やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと難しそうに見えて、実は日本の未来に直結する話をしようと思うんだ。「寺島実郎」って名前、聞いたことあるかい?
まあ、寺島実郎って何者なんだ?
寺島実郎氏は1947年1月11日、北海道札幌市生まれの国際政治・経済の専門家だよ。早稲田大学政治経済学部を1969年に卒業後、三井物産に入社して国際ビジネスの最前線を歩んだ人物さ。現在は株式会社日本総合研究所の会長を務めながら、多摩大学学長も兼任している。もう77歳だというのに、世界中を飛び回って情報収集を続けている姿勢は本当に頭が下がるよ。
最近、時事通信のインタビューでこんな発言をしているんだ。「イラン情勢を巡って、日本は国連を軸にした多国間協調の枠組みを積極的に活用すべきだ」とね。アメリカとイランの緊張が高まる中、日本には独自の外交的役割がある、というのが寺島氏の主張さ。なかなか骨太な提言だろう?
ホルムズ海峡と日本の石油事情
さて、イラン情勢で必ず出てくるのが「ホルムズ海峡」という名前だ。ここがどれほど重要か、ちょっと聞いてくれよ。
ホルムズ海峡はイランとオマーンの間に位置する、幅わずか約33〜97キロメートルの海峡なんだけど、世界の石油海上輸送量の約20%——1日あたり約1,700万バレル——がここを通過している。日本が輸入する原油の約9割は中東産で、そのほぼすべてがこのホルムズ海峡を通るんだ。だから、ここが封鎖されたら日本経済は文字通り「干上がる」わけさ。
石破首相は最近、「石油の早期供給不足は生じない」と述べているけれど、日本の原油備蓄は国家備蓄と民間備蓄を合わせておよそ240日分。確かに短期的には余裕があるように見える。でも70年以上前にも、まったく同じ海峡を巡って日本が大きな賭けに出た事件があったんだよ。
73年前の「日章丸事件」が残した教訓
おじさんに言わせれば、歴史を知らずして現在を語ることはできない。
1953年、イランでは首相モハンマド・モサッデグ(1882〜1967年)が英国系のアングロ・イラニアン石油会社の資産を国有化した。これに対してイギリスをはじめとする西側諸国はイラン産石油を国際的にボイコット——つまり「あの石油を買った国は制裁するぞ」という圧力をかけたわけだ。
そこに颯爽と登場したのが、出光興産の創業者・出光佐三(1885〜1981年)。彼は「日章丸」というタンカーを密かにイランに送り込み、ボイコットされていたイラン産原油を買い付けて日本へ持ち帰った。これが「日章丸事件」だ。
1953年4月、日章丸がイランのアバダン港から石油を積んで出港すると、イギリス海軍の巡洋艦が追跡してきた。それでも出光佐三は一歩も引かず、無事に神戸港へ入港。日本国内では「国際石油資本に挑んだ男」として英雄視された。このとき積んだ原油は約22,000キロリットル。金額にして当時で約1億円相当だったと言われているよ。
寺島実郎が訴える「日本の役割」とは
話を現代に戻そう。寺島実郎氏が今回のインタビューで強調したのは、単純な「親米」でも「反米」でもない、多角的な外交戦略の必要性だ。
具体的には以下の3点を氏は主張している。
- 国連安保理の機能強化を通じた対話の枠組み構築
- 日本独自のイランとのパイプを活かした仲介外交
- エネルギー安全保障のためのサプライチェーンの多元化
日本とイランは1929年に国交を樹立し、以来90年以上の関係を持つ。1978年のイラン革命後も外交関係を維持し続けた数少ない国の一つが日本なんだよ。この「関係資産」を使わない手はない、というわけさ。
まとめ——歴史は繰り返す、でも賢く繰り返せ
73年前の日章丸事件と、今のイラン情勢。状況は違えど「エネルギーを巡る地政学的な緊張」という構図は驚くほど似ているだろう?
寺島実郎氏のような知識人が声を上げるのは、歴史の教訓を現代に活かせる可能性があると信じているからだよ。「日本に役割がある」という言葉は、単なるきれいごとじゃない。90年以上のイランとの外交関係、そして石油危機を何度も乗り越えてきた経験——これが日本の「使えるカード」なんだ。
まあ、国際情勢なんて難しそうに見えるけれど、要は「誰が何を求めているか」と「誰が橋渡しできるか」の話さ。寺島実郎氏の提言を、ぜひ頭の片隅に入れておいてくれよ。おじさんは君たちが世界をもう少し広い目で見てくれることを願っているぞ。
うんちくおじさんの豆知識コーナー
日章丸事件の「その後」が面白い!
出光佐三がイラン産原油を買い付けたことで、イギリスは国際司法裁判所(ICJ)に提訴したんだが、1952年にICJはそもそも「管轄権なし」として訴えを却下していたんだよ。つまり法的には完全に合法だったわけさ。
さらに面白いのは、この一件がのちの映画やドラマにもなっていること。2017年には「海賊とよばれた男」(監督:山崎貴、主演:岡田准一)として大ヒットし、興行収入約45億円を記録した。出光佐三をモデルにした百田尚樹の同名小説が原作で、2013年の本屋大賞を受賞しているんだ。73年前の石油ドラマが、今もこれほど日本人の心を打つのはなぜだろうね?
そしてもう一つ。ホルムズ海峡の「ホルムズ」という名前はポルトガル語で「ホルムズ島」に由来しているが、もともとはアラビア語の「アフラムズ」(熱風の意)から来ているという説もある。世界の石油の要衝に「熱風」という名がついているのは、なんとも示唆的だろう?