やあやあ、久しぶりに会ったねえ。今日はおじさん、ちょっと感慨深い話をしたくてさ、キーボードを叩いてるわけだよ。

テレビで「天然キャラ」として一世を風靡したあのスザンヌが、今や熊本で旅館を経営しているって話、君は聞いたかい? ただの「芸能人が地元に帰りました」って話じゃないんだよ、これが。おじさんに言わせれば、これはもう一つの人生ドラマだよ。

スザンヌって何者だったか、おさらいしておこうか

スザンヌ、本名・西崎鈴。1987年3月12日、熊本市生まれ。2006年頃からバラエティ番組に引っ張りだこになって、特にその「天然ぶり」がお茶の間の笑いをさらいまくったんだ。「スザンヌの天然発言」で検索すると今でもまとめサイトが山ほど出てくるくらいにね。

2012年にはお笑い芸人・馬場裕之(ロザン)と結婚して、子どもを授かって。芸能界のフロントラインからは少し距離を置いたけど、熊本との縁は切らなかった。それどころか、年々その縁は深くなっていったんだよ。

2016年4月、熊本に何が起きたか

ここが今日の本題に深く関わってくるんだ。まあ、聞いてくれよ。

2016年4月14日午後9時26分、熊本県益城町を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生した。これが「前震」だった。そして2日後の4月16日午前1時25分、本震となるマグニチュード7.3の巨大地震が同じ熊本を直撃したんだ。

この熊本地震では、直接死・関連死を合わせて273人が亡くなった。住宅被害は全壊・半壊合わせて約20万棟にも及んだ。益城町では最大震度7を2度も記録するという、観測史上初の事態が起きたんだよ。

スザンヌにとって、これは「遠くのニュース」じゃなかった。家族が、友達が、幼い頃遊んだ場所が、全部あの熊本にあるんだからね。

「いつでも帰ってこられる場所」を作る、という選択

あれから10年が経った2026年、スザンヌが旅館経営に乗り出したというニュースが流れてきた。日テレNEWS NNNの取材に対して彼女はこう語っているそうだよ。「地元への恩返し」「いつでも帰ってこられる場所を作りたかった」ってね。

これ、なかなか奥深い言葉だと思わないかい? 旅館ってのはつまり「人が帰ってくる場所」だろう。観光客に来てもらうことで地域にお金が回り、雇用が生まれ、熊本の魅力が発信される。単純に「寄付をした」とか「チャリティーをした」ってわけじゃなく、持続可能な形で地元を支える仕組みを作ろうとしているわけだ。

おじさん、これには正直、うなったよ。

同じ思いを持つ熊本出身の若い世代

今年、熊本地震から10年という節目に、スザンヌ以外にも熊本ゆかりの芸能人たちがそれぞれの思いを語っている。

熊本県出身のアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」のメンバー・谷崎早耶は「あの頃の記憶は今でも鮮明に覚えています」とコメントした。2016年当時、彼女はまだ十代だった。子どもの目で見た震災の記憶というのは、また別の重みがあるよ。

女優の坂ノ上茜も「何もできなかった当時の自分が今でも悔しいです」と語っている。この「あの時の悔しさ」が、今の活動のエネルギーになっているんだろうなあ。

おじさんのうんちくコーナー:旅館と「帰る場所」の日本文化史

ちょっと聞いてくれよ、旅館の歴史、面白いんだよこれが。

日本の旅館の原型は、奈良時代(710〜794年)に整備された「駅家(うまや)」にまで遡ると言われている。当時の律令制度のもとで、30里(約16km)ごとに設置されたんだ。馬を乗り継いで物資や情報を運ぶための施設だったわけだね。

それが江戸時代になると「旅籠(はたご)」として庶民の旅を支えるようになり、東海道・中山道などの街道沿いにズラリと並んだ。東海道五十三次で有名な東海道には、最盛期で約2000軒の旅籠があったとも言われているよ。

さらに面白いのが「湯治文化」だ。温泉地の旅館に長期滞在して病気を治すという習慣が日本には根付いていて、江戸時代には「湯治場」として栄えた温泉地が全国各地にある。熊本にも黒川温泉や阿蘇周辺に温泉地が多く、旅館文化は地域のアイデンティティそのものなんだよ。

つまりスザンヌが選んだ「旅館で地元を支える」という方法は、1000年以上続く日本の「帰れる場所」文化の系譜に連なるものだって言えるんじゃないかな。おじさんはそう思うよ。

熊本の復興、数字で見るとこうなる

せっかくだから、熊本の現在地も確認しておこうか。

被災から10年が経った現在、熊本城の天守閣は2021年4月に復旧完了。観光客も戻ってきて、2023年度の熊本城への入場者数は約187万人を記録した。震災前の水準に迫る数字だよ。

ただ、復興は均一に進んでいるわけじゃない。仮設住宅への入居は解消されたものの、住まいを完全に再建できていない世帯、コミュニティが戻りきっていない地区もある。「復興した」と「元に戻った」は、同じじゃないんだよ。

だからこそ、スザンヌのような「継続的に関わり続ける」人間の存在が意味を持つんだと思うんだよね。チャリティーコンサートで終わりじゃなく、旅館という形で毎日毎日、人を迎え続けるわけだから。

まとめ:帰る場所があるということ

おじさん、今日はちょっとしんみりした話をしてしまったかな。でもね、スザンヌの選択って、なかなか本質的なことを突いてると思うんだよ。

「いつでも帰ってこられる場所」って、それを作ること自体が一番の恩返しかもしれない。お金を寄付するのも大事だし、ボランティアに行くのも大事だ。でも、10年後も20年後も、人が集まれる場所を作って維持し続けるというのは、また別次元の話でさ。

熊本地震から10年。復興の形はいろいろある。芸能人としてスクリーンの前で輝くのもいい、地域に根ざして旅館を経営するのもいい。大切なのはその人が「本気でそこを思っているかどうか」なんじゃないかな。

さあ、君も今度の旅行先、熊本を考えてみてくれよ。スザンヌの旅館かどうかはわからないけど、熊本の温泉につかりながら、10年間踏ん張った土地のことをちょっと思ってみてくれたら、それだけで十分だとおじさんは思うよ。

じゃあ、またね。