やあやあ、久しぶりだね。今日はおじさん、本当に語りたい話題があるんだ。そう、滋賀県彦根市に堂々とそびえ立つ「彦根城」のことさ。最近またこのお城の名前をよく耳にするようになったけど、みんな表面的なことしか知らないんじゃないか、っておじさんは思ってるんだよ。まあ、最後まで聞いてくれよ。

彦根城って、そもそもどんなお城?

彦根城は滋賀県彦根市金亀町1番地に位置する、江戸時代を代表するお城のひとつだ。天守が国宝に指定されているお城は日本全国に5つしかないんだけど——姫路城、松本城、犬山城、丸岡城、そして彦根城——彦根城はそのうちの一つというわけさ。1952年(昭和27年)に国宝指定を受けた、れっきとした文化財だよ。

お城の建設は徳川家康の重臣・井伊直政の子、井伊直継・直孝の時代に進められ、天守が完成したのは1622年(元和8年)のこと。琵琶湖を望む金亀山(標高約136メートル)の上に建ち、城郭全体の面積はおよそ60ヘクタールにもなる広大なものだよ。現在は国の特別史跡にも指定されていてね、城下には江戸時代の情緒が今もしっかり残っているんだ。

おじさんが掘り下げる、彦根城の3つの秘話

秘話①:明治時代の「取り壊し危機」を救ったのは、なんと天皇陛下だった

ここからが本番だよ。明治維新後、政府は全国の旧藩主のお城を「時代遅れの遺物」として次々と取り壊していったんだ。実際、多くの名城がこの時期に消えた。彦根城も1873年(明治6年)に廃城令の対象となり、取り壊しが決まりかけていたんだよ。

ところが1878年(明治11年)、明治天皇が北陸・東海地方を巡幸された際に彦根城に立ち寄ったんだ。その美しさと歴史的価値に感銘を受けた天皇は「保存すべし」とおことばを発し、取り壊し計画は白紙撤回されたというわけさ。もし天皇の訪問がなければ、今ごろ彦根城は存在していなかったかもしれないんだよ。

秘話②:井伊直弼と「安政の大獄」、そして日本の運命を変えた条約

彦根城の城主・井伊家といえば、幕末の政治家・井伊直弼(いい なおすけ)を外せないだろう。彼は彦根藩の第13代藩主にして江戸幕府の大老を務めた人物で、1858年(安政5年)6月19日に日米修好通商条約に調印したことで有名さ。当時の石高は35万石、幕府内でも最大クラスの力を持つ藩だったんだよ。

ただしこの条約、天皇の勅許を得ないまま調印したとして猛烈な反発を受け、直弼は「安政の大獄」と呼ばれる政治弾圧を主導することになる。吉田松陰、橋本左内ら100名以上が処罰されたこの事件の2年後、1860年(万延元年)3月3日——あの桜田門外の変で直弼は水戸浪士らに暗殺される。享年46歳。日本の近代化の転換点を作った人物が、この彦根城の城主だったわけさ。

秘話③:ひこにゃんは「招き猫伝説」から生まれた

2007年、彦根城築城400周年を記念して誕生したキャラクターが「ひこにゃん」だよ。白い猫のゆるキャラとして全国に知られるようになったけど、このキャラクターには元ネタとなる伝説があるんだ。

江戸時代初期のこと、彦根藩第2代藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰りに豪徳寺(東京都世田谷区)の前を通りかかったとき、一匹の白猫が手招きをした。猫に誘われて寺に入ったところ、直孝が立ち去った直後に落雷が!命拾いをした直孝は豪徳寺に多大な寄進を行い、そのお礼として招き猫が作られたという伝説さ。ひこにゃんはこの白猫をモチーフにしているわけだよ。

おじさんのうんちくコーナー:招き猫の「右手」と「左手」、意味が違うって知ってたか?

招き猫といえば、右手を上げているものと左手を上げているものがあることに気づいているかい?実はこれ、意味が全然違うんだよ。

  • 右手を上げた招き猫 → 金運・財運を招く
  • 左手を上げた招き猫 → 人・客を招く
  • 両手を上げた招き猫 → 金運と客運の両方……だが実は「お手上げ」を連想させるとして縁起が悪いとする説もある

豪徳寺の招き猫は「左手」を上げているものが多く、これは客(人縁)を招く意味合いが強いんだ。彦根城のひこにゃんが左手を上げているのも、この豪徳寺の招き猫伝説に倣っているからなのさ。なかなか奥が深いだろう?

世界遺産登録への動き、今どうなっているのか

ここ数年、彦根城をめぐって注目されているのが「ユネスコ世界遺産」への登録推進運動だよ。滋賀県と彦根市は2023年度以降も国への提言活動を継続していて、国内推薦候補として何度も名前が挙がっている。すでに姫路城は1993年(平成5年)に世界遺産登録を果たしているけど、彦根城も国宝5城の中で群を抜いた保存状態と歴史的価値を持つとして、専門家からの評価は高いんだよ。

また、城郭内では現在も修理・保全工事が継続中で、文化庁の指導のもと、江戸時代の建築技法に忠実な修復作業が行われているんだ。2024年には西の丸三重櫓の屋根葺き替え工事が注目を集めたよ。観光客数も回復傾向にあって、2023年度の彦根城の入場者数は約53万人を記録している。

まとめ

彦根城ってね、単に「古くてきれいなお城」じゃないんだよ。取り壊し寸前だった歴史、幕末日本の命運を握った城主、猫にまつわる伝説……いろんな物語がぎっしり詰まった場所なんだ。おじさんに言わせれば、現地に行ってただ写真を撮るだけじゃもったいなさすぎる。城郭の石垣の積み方ひとつとっても、見る人が見ればちゃんと意味があるんだからね。

今度の春、琵琶湖の湖畔を散歩がてら、ぜひ彦根城を訪れてみてくれよ。桜の時期(例年3月下旬〜4月上旬)は特に絶景だよ。その際はひこにゃんにも会いに行くのを忘れずにね。じゃあ、またうんちくを仕入れたらお話しするよ!