やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと硬い話になるけど、まあ聞いてくれよ。世界中が注目している男、習近平のことだ。
中国の最高指導者として2013年3月から君臨しているこの男、2022年の第20回党大会で異例の3期目入りを果たして、事実上の「終身指導者」への道を歩んでいる。おじさんに言わせれば、これだけでも十分すごいことなんだが、今の世界は彼が直面している「アキレス腱」に注目しているんだよ。
中国経済を一撃で止める「急所」とは何か
最近、プレジデントオンラインが報じた記事が話題になっているのは知ってるかな。タイトルが「あの習近平がプライドより優先せざるを得ない…中国経済を一撃で停止させるアキレス腱の正体」というもので、その正体はエネルギー輸入依存と半導体サプライチェーンの脆弱性なんだ。
具体的に言おう。中国は2023年時点で、1日あたり約1,100万バレルの石油を輸入している。これは世界最大の石油輸入国という地位だよ。そのうちの約40〜45%がホルムズ海峡を通る中東産石油だ。仮にこの海峡が封鎖されたら? 中国の製造業は数週間で深刻な打撃を受ける計算になる。
さらに半導体問題がある。アメリカが2022年10月に発動した対中輸出規制によって、中国は先端半導体製造装置の入手が極めて困難になった。中国国内最大手のSMICは現在、7nm以下のチップを量産できないでいる。一方でアメリカのTSMC(台湾)は2nmチップの量産を2025年から開始している。この差は埋まるどころか広がっている。
石油の世紀の終わりと「文明のOS」争奪戦
日本経済新聞も最近、「米中が競う『文明のOS』」という特集で、興味深い視点を提供している。エネルギー転換の波が、実は中国にとって地政学的逆転のチャンスになりうる、という話だ。
習近平が狙う「多極世界」のシナリオ
石油の時代はアメリカ主導の単極世界と表裏一体だった。ペトロダラー体制——石油取引をドルで行うという仕組みは、1974年のサウジアラビアとの合意から始まり、50年以上にわたって米国覇権を支えてきた。
習近平が狙うのはこの体制の解体だ。2023年3月にはサウジアラビアとイランの外交正常化を仲介し、中東における影響力を一気に拡大。さらに人民元建ての石油決済、いわゆる「ペトロユアン」の推進にも力を入れている。2023年には中国がサウジとの間でLNG(液化天然ガス)の人民元決済を実現させた。
EV(電気自動車)や太陽光パネルの普及でエネルギー構造が変われば、石油依存度が下がり、ペトロダラー体制が揺らぐ。皮肉なことに、習近平はエネルギー転換の「受益者」になりえるんだよ。
「アキレス腱」を抱えながら動く超大国
習近平の戦略の核心は、弱点を抱えたまま動き続けることだ。エネルギー安保の脆弱性を承知の上で、中国は「一帯一路」構想(2013年提唱)を推進し、2024年時点で150カ国以上が参加する巨大経済圏を築いた。これは単なる経済協力ではなく、エネルギーと物流の代替ルートを陸路・海路で確保する地政学的プロジェクトだ。
パキスタンを経由してアラビア海に出るCPEC(中パ経済回廊)、全長3,000kmを超える鉄道網、ミャンマーを通るパイプライン——これらはすべて、ホルムズ海峡封鎖というシナリオへの「保険」なんだよ。
半導体問題についても、中国は2025年までに国内半導体産業に1兆元(約20兆円)規模の投資を計画している。完全な自立は難しくても、「我慢できる水準」まで持っていく戦略だ。
米中の本当の戦場は「ルールメイキング」
日経新聞が「文明のOS」と表現したのは、じつに鋭い比較だと思う。コンピューターのOSがすべてのアプリの土台になるように、国際秩序の「ルール」が覇権の土台になる。ドル基軸通貨体制、WTOの貿易ルール、IMFの融資条件——これらは全部、アメリカが設計した「OSバージョン1.0」だ。
習近平が目指すのはこのOSのアップデートではなく、並行して「中国OS」を動かす多極世界だ。BRICS(現在10カ国体制、2024年に拡大)はその試みの最前線と言っていい。
まとめ:弱さを知りながら強がる男の戦略
どうだい、習近平という人物、単純に「強権的な独裁者」と見るだけじゃもったいないだろう? エネルギーという急所を抱えながら、その弱点を逆手に取って多極世界への転換を仕掛けている。これはある意味、柔道の「背負い投げ」みたいな戦略さ。
おじさんが思うに、これからの数年は習近平の賭けが成功するかどうかの正念場だよ。米中の関税戦争、台湾問題、半導体競争——どれ一つとっても、世界の行方を左右する大きな話だ。
まあ、難しい話を長々としてしまったね。でも世の中の動きを理解するには、こういう「根っこ」を知っておくことが大事なんだよ。またうんちく語りに付き合ってくれよな!
おじさんの豆知識コーナー:習近平の「皇帝化」の法的根拠
まあ、ちょっと聞いてくれよ。習近平が「終身指導者」に向かっていると言ったけど、その法的な仕掛けをご存知かな?
中国では1982年の憲法改正で、国家主席の任期を「連続2期10年まで」と定めた。これはケ小平が文化大革命の反省から設けた制限だ。ところが2018年3月、全国人民代表大会はこの任期制限を賛成2,958票、反対2票、棄権3票という圧倒的多数で削除した。反対票わずか2票というのが何とも象徴的だよね。
ちなみに習近平の権力集中は肩書にも表れている。彼は現在、①国家主席、②中国共産党総書記、③中央軍事委員会主席——この「三位一体」の最高職をすべて兼任している。毛沢東以来70年ぶりの圧倒的な個人支配体制と言われているんだ。