やあやあ、久しぶりだね。今日はちょっと地政学的な話になるけど、まあ聞いてくれよ。ニュースを見てたら、なかなか面白い話題が飛び込んできたんだ。キューバにロシアのタンカーが入港して、原油を73万バレルも運んできたというんだ。アメリカが人道支援目的として例外的にこれを容認したというんだから、世界の政治ってのは複雑だよねえ。
おじさん、このニュースを聞いて思わず「ほほう」と膝を打ったよ。キューバとロシア、アメリカの三角関係には、実に60年以上の歴史が詰まってるんだ。今日はその辺をじっくり掘り下げてみようじゃないか。
キューバ燃料危機の現状
今回のニュースの背景から話そう。キューバは現在、深刻な燃料不足に直面しているんだ。首都ハバナでは1日に8時間以上の計画停電が日常化していて、ガソリンスタンドには何時間待ちという行列ができている状態だよ。2024年後半からこの状況は急速に悪化していてね、発電所の燃料不足で国全体の電力供給が不安定になってしまっている。
そこへロシアのタンカーが73万バレルの原油を積んで到着した。1バレルは約159リットルだから、73万バレルというのは約1億1600万リットルということになる。これは相当な量だよね。アメリカはキューバへの経済制裁を長年続けているけど、今回は人道的な観点からタンカーの入港を例外的に認めたんだ。
キューバとアメリカの60年越しの因縁
エンバーゴ(禁輸措置)の歴史
アメリカがキューバに対して包括的な経済制裁、通称「エンバーゴ」を発動したのは1962年2月のことだよ。ジョン・F・ケネディ大統領が署名したこの措置は、カストロ政権がアメリカ系企業を国有化したことへの対抗措置として始まったんだ。それから60年以上、基本的な構造は変わっていないんだから、大したものだよ。
フィデル・カストロが1959年にキューバ革命を成功させてから2008年に弟のラウル・カストロに権力を譲渡するまで、実に49年間も政権を握り続けた。現在はミゲル・ディアス=カネル大統領が2018年から国を率いているよ。
ソ連崩壊後の「特別期間」
ここで一つ重要な歴史的事実を紹介しよう。冷戦時代、キューバはソビエト連邦から年間約1300万トンもの石油を輸入していたんだ。ところが1991年にソ連が崩壊すると、この石油供給がほぼ一夜にして途絶えてしまった。キューバはこの時期を「特別期間(ペリオド・エスペシアル)」と呼んでいて、GDPが1989年から1993年の間に約35%も落ち込んだという記録が残っている。
この時期、キューバ国民はカロリー摂取量が1日平均1000キロカロリー以下にまで落ち込み、自転車が唯一の移動手段になった地域も多かったんだ。現在の燃料危機は、その時代を彷彿とさせると現地では言われているよ。
ロシアとキューバの現代的つながり
今回の73万バレルの原油輸送は、単なる人道支援以上の意味があるとおじさんは見ているよ。ロシアはウクライナ侵攻以降、西側諸国から厳しい経済制裁を受けている立場だ。その中でキューバへの支援を行うのは、欧米への対抗姿勢を示す外交カードという側面もあるだろう。
ロシアとキューバの経済関係は、ソ連時代に比べれば大幅に縮小しているものの、今もロシアはキューバにとって重要な経済パートナーだ。2022年のロシアのキューバへの輸出額は約3億ドルで、農業機械や電力設備なども含まれている。
キューバの経済規模と現状
キューバのGDPは約1070億ドル(2022年推計)で、人口は約1120万人。一人当たりGDPは約9500ドルとなっているが、これはカリブ海諸国の中でも低い水準だよ。かつては砂糖とタバコの輸出で外貨を稼いでいたキューバだが、今や観光業が最大の外貨収入源になっていた。ところがCOVID-19パンデミックで観光業が壊滅的な打撃を受けたことも、今回の危機の遠因の一つなんだ。
キューバ産の「葉巻」豆知識も一発
せっかくキューバの話をしているんだから、もう一つ豆知識を披露しておこうじゃないか。キューバ産の葉巻、特にハバナ産の「ハバノス」は世界最高品質として知られているよ。コヒーバ、モンテクリスト、ロメオ・イ・フリエタといったブランドは愛煙家にはたまらない存在だね。
年間生産量は約2億5000万本、輸出額は約5億ドルにのぼる。これがキューバにとって砂糖に次ぐ重要な輸出品なんだ。アメリカはキューバ産の葉巻も長年輸入禁止にしていたけど、2016年のオバマ政権時代に一部が解禁されたりと、この分野でも政治と経済が複雑に絡み合っているわけさ。
まとめ
どうだい、キューバの話一つとっても、これだけ深い歴史と地政学が絡み合っているだろう?今回のロシア原油タンカーの入港は、単なるエネルギー供給の話ではなく、冷戦以来続くキューバ・アメリカ・ロシアの三角関係の最新章といえるよ。
73万バレルの石油が果たしてキューバの燃料危機をどこまで和らげられるか、そしてアメリカが「人道的例外」として認めたこの事例が今後の米キューバ関係にどう影響するか、おじさんはしっかり注目していくつもりだよ。
まあ、世界の裏側で何が起きているか、ちゃんとアンテナを張っておくことが大事だよね。それじゃあまた次回もおじさんの話に付き合ってくれよ!
うんちくおじさんの豆知識コーナー
キューバと石油の知られざる関係
ちょっと聞いてくれよ、実はキューバ自身も石油を産出しているって知ってたかい?キューバ北岸沖のメキシコ湾には推定200億バレルという膨大な埋蔵量があるとされていて、2000年代にはスペインのレプソル社やノルウェーのスタトオイル社などが試掘を行ったんだ。ところが商業的に採算が取れるほどの量は確認できなかったという。
さらに面白いのは、キューバは2000年代から2010年代にかけて、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領との特別協定のもと、1日あたり最大10万バレルの原油を優遇価格で受け取っていたんだよ。その代わりとしてキューバは医師や教師などの専門家をベネズエラに派遣する「医師外交」を展開した。この物々交換的な外交は「ペトロカリベ」構想と呼ばれて、カリブ海諸国12カ国以上が参加したんだ。しかしチャベス大統領が2013年に58歳で死去し、後継のマドゥロ政権下でベネズエラ経済が崩壊すると、この石油供給も大幅に減少してしまった。そこへ今回のロシアからの原油が登場するわけさ。歴史は繰り返すというけど、キューバの石油をめぐる運命って、本当にドラマチックだよね。