やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと込み入った話をしようと思うんだが、まあ最後まで付き合ってくれよ。

最近「日本は魚を獲りすぎだ」なんて話を聞いたことないかい?ダイヤモンド・オンラインでも元水産庁職員がその「自虐史観」をぶった切る記事が話題になってたね。でもそもそも水産庁って何をしてる役所なのか、意外と知らない人が多いんじゃないかと思ってさ。おじさん的に、今日はそこから解説してあげよう。

水産庁って、そもそも何をしてるの?

水産庁が設立されたのは1948年(昭和23年)6月1日のことだ。農林水産省の外局として、日本の漁業・水産業を一手に管理している役所だよ。業務内容は漁業の許可・取り締まりから、水産資源の保護管理、漁港整備まで多岐にわたる。職員数はおよそ1,000人規模、全国の漁業取締船も運用していて、侵入漁船の監視もやってるんだ。

日本はかつて世界最大の漁業国だった。なんと1984年には年間1,282万トンもの水産物を水揚げしていたんだよ。それが2022年には約315万トンまで落ち込んでいる。この数字だけ見ると「確かに獲りすぎたんじゃないか」と思うだろう?ところがそう単純じゃないんだな、これが。

「日本が獲りすぎ」は本当か?元職員が語る衝撃の実態

おじさんに言わせれば、この話は相当複雑なんだ。元水産庁職員の方々がダイヤモンド・オンラインで指摘しているのは、中国・韓国の漁業活動が日本近海の水産資源に与えている深刻な影響だよ。

中国の漁船数はなんと推計590,000隻以上(2020年時点)。これは世界最大の漁船団だ。日本のEEZ(排他的経済水域)周辺や日本海・東シナ海での操業も問題視されていて、水産庁の漁業取締船が年間数百件規模の違法・越境操業を確認している。

それでも国際交渉の枠組みのせいで、日本側が一方的に漁獲量を制限させられるケースもある。1998年に締結した日韓漁業協定、2000年の日中漁業協定、これらに基づいた「協定水域」の設定が、むしろ日本漁業者に不利に働いていると元職員は語っているんだ。「理不尽」「一方的な不利益」という言葉が出てくるのも、そういった背景があってのことだよ。

おじさんの豆知識コーナー:EEZと漁業権のムズカシイ関係

まあ、聞いてくれよ。日本のEEZ(排他的経済水域)の面積、実は約447万km²もあって、これは国土面積(約38万km²)の実に約12倍なんだ。世界でもトップ6位に入る広大な海域を持ってるんだよ。

ところが国連海洋法条約(UNCLOS)では、隣国との間でEEZが重複する場合は中間線や歴史的漁業実績を考慮して交渉で決めることになっている。東シナ海では中国と200海里同士がもろに重なってしまうんだ。結果として、1996年の国連海洋法条約批准後も境界画定が完了していない海域が残っており、そこが「グレーゾーン」になって漁業紛争の温床になっている。地図で見るとシンプルな海も、国際法的には泥沼なんだよ。

春の風物詩「イカナゴ」が消えていく…

これとはまた別の問題も起きていてね。春の風物詩として関西地方で親しまれてきたイカナゴ(学名:Ammodytes personatus)、その漁獲量が激減しているんだ。

瀬戸内海のイカナゴ漁といえば兵庫県が有名で、毎年3月上旬に解禁される「春告魚」として知られてきた。2000年頃の瀬戸内海全体の漁獲量は約4万1,000トンもあったんだよ。それが近年は数百トン台まで落ち込んでいる。2023年の兵庫県のイカナゴ漁は解禁後数日で打ち切られるほどだった。

ここで面白い逆説があるんだ。イカナゴが減った原因の一つとして挙げられているのが、瀬戸内海の水質改善なんだよ。1970〜80年代に工場排水や生活排水で汚染されていた瀬戸内海は、環境規制の強化で劇的に水質が改善された。ところがそれによって栄養塩(チッ素・リン)が減少し、植物プランクトンが減り、イカナゴの餌が不足してしまったんだ。

「きれいな海=豊かな海」じゃない?

これはおじさんも最初聞いたとき驚いたんだけど、漁業の世界では「適度に栄養がある海」のほうが生産性が高い。完全に澄み切った透明な海はいわば「海の砂漠」状態で、魚の餌になるプランクトンが少ないんだ。

水産庁もこの問題を認識していて、2025年度から一部の地域で海に栄養塩を意図的に補給する実証実験を進めている。瀬戸内海に関しては2021年に水産環境整備センターと各県が連携して調査を本格化、栄養塩管理という新しいアプローチが模索されているよ。

日本の水産行政、これからどうなるの?

2020年に改正漁業法が施行されて、日本の漁業管理は大きく変わったんだ。それまで漁業者の慣行に任せていた部分を、科学的な資源評価に基づくTAC(漁獲可能量)制度に移行させようとしている。2023年時点でTAC管理魚種は8種から17種に拡大されたよ。

これ、実は欧米では当たり前のやり方で、EUはすでに1990年代から厳格なTAC管理をやってる。日本はそういう意味では「遅れてきた漁業管理国」でもあったんだな。

まとめ:海の話は一筋縄じゃいかない

どうだい、水産庁ひとつとっても、これだけ奥が深いだろう?イカナゴが減ったのは海がきれいになりすぎたせいかもしれない、「日本が獲りすぎ」という話には中韓の漁業問題が絡んでいる——こういう「見えていない事実」を知ることって、大事だと思うんだよね。

次に「サカナは獲りすぎだ」なんて話が出たとき、ちょっと立ち止まって考えてみてくれよ。海の問題は地球規模の話でもある。おじさんとしては、日本の漁業が科学的な管理のもとで立て直されることを願ってやまないよ。

じゃあまた、うんちくを仕入れて会いに来るよ。