やあやあ、久しぶりだね。今日はおじさん、ちょっと興奮気味でね、語らずにはいられない話があるんだよ。
DIR EN GREYが、3年10ヶ月ぶりの新アルバム「MORTAL DOWNER」をリリースしたんだ。まあ聞いてくれよ、これがただのアルバムじゃないんだ。
DIR EN GREYって、どんなバンドなんだい?
知らない人のために言っておくとね、DIR EN GREYは1997年に大阪で結成されたジャパニーズ・ロックバンドだよ。メンバーはKyo(ボーカル)、Die(ギター)、Kaoru(ギター)、Toshiya(ベース)、Shinya(ドラム)の5人組でね、結成から約29年のキャリアを誇る、日本が世界に誇る重量級バンドさ。
おじさんに言わせれば、このバンドの凄さは「ジャンルの壁をぶっ壊してきた」ことにある。ヴィジュアル系からスタートしつつ、ヘヴィメタル、プログレッシブロック、実験的な要素を次々と取り込んで、ヨーロッパやアメリカのフェスにも引っ張りだこになった。2006年にはアメリカのレーベル「Warcon Records」と契約し、海外でも本格的な活動を展開している。
3年10ヶ月の「難産」——「MORTAL DOWNER」の完成まで
今回の12thアルバム「MORTAL DOWNER」、前作「PHALARIS」(2022年リリース)から実に3年10ヶ月の歳月をかけて完成したんだ。
ナタリーのインタビューでToshiyaが語ったことによれば、このアルバムは「難産の末に完成した、妥協なき作品」だという。ベーシストとして長年バンドを支えてきた彼が「妥協なき」と言う重みを、おじさんはずっしり感じたよ。
また、ドラマーのShinya(本名:西田真一)はライブドアニュースのインタビューで「貫禄と経験値」というキーワードを挙げている。29年のキャリアを経た上で生み出された作品には、単純な「うまさ」を超えた何かがある、ということだろうね。
アルバムタイトル「MORTAL DOWNER」の意味とは?
さあ、ここからがおじさんの本領発揮だよ。
「MORTAL DOWNER」を直訳すれば「致命的な憂鬱」「死すべき存在がもたらす落下」といったところかな。「MORTAL」はラテン語「mortalis(死すべき)」が語源で、英語の「mortality(死すべき運命)」にもつながる。「DOWNER」は落ち込ませるもの、気分を下げるもの——という意味だ。
DIR EN GREYの歌詞は、古くから「人間の内面の暗部」「生と死の狭間」を描いてきた。Kyoの歌詞世界はまさに「存在の重さ」そのものでね、このタイトルはバンドの哲学を一言で表した、なかなか深いネーミングだとおじさんは思うよ。
「PHALARIS」から「MORTAL DOWNER」へ——進化の軌跡
前作「PHALARIS」は2022年8月にリリースされ、日本のオリコンアルバムランキングで初登場3位を記録している。収録曲は「Ain’t Afraid to Die」の再録版を含む全12曲で、ハードなサウンドと繊細な叙情性を融合させた作品として評価された。
今作「MORTAL DOWNER」は、その「PHALARIS」をさらに上回る密度と完成度を目指したとインタビューから読み取れる。「貫禄と経験値」というShinya の言葉には、5人全員が「もうこれ以上のものは作れない」という境地で向き合った、という意味が込められているんじゃないかとおじさんは思うよ。
豆知識:アルバムタイトルの法則
DIR EN GREYのアルバムタイトルを並べると面白い傾向があってね——
- 1st「GAUZE」(1999年):薄いガーゼ、覆われた真実
- 5th「THE MARROW OF A BONE」(2007年):骨の髄まで
- 8th「ARCHE」(2014年):ギリシャ語で「始まり・根源」
- 11th「PHALARIS」(2022年):古代ギリシャの暴君の名
- 12th「MORTAL DOWNER」(2026年):致命的な憂鬱
ラテン語・ギリシャ語・英語を組み合わせながら、常に「人間の本質・暗部・生死」を射貫くタイトルを選んでいるんだ。一貫したテーマ性がある、ということをぜひ覚えておいてくれよ。
まとめ——29年目の挑戦
まあ、長々と語ってしまったけどね、おじさんが言いたいのはひとつだよ。
DIR EN GREYは、1997年の結成から29年経った今も、「妥協」という二文字を知らないバンドだ、ということさ。3年10ヶ月かけて「MORTAL DOWNER」を完成させたToshiya、Shinya、そしてKyo・Die・Kaoru——この5人の「貫禄と経験値」が詰まった12枚目のアルバムを、ぜひ全曲通して聴いてみてくれよ。
おじさんも若い頃から聴き続けているけど、このバンドはいつも「次」を見せてくれる。それが29年間続いているのが、何より凄いことだと思わないかい?
じゃあ、またうんちくを仕入れてきたら話しかけるよ。
おじさんのうんちくコーナー:ヴィジュアル系の歴史と世界進出
ちょっと聞いてくれよ、ヴィジュアル系の歴史っていうのがこれまた面白くてね。
ヴィジュアル系というジャンルは、1980年代後半〜1990年代前半にX(現X JAPAN)やBUCK-TICKらが確立したとされている。X JAPANのYoshikiが1989年に「visual shock」というコンセプトを打ち出したのが一つの起点とも言われているんだ。
DIR EN GREYはその流れを汲みつつ、2000年代から積極的に「脱ヴィジュアル系」を宣言。2006年のアメリカツアーでは、地元のヘヴィメタルファンを驚かせる演奏クオリティで話題になったよ。
そして面白いのはここからでね——日本のバンドが海外で成功するにはいくつかのパターンがあって、DIR EN GREYの場合は「日本語のままで勝負」という戦略だった。英語にせず、日本語と独自の音楽性を武器にして欧米市場を切り開いたんだ。これはBABYMETALが2010年代に行ったことより、実は10年近く前の話だよ。
「音楽に言葉の壁はない」——その証明を、彼らは29年間やり続けているわけさ。