ化されることも多くてね、たとえば『天までとどけ』『大好き!五つ子』『はるちゃん』『明日の光をつかめ』なんかは何年にもわたってシリーズが制作されたんだ。

ところが2016年3月、東海テレビが昼ドラの新作制作を終了。TBSも2009年3月に昼ドラ枠を終了していたから、2016年4月から約1年間、地上波では昼ドラの新作がまったく放送されない空白期間があったんだよ。

それが2017年4月3日、テレビ朝日系列が『帯ドラマ劇場』を開始して約1年ぶりに昼ドラが復活。2018年4月に一度中断したものの2019年4月に再開、2020年3月27日まで続いたんだ。

おじさんのうんちくコーナー:昼ドラと「ソープオペラ」の面白い関係

おじさんに言わせれば、昼ドラで一番面白い豆知識はスポンサーの話なんだよ。

日本の昼ドラには、特定の大手メーカーがスポンサーについていたんだ。TBSの『愛の劇場』には花王が、東海テレビやCBC・MBSの昼ドラにはP&Gが、フジテレビの『ライオン奥様劇場』にはライオンがスポンサーについていた。全部、石鹸・洗剤メーカーだろう?

これはアメリカでも同じでね。アメリカの昼の連続メロドラマは「ソープオペラ(Soap Opera)」と呼ばれる。石鹸(Soap)メーカーがスポンサーを務めたことが名前の由来だ。ただし正確にはアメリカの初期ソープオペラに石鹸会社が登場したことが語源という説もある。

つまり、主婦層に家庭用品を買ってもらいたいメーカーが、主婦が見る昼の時間帯のドラマにお金を出した、という構図が日米共通してあったわけだよ。なかなか商売上手だろう?

ちなみにアメリカのソープオペラは地域社会や職場を舞台にした群像劇で、50年にわたって放送されている長寿番組も存在するんだ。日本の昼ドラとは少しスタイルが違うけどね。

高杉真宙の『明日もきっと、おいしいご飯』が変えたもの

昼ドラのイメージが変わりつつある

1996年生まれの俳優・高杉真宙が初主演を務めた『明日もきっと、おいしいご飯』が、最近になって「隠れた名作」として再評価されているんだよ。

従来の昼ドラといえば、激しい愛憎劇や複雑な人間関係をドラマチックに描いた「昼ドラ的」と呼ばれる独特の世界観が定番だった。ところがこの作品は、そういったステレオタイプな昼ドラのイメージとは一線を画す作風だと話題になっているわけだ。

昼ドラという枠組みながら、現代的な感覚と丁寧な人物描写で多くの視聴者の心をつかんだってことだね。昼ドラ空白期を経て、新しい形で昼の時間帯ドラマが見直されているのは、なかなか感慨深いものがあるよ。

昼ドラの撮影って実は独特なんだよ

もう一つ、昼ドラの面白い豆知識を教えてあげよう。

昼ドラの撮影はセットごとに行われるため、必ずしも時系列に沿っていないんだ。このため出演者であっても「今どの時期を撮影しているのか完全には把握できない」という状況になることがある。撮影したシーンを放送で見て初めて内容を理解できた、なんて話もあるくらいだ。

出演者の中には「パズルを組むようだ」と表現した人もいるそうだよ。また、主役クラスの俳優は通常のドラマより拘束時間が格段に長いため、撮影期間中に結婚したり、逆に離婚に至ったりするなんて話も囁かれたほどだ。それだけ現場が濃密だったってことだね。

まとめ:昼ドラは日本のドラマ文化の礎だ

どうだい?昼ドラって聞くとなんとなく「お母さんが見るドラマ」くらいのイメージだった人も多いかもしれないけど、実は1960年代から続く60年以上の歴史を持つ、日本のドラマ文化の重要な一部なんだよ。

花王やP&G、ライオンといった大手スポンサーと組んで主婦層を支え続け、2016年に一度幕を閉じながらも、テレビ朝日の『帯ドラマ劇場』として復活を遂げた。そして今、高杉真宙のような現代の俳優が「新しい昼ドラ」を作り、またその存在が見直されている。

ドラマというのは時代の鏡だからね。昼ドラが何度も形を変えながら生き続けてきたのは、それだけ人々の生活に寄り添ってきた証拠だと、おじさんは思うんだよ。

君も機会があったら、話題の『明日もきっと、おいしいご飯』を見てみてくれよ。きっと昼ドラへの見方が変わるはずだよ。じゃあ、またね!