やあやあ、久しぶりだね。今日はお金の話をしようじゃないか。

そう、「現金預金」だよ。最近ネットのニュースを見ていたら、なかなか興味深い記事がいくつも出ていてね。51歳の女性がゆうちょ銀行に定期預金600万円を預けつつも、資産の9割が現金・預金という状態で目標額に届かず悩んでいる話。42歳の男性が入院をきっかけにリスクが怖くなって資産の8割を現金に、しかも定期に400万円ほど放置しているという話。さらには53歳の女性が銀行の窓口で勧められるままに定期預金と外貨預金に合計1000万円を突っ込んで、「これで良かったのかな」と疑問を感じているという話まであった。

まあ、聞いてくれよ。これ、実は日本全体の縮図なんだよ。

日本人と「たんす預金」の切っても切れない関係

日本銀行が2025年に発表したデータによれば、日本の家計の金融資産は総額2199兆円。そのうち現金・預金が占める割合はなんと52%超、約1150兆円にのぼる。アメリカの家計では現金・預金の割合は約13%、ユーロ圏でも約35%程度だから、いかに日本人が「お金は銀行に眠らせておく」文化かがわかるだろう?

さらに面白いのが「タンス預金」だ。日本銀行券(お札)の発行残高は2024年時点で約121兆円あるのに、実際に流通している(使われている)量はその3分の1以下とも言われる。残りはどこにあるか?そう、みなさんの家のタンスや押し入れの中だよ。

「定期預金に放置」がなぜ問題なのか

さっきの42歳男性のように定期預金に400万円を「放置」するパターン、実は日本中で起きている。

2024年時点でのゆうちょ銀行の定期貯金(1年)の金利は年0.125%。400万円預けると1年で利息が5000円だ。税引き後だと約3983円だよ。ランチ1〜2回分にもならない。

しかしここで問題なのは「インフレ」だよね。2023年の日本の消費者物価指数の上昇率は3.1%(総務省統計局発表)。2024年も2%台後半が続いている。つまり400万円の定期預金は、実質的な購買力として毎年約12万円以上が目減りし続けているということだ。放置しているつもりが、じりじりと損をしているわけだね。

おじさんのうんちく:「銀行」という言葉の語源を知っているかい?

「銀行」って言葉、なぜ「銀」なんだろうと思ったことはないか?英語の「bank」はイタリア語の「banco(ベンチ・長椅子)」が語源で、中世イタリアで両替商が広場にベンチを置いて取引したことから来ている。

では日本語の「銀行」はどこから来たか。これが面白い。1872年(明治5年)に国立銀行条例が制定される際、英語の「bank」の訳語として「金行」という案もあったんだが、当時の日本では「金(きん)」は皇室や政府に関係する特別な言葉として使うべきという意見があって、代わりに「銀」が採用されたんだよ。お金を扱う場所なのに「金」じゃなくて「銀」なのは、そういうわけだったのさ。

明治5年の日本に今の銀行のような概念がなかったのだから、翻訳者もなかなか大変だっただろうね。

「窓口で勧められた」外貨預金の罠

53歳の女性が銀行の窓口で勧められて1000万円を定期と外貨預金に分けたという話、おじさんには「ああ、またか」という感じがしてしまったよ。

外貨預金は、確かに金利が高い通貨もある。たとえば2024年時点でアメリカドルの1年定期預金の金利は日本の銀行でも年4%台を提示しているところがある。100万円分なら理論上4万円の利息だ。

でも「為替リスク」を忘れてはいけない。2022年のドル円相場は1ドル=115円台から150円台まで急激に動いた。逆に円高に振れれば、金利をはるかに上回る為替差損が出る。2023年には一時的に1ドル=127円台まで円高が進んだ局面もあり、その時期に外貨預金を解約した人は相当な損失を被ったはずだよ。

さらに見落とされがちなのが為替手数料だ。多くの銀行でドルへの両替コストは1ドルあたり1円。1000万円分を換金したら往復で単純計算2000ドル(約30万円)が消えることになる。「窓口で勧められた」商品には、銀行側の手数料収入が絡んでいることが多いのは覚えておくといい。

では、現金・預金はどう持てばいいのか

おじさんに言わせれば、現金や預金が「悪い」わけじゃない。大事なのはバランスだよ。

一般的にファイナンシャルプランナーが推奨する「生活防衛資金」は生活費の3〜6ヶ月分を普通預金で確保すること。日本の平均的な1ヶ月の生活費は約25〜30万円(総務省「家計調査」2024年版より)だから、75万〜180万円程度が現金・普通預金にあれば十分という考え方だ。

それを超えた分については、リスクに応じて分散を考えるわけだね。

  • 定期預金(元本保証、流動性低め)
  • 個人向け国債(変動10年型は2024年時点で税引き前年0.61%、元本保証・年2回購入可)
  • NISA口座でのインデックス投資(2024年から新NISA制度で年360万円まで非課税枠拡大)

51歳女性の「資産の9割が現金預金」という状態は、残り20〜30年の資産運用期間を考えると、インフレに負け続けるリスクが高い。42歳男性なら運用期間がさらに長いから、なおさらだよ。

まとめ — おじさんからひとこと

今日紹介した3人の話、どれも「安心したくてお金を手元に置いている」という気持ちからきているんだろうと思う。それ自体は自然な感情だし、否定しないよ。

ただ、現金や預金だって「リスクゼロ」じゃない。インフレという名の静かな敵が、じわじわとその価値を削り取っていく。2025年現在、日本銀行は2%のインフレ目標を掲げて政策を動かしている。この環境で100万円を10年間タンスに入れっぱなしにしたら、実質的な価値は70〜80万円台まで落ちることだってある。

お金の置き場所を「一度も見直したことがない」という人は、この機会にちょっとだけ考えてみてくれよ。銀行の窓口で勧められた商品を何も考えずに「はい」と言う前に、手数料と為替リスクを確認する習慣をつけてくれ。

まあ、おじさんはそれだけ言えれば満足だよ。またいい話ができたときは教えてあげるからね!