やあやあ、読者のみんな!今日はちょっと硬めの話題なんだけど、これが実はすごく面白いんだよ。「懲戒処分」って言葉、ニュースで見たことあるだろう?最近、法政大学の教授が大学を名誉毀損で訴えたって話が話題になってるんだけど、これがなかなか深い問題でね。まあ、聞いてくれよ。
法政大学の教授が大学を訴えた!何があったの?
まずは今回のニュースを整理しようか。法政大学のある教授が、大学側から懲戒処分を受けた上に、実名と処分内容をホームページ上で公表されたんだ。問題はね、その公表がなんと2年以上削除されなかったというんだよ。
教授はこれを名誉毀損だとして法政大学を提訴した。法政大学といえば1880年(明治13年)に創立した歴史ある大学で、現在の学生数は約6万人規模の大規模私立大学だからね、社会的な注目度も高いわけさ。
この件について、識者(法律や労働問題の専門家)は「期限なしの公表は懲罰的だ」とコメントしている。要するに、処分それ自体に加えて、永続的にネット上に名前をさらし続けることは、二重の制裁になるんじゃないかという問題提起だよ。
懲戒処分ってそもそも何だろう?
「懲戒処分」は、会社や学校などの組織が、規則に違反した構成員に対して科す制裁のことだ。日本の労働契約法第15条では、「懲戒は、労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められている。
懲戒処分には、軽い順に以下のような種類があるんだよ:
- 戒告(けいこく):口頭や文書での注意・警告
- 減給:給与の一部をカットする(労働基準法第91条により、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならない)
- 出勤停止:一定期間の出勤を禁止する
- 降格:役職・職位を下げる
- 諭旨解雇(ゆしかいこ):自主退職を促す形の解雇
- 懲戒解雇:最も重い処分で、退職金が支払われないケースも多い
おじさんが気になるポイント——「実名公表」はどこまで許されるのか
おじさんに言わせれば、今回の裁判で一番注目すべきは「実名公表の期間」の問題だよ。
日本では、公務員の懲戒処分は原則として氏名・処分内容・理由が公表される。国家公務員の場合、人事院規則で公表基準が定められていて、停職以上の処分は原則として公表対象になるんだ。
でも私立大学の場合は話が違う。私立学校法や各大学の就業規則に基づく「内部ルール」の範疇に入るため、どこまで公表するか、どれだけの期間公表し続けるかについて、法律で明確に規定されているわけじゃない。
ここが今回の訴訟のキモだよ。「処分の事実を公表すること」と「永続的にネット上で検索可能な状態にしておくこと」は、法的に全く別の問題なんだ。
大学の懲戒処分、実はこんな歴史があるんだ
大学教員の懲戒処分というのは、実は日本の大学界で長年議論されてきた問題だよ。
日本では私立学校振興助成法(1975年制定)や各大学の就業規則が処分の根拠になるんだけど、国立大学法人の場合は2004年の国立大学法人化以降、労働契約法の適用を受けるようになったから、民間企業と同じ基準で懲戒処分の妥当性が問われるようになった。
過去の判例を見ると、大学教員の懲戒処分をめぐる訴訟は1990年代から増加傾向にあって、特に2000年代以降はセクシャルハラスメント、アカデミックハラスメントを理由とした処分が増えているんだ。
企業の懲戒処分事例と比較してみると…
民間企業でも懲戒処分は日常的に行われているよ。厚生労働省の調査によると、従業員100人以上の企業のうち約70%以上が就業規則に懲戒規定を設けている。
近年特に注目されているのは「SNS投稿による懲戒」だ。飲食店でのアルバイトが不適切な動画をSNSに投稿して懲戒解雇になるケースが2013年頃から社会問題化したよね。あれも「バイトテロ」なんて言葉が生まれるほど話題になって、企業側がSNS利用規定を就業規則に盛り込むきっかけになったんだ。
まとめ——デジタル時代の「処分」と「公表」を考えよう
今回の法政大学の件は、単なる大学と教授の争いじゃなくて、「デジタル情報が半永久的に残る時代に、懲戒処分の公表はどうあるべきか」という現代的な問いを社会に投げかけているんだよ。
紙の時代なら、新聞に掲載されても翌日には古紙になって忘れられた。でも今はGoogleで検索すれば何年前の情報も一瞬で出てくる。懲戒処分を受けた人が「更生」「社会復帰」しようとしても、ネット上の記録がずっとついて回るとしたら——それって本当に公正なのかい?
おじさんはね、「罰を受けること」と「永遠に記録として残ること」は別の話だと思うんだよ。法律もルールも、時代と技術の変化に合わせてアップデートされていかなきゃいけない。この裁判の行方、ちゃんと見届けてほしいな。
じゃあ今日はここまで。また面白い話を持ってくるから、楽しみにしていてくれよ!
うんちくおじさんの豆知識コーナー:「忘れられる権利」って知ってるかい?
ヨーロッパでは2014年5月13日、EU司法裁判所が画期的な判決を下したんだ。スペインの男性マリオ・コステハ・ゴンサレスが、グーグル検索で自分の過去の借金問題記事が表示され続けることに異議を申し立てた裁判でね、裁判所は「個人には検索エンジンから自分の情報削除を求める権利がある」と認めたんだよ。
これが「忘れられる権利(Right to be forgotten)」の起源で、その後2018年に施行されたEUの「一般データ保護規則(GDPR)」第17条に正式に盛り込まれた。GDPRに違反した企業には、年間売上高の4%または2000万ユーロ(約32億円)のどちらか高い方が制裁金として科せられる。
日本ではどうかというと、2017年に最高裁が「検索結果の削除を求めることができる場合がある」と判断した事例がある(最高裁第三小法廷・平成29年1月31日決定)。明示的な「忘れられる権利」の法律はまだないけど、プライバシー権や人格権の観点から削除が認められるケースが出てきているんだ。
今回の法政大学の件も、この「デジタル時代の名誉と記録の問題」に直結しているよ。